老化因子と加齢に伴う身体機能変化に関する長期縦断的疫学研究

文献情報

文献番号
200400311A
報告書区分
総括
研究課題名
老化因子と加齢に伴う身体機能変化に関する長期縦断的疫学研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
下方 浩史(国立長寿医療センター研究所 疫学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 吉田 英世(東京都老人総合研究所)
  • 熊谷 秋三(九州大学健康科学センター)
  • 葛谷 雅文(名古屋大学大学院医学研究科)
  • 納 光弘(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科)
  • 安藤 富士子(国立長寿医療センター研究所 疫学研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
37,525,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は老化や老年病の成因を疫学的に解明しその予防を進めていくために、医学・心理学・運動生理学・形態学・栄養学などの広い分野にわたっての学際的かつ詳細な老化に関する縦断的調査データの収集および解析を行うことである。
研究方法
老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)では、長寿医療センター周辺の40歳から79歳までの無作為抽出された約2300名の地域住民を対象にセンター施設内での調査を平成9年から2年に一度ずつ実施している。頭部MRIなどの各種医学検査、包括的心理調査、運動調査、写真記録を併用した栄養調査などを毎日7名に朝9時から夕方4時まで行っている。さらに全国の分担研究者と協力し、都市、農村、離島における老化の進行の研究、特殊な診断技術や方法論を必要とする神経学的検査所見の縦断的研究、運動などの積極的な介入による老化過程の変化についての研究も行った。
結果と考察
NILS-LSAは平成16年5月に第3次調査を終了し、引き続いて第4次調査を開始した。第3次調査2,378名についてデータのチェック・修正等を行い、老化の基礎データとしてモノグラフを作成しインターネット上に公開した。このように包括的かつ詳細な老化の基礎データの公開は他にほとんど例はない。調査開始以来、NILS-LSAからの専門学術雑誌、学会などへの発表は400を超えた。個別研究では、肥満を伴う糖尿病男性患者を対象にした介入研究で実施者の精神健康度に配慮した指導の必要性が示唆された。離島の在宅高齢者を対象とした神経学的診察所見の10年間の検討で握力、下肢バランス機能が加齢の影響を最も受け易いことが明らかとなった。男女103,648名を対象とした14年間の縦断的データの解析では喫煙習慣により総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロールは低下し、トリグリセライドとβリポ蛋白は増加した。農村の地域在住高齢者の7年間の反復測定データでは主観的健康度に加齢変化が認められたがその変化の程度は小さかった。
結論
基幹施設である長寿医療センターでの地域住民への疫学的調査に基づく縦断研究では平成16年5月に第3次調査が終了し、引き続いて第4次調査を開始している。第3次調査の結果をモノグラフとしてインターネット上に公開を行った。各班員はそれぞれのコホートで縦断的個別研究を行い、日本人における老化縦断研究をすすめた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-

文献情報

文献番号
200400311B
報告書区分
総合
研究課題名
老化因子と加齢に伴う身体機能変化に関する長期縦断的疫学研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
下方 浩史(国立長寿医療センター研究所 疫学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 隆雄(東京都老人総合研究所)
  • 吉田 英世(東京都老人総合研究所)
  • 熊谷 秋三(九州大学健康科学センター)
  • 葛谷 文男(名古屋大学大学院医学研究科)
  • 納 光弘(鹿児島大学大学院医歯学研究科)
  • 安藤 富士子(国立長寿医療センター研究所 疫学研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は老化や老年病の成因を疫学的に解明しその予防を進めていくために、医学・心理学・運動生理学・形態学・栄養学などの広い分野にわたっての学際的かつ詳細な老化に関する縦断的調査データの収集および解析を行うことである。
研究方法
老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)では、長寿医療センター周辺の40歳から79歳までの無作為抽出された約2300名の地域住民を対象にセンター施設内での調査を平成9年から2年に一度ずつ実施している。頭部MRIなどの各種医学検査、包括的心理調査、運動調査、写真記録を併用した栄養調査などを毎日7名に朝9時から夕方4時まで行っている。さらに全国の分担研究者と協力し都市、農村、離島での老化の進行の研究、神経学的検査所見の縦断的研究、積極的な介入による老化過程の変化、ハワイ在住の日系米人での縦断研究など、基幹施設での調査を補完する検討も行った。
結果と考察
NILS-LSAは平成14年5月には第2次調査が終了し、平成16年5月には第3次調査が終了、引き続いて第4次調査を開始した。第1次および2次調査の検査についてデータからモノグラフを作成した。また平成16年度には第3次調査の結果についてもまとめ、第1次、第2次調査の結果とともにインターネット上に公開した。このように包括的かつ詳細な老化の基礎データの公開は他にほとんど例はない。調査開始以来、NILS-LSAからの専門学術雑誌、学会などへの発表は400を超えた。個別研究では、介入研究で実施者の精神健康度に配慮した指導の必要性が示唆された。離島の在宅高齢者の10年間の検討では握力、下肢バランス機能が加齢の影響を最も受けていた。14年間にわたって追跡されている10万人以上の大規模健診集団の調査では飲酒の高血圧症発症への影響は高齢者ではみられないこと、飲酒習慣の変化で血清脂質が大きく変化すること、喫煙による血清脂質の影響は性・年齢で異なることがわかった。農村の地域住民における縦断的疫学調査では主観的健康度に加齢変化が認められた。ハワイ在住男性での検討では肉類・肉加工食品の摂取量が多い者ではその後の抑うつ頻度が高かった。
結論
地域住民での縦断研究では第1次から第3次までの調査結果をモノグラフという形で発表し、またインターネット上でも公開した。各班員はそれぞれのコホートで縦断的個別研究を行い、日本人における老化縦断研究をすすめた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-