診断群分類を活用した医療サービスのコスト推計に関する研究

文献情報

文献番号
200601012A
報告書区分
総括
研究課題名
診断群分類を活用した医療サービスのコスト推計に関する研究
課題番号
H16-政策-一般-027
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
松田 晋哉(産業医科大学医学部 公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 今中 雄一(京都大学 医療経済学)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院 医療情報システム学分野)
  • 遠藤 久夫(学習院大学 経済学部)
  • 大江 和彦(東京大学 医療情報経済学)
  • 阿南 誠(九州医療センター)
  • 宇都 由美子(鹿児島大学 医療情報学)
  • 柿田 章(私立医科大学協会)
  • 渡辺 清明(国際医療福祉大学附属三田病院)
  • 開原 成允(国際医療福祉大学)
  • 竹田 秀(特定非営利活動法人VHJ機構)
  • 坂本 徹(東京医科歯科大学病院)
  • 吉田 英機(昭和大学 医学部 泌尿器科学)
  • 橋本 英樹(東京大学大学院医学系研究科 医療経営政策学講座)
  • 石川 ベンジャミン 光一(国立がんセンター研究所 がん情報研究部)
  • 桑原 一彰(沖縄県立北部病院)
  • 藤森 研司(札幌医科大学 放射線科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
175,440,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、(1)今後の医療体制及び医療保険制度改革の基礎資料の収集、(2)DPCの枠組みを活用した医療サービスのコスト検討手法の開発、(3)DPC導入が医療体制及び医療経済に及ぼした影響の検討、である。
研究方法
本研究の実施に当たっては、全国の病院管理学、医療経済学、医療情報学、各臨床分野の専門家からなる研究班を組織し、以下のような検討を行った。  
(1)コスト調査のための方法論の検討、(2)DPCデータベース構築に関する研究及びOLAPシステムの開発、(3)DPCコーディングの精度向上の方法論の検討、(4)原価計算に対応した医療情報システムの要件の整理、(5)DPCレセプトの評価手法の開発、(6)地域医療への影響の評価、(7)国民医療費への影響
結果と考察
(1)全国約220のDPC対象病院等から収集した診療録及び診療報酬明細書のデータ及びコストデータに基づき、各DPCの部門別原価を推計することを試みた結果、出来高をベースとして開発されてきたわが国のレセコンを活用することで、施設種別によらず、ほぼ同じ手法によってDPC別原価の推計が可能であることが実証された。(2)DPC調査に関連して収集されている情報を用いて、臨床面、医療経済面の両方から各施設のパフォーマンスを比較評価することができる。平成18年度研究では、そのような仕組みをOLAPやポートフォリオを活用したベンチマーキングシステムとして構築した。また、看護必要度やICU・ERの状況についても検討を行った。
結論
本研究の結果、研究班で開発した標準原価計算方式を用いることでDPC別原価を推計することが可能となった。また、DPCに対応した情報システムを構築することで、各施設の医療過程や結果を評価するための種々の指標が作成できること、DPC電子レセプトの評価システムを作成できることが示された。

公開日・更新日

公開日
2007-06-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-10-31
更新日
-

文献情報

文献番号
200601012B
報告書区分
総合
研究課題名
診断群分類を活用した医療サービスのコスト推計に関する研究
課題番号
H16-政策-一般-027
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
松田 晋哉(産業医科大学医学部 公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 今中 雄一(京都大学医療経済学)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院医療情報システム学分野)
  • 石川 ベンジャミン 光一(国立がんセンター研究所がん情報研究部)
  • 遠藤 久夫(学習院大学経済学部)
  • 大江 和彦(東京大学医学部)
  • 橋本 英樹(東京大学大学院医学系研究科)
  • 阿南 誠(九州医療センター)
  • 宇都 由美子(鹿児島大学医学部)
  • 渡辺 清明(国際医療福祉大学)
  • 開原 成允(国際医療福祉大学)
  • 竹田 秀(特定非営利活動法人VHJ機構)
  • 吉田 英機(昭和大学医学部)
  • 柿田 章(私立医科大学協会)
  • 坂本 徹(東京医科歯科大学病院)
  • 藤森 研司(札幌医科大学医学部)
  • 桑原 一彰(九州大学医学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、(1)今後の医療体制及び医療保険制度改革の基礎資料の収集、(2)DPCの枠組みを活用した医療サービスのコスト検討手法の開発、(3)DPC導入が医療体制及び医療経済に及ぼした影響の検討、である。
研究方法
本研究の実施に当たっては、全国の病院管理学、医療経済学、医療情報学、各臨床分野の専門家からなる研究班を組織し、以下のような検討を行った。  
(1)コスト調査のための方法論の検討、(2)DPCデータベース構築に関する研究及びOLAPシステムの開発、(3)DPCコーディングの精度向上の方法論の検討、(4)原価計算に対応した医療情報システムの要件の整理、(5)DPCレセプトの評価手法の開発、(6)地域医療への影響の評価、(7)国民医療費への影響、(8)DPCにおけるアウトライヤー症例の検討、(9)DPC導入が臨床検査及び画像に及ぼす影響の検討、(10)DPC対象病院における外来診療の状況の調査

結果と考察
(1)全国の延べ500以上のDPC対象病院等から収集した診療録及び診療報酬明細書のデータ及びコストデータに基づき、各DPCの部門別原価を推計することを試みた結果、出来高をベースとして開発されてきたわが国のレセコンを活用することで、施設種別によらず、ほぼ同じ手法によってDPC別原価の推計が可能であることが実証された。(2)DPC調査に関連して収集されている情報を用いて、臨床面、医療経済面の両方から各施設のプロセスやパフォーマンスを外来も含めて比較評価することができることが示された。また、そのような仕組みをOLAPやポートフォリオを活用したベンチマーキングシステムとして構築した。(3)DPCに関連して看護必要度やICU・ERの状況についても検討を行った。
結論
本研究の結果、研究班で開発した標準原価計算方式を用いることでDPC別原価を推計することが可能となった。また、DPCに対応した情報システムを構築することで、入院・外来を含めて各施設の医療過程や結果を評価するための種々の指標が作成できること、DPC電子レセプトの評価システムを作成できることが示された。

公開日・更新日

公開日
2008-03-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200601012C

成果

専門的・学術的観点からの成果
診断群分類(DPC)を活用して医療サービスのコストを推計する手法の開発及びそれを用いた推計を行った。基礎データとして使用される財務諸表の内容についても検討し、その標準化のための提言をまとめた。また、DPC調査の枠組みを活用して、医療のコストやパフォーマンスを多施設間で比較するための手法をOLAP等を用いて開発した。さらにDPCごとのプロセスの検討やICU・ER及び看護必要度の実態調査を行い、病院の機能を評価するための方法論の開発を行った。
臨床的観点からの成果
DPCで収集している臨床情報(様式1)及び医療行為の詳細情報を用いて、DPCごとの診療内容のプロセスの検討を行い、その分析及び指標化の方法を開発した。具体的には臨床指標の開発とそれを用いた施設間比較を行い、医療の質向上のための方法論について検証を行った。また、DPCの枠組みを用いた臨床研究の方法論についても検討を行った。
ガイドライン等の開発
DPCをベースとしたコスト推計の方法論及びそのための入力支援ソフトを開発した。
これを用いた結果については平成18年度第12回診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会(平成18年7月13日)において報告された。
その他行政的観点からの成果
本研究の成果はDPC対象施設拡大のための基準作成、DPC分類の見直し、また都道府県によっては医療計画見直しの参考資料として活用されている。
その他のインパクト
平成18年8月に公開セミナー(DPCセミナー)を開催した。本研究の成果は日本経済新聞、読売新聞等、種々のマスメディアでも取り上げられている。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
4件
その他論文(和文)
110件
その他論文(英文等)
15件
学会発表(国内学会)
22件
学会発表(国際学会等)
11件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
2件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Hideo YASUNAGA, Hiroo IDE, Tomoaki IMAMURA, and Kazuhiko OHE
Influence of Japan's New Diagnosis Procedure Combination-Based Payment System on the Surgical Sector: Does it Really Shorten the Hospital Stay?
Surgery Today , 36 (7) , 577-585  (2006)
原著論文2
Kuwabara K, Imanaka Y, Matsuda S, et al
Profiling of resource use variation among six diseases treated at 82 Japanese special functioning hospitals, based on administrative data
Health Policy , 78 (2) , 306-318  (2006)
原著論文3
Fushimi, K, Hashimoto, H, Imanaka, Y, et al
Functional mapping of hospitals bydiagnosis-dominant case-mix analysis
BMC Health Services Research , 7  (2007)
原著論文4
Matsuda S
Casemix as a tool for transparency of medical services
The Japanese Journal of Social Security Policy , 6 (1)  (2007)
原著論文5
久富洋子、阿南 誠 秋岡 美登惠、上田京子
DPC導入に伴う大量データのICDコード検証の方法について
診療録管理 , 18 (2) , 159-  (2006)
原著論文6
阿南誠、秋岡美登惠、柴田実和子、上田京子、久富洋子
DPC分類にみるICDの構造的問題点について
診療録管理 , 17 (1) , 35-38  (2005)

公開日・更新日

公開日
2014-05-21
更新日
-