医療機関がん診療機能の客観的・第三者評価標準システムに関する開発研究

文献情報

文献番号
200824017A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関がん診療機能の客観的・第三者評価標準システムに関する開発研究
課題番号
H18-がん臨床・一般-018
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
坪井 栄孝(財団法人 日本医療機能評価機構 財団)
研究分担者(所属機関)
  • 河北 博文(財団法人 日本医療機能評価機構 財団)
  • 加藤 裕久(昭和大学薬学部 医薬品情報学)
  • 今中 雄一(財団法人 日本医療機能評価機構 企画室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
5,674,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん診療の均てん化のためには、がん診療に携わる医療機関の体系的な機能評価が必要であるが、現在、がん診療に特化した機能評価体系は存在しない。一般的な医療機能評価は定着しつつあり、そこにがん診療機能に関する基準を上乗せすれば、効率的な評価が期待できる。本年度は、昨年度作成した「がん診療機能評価項目体系案Ver0.0」をもとに、「がん診療機能評価項目体系案Ver1.0」を作成し、その実用性、妥当性についての検討を行うとともに、現在の実施状況、充足状況についての調査を行うことを目的とした。
研究方法
「がん診療機能評価項目体系案Ver0.0」の項目の類似性や親和性に基づいて配置を変更するとともに、いくつかの項目を追加し、「がん診療機能評価項目体系案Ver1.0」とした。「がん診療機能評価項目体系案Ver1.0」を用いて、全国の都道府県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院等、計922施設を対象に、現在の実施状況、充足状況について尋ねるとともに、その妥当性と実用性についてのアンケートを行った。併せて、回答のあった施設のうち、5施設の代表者に対し、ヒアリングを行った。
結果と考察
350施設より回答を得た(回収率38%)。アンケート調査では、「がん診療機能評価項目体系案Ver1.0」を自己評価用ツールとして使用するには、用語や評価基準を明確にする必要性が示された。また、ヒアリング調査では、内容の妥当性についての意見が得られ、さらに内容を充実させていくための示唆が得られた。また、「Ver1.0」の項目について、充足率はがん拠点病院でその他の施設に比べて高く、妥当な結果が得られた。一方で、放射線治療のように診療機能が分担されているものや緩和ケアの一部など具体的な指針や方法が示されていない項目では、充足率が低いことが示された。
結論
がん診療機能評価に特化した「がん診療機能評価項目体系案Ver1.0」を作成し、全国922施設を対象としたアンケートおよび5施設の担当者にヒアリングを行った結果、自己評価に用いるためには、一部の項目、用語や使用法に検討の必要があるものの、がん診療機能の評価に使用しうると考えられた。また、「Ver1.0」に含まれる項目の多くは、がん拠点病院を中心に整備されつつあるが、緩和ケアの一部など具体的な指針が示されていないものについては、充足率が低いことが示された。

公開日・更新日

公開日
2009-04-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-12-01
更新日
-

文献情報

文献番号
200824017B
報告書区分
総合
研究課題名
医療機関がん診療機能の客観的・第三者評価標準システムに関する開発研究
課題番号
H18-がん臨床・一般-018
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
坪井 栄孝(財団法人 日本医療機能評価機構 財団)
研究分担者(所属機関)
  • 河北 博文(財団法人 日本医療機能評価機構 財団)
  • 加藤 裕久(昭和大学薬学部 医薬品情報学)
  • 今中 雄一(財団法人 日本医療機能評価機構 企画室)
  • 高上 洋一(国立がんセンター 薬物療法部長)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん診療の均てん化のためには、がん診療に携わる医療機関の体系的な機能評価が必要であるが、現在、がん診療に特化した機能評価体系は存在しない。一般的な医療機能評価は定着しつつあり、そこにがん診療機能に関する基準を上乗せすれば、効率的な評価が期待できる。本研究では、過去に実施したがん診療実態調査の解析を元に、がん診療の実情の把握、および各施設の診療内容に見合った機能の充足に役立てうる、がん診療に特化した機能評価項目体系を策定することを目的とした。
研究方法
過去に実施したがん診療の実態調査の詳細な解析を元に、「がん診療機能評価項目体系案Ver0.0」を策定し、がん診療専門家へのヒアリングを通じて項目の整理・追加および項目の配置変更を行い、「がん診療機能評価項目体系案Ver1.0」とした。さらに、がん診療の実態を再調査するとともに、「Ver1.0」の実用性を検証する目的で全国の都道府県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院等、計922施設を対象にアンケート調査を実施し、現在の実施状況、充足状況、および評価項目の妥当性と実用性について回答を得た。併せて、回答のあった施設のうち、5施設の代表者に対し、ヒアリングを行った。
結果と考察
初年度に実施した実態調査の解析から、全国のがん診療施設のうち、がん専門施設とそれ以外の施設での差が明確に示された。また、がん診療専門家および各施設の意見を取り入れて策定された「がん診療機能評価項目体系案Ver1.0」を用いたアンケート調査の結果350施設より回答を得(回収率38%)、「Ver1.0」を自己評価用ツールとして使用するには、用語や評価基準を明確にする必要性が示された。また、ヒアリング調査では、内容の妥当性についての意見が得られ、さらに内容を充実させていくための示唆が得られた。
結論
がん診療機能評価に特化した「がん診療機能評価項目体系案Ver1.0」を作成し、全国922施設を対象としたアンケートおよび5施設の担当者にヒアリングを行った結果、自己評価に用いるためには、一部の項目、用語や使用法に検討の必要があるものの、がん診療機能の評価に使用しうると考えられた。また、「Ver1.0」に含まれる項目の多くは、がん拠点病院を中心に整備されつつあるが、緩和ケアの一部など具体的な指針が示されていないものについては、充足率が低いことが示された。

公開日・更新日

公開日
2009-04-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-12-01
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200824017C

成果

専門的・学術的観点からの成果
全国のがん診療施設の機能を専門的・客観的に評価する評価項目体系を策定した。平成20年度は策定した評価項目体系の妥当性・実用性を評価する目的で全国の922施設を対象にアンケート調査を実施し、さらに5施設7人を対象としてヒアリング調査を実施した。アンケート調査では350施設から回答を得 (回答率38%)、本評価項目を自己評価用ツールとするには用語や評価基準を明確にする必要性があることが示された。また、ヒアリング調査では内容の妥当性について意見および内容を充実させていくための示唆が得られた。
臨床的観点からの成果
がん診療機能評価に特化した「がん診療機能評価項目体系案Ver.1.0」を作成し、日本全国の都道府県がん診療拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、国立高度専門医療センター、大学病院等、922施設を対象としたアンケート調査および5施設の担当者にヒアリング調査を行った。その結果、自己評価用に用いるためには、一部の項目や用語に検討の必要があるものの、がん診療機能の評価に使用しうると考えられた。また、病院の役割別に別立てとすると実用性の向上に資する可能性、病院の達成目標を示す役割を有する可能性が示唆された。
ガイドライン等の開発
平成18年度に実施したヒアリング調査の結果、I. 病理診断、II. 化学療法、III. 放射線治療、IV. 緩和ケア、V. 薬剤部の各領域におけるがん診療の問題点が明らかになった。また各領域においてがん診療の質を担保するために必要な人員配置と求められる専門的知識・能力が同定された。平成19年度には、専門家意見と学術的専門的資料に基づきがん診療機能評価の体系の改訂プロセスを進め、評価指標体系を開発することができた。平成20年度には「がん診療機能評価項目体系案Ver1.0」を作成した。
その他行政的観点からの成果
三年間の研究の結果、拠点病院の要件や提出データ内容の参考にしうるがん診療機能評価項目体系を策定した。当該評価項目体系を利用してがん診療機能を評価することは、今後のがん診療連携拠点病院評価に資するものである。
その他のインパクト
特記事項なし。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
山口亜弓,辻典明, 関本美穂, 三原華子, 今中雄一, 土屋了介, 坪井栄孝.各医療機関におけるがん診療提供体制の実態.第44回日本病院管理学会学術総会.2006年10月20日 名古屋.
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
-