文献情報
文献番号
200738009A
報告書区分
総括
研究課題名
健全な水循環の形成に資する浄水・管路技術に関する研究
課題番号
H17-健康-一般-023
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
藤原 正弘(財団法人水道技術研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 谷口 元(財団法人水道技術研究センター)
- 安藤 茂(財団法人水道技術研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
30,770,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
地域の原水水質に応じた最適な浄水システムの選定指針の作成及び老朽化した管路の機能診断・評価手法を確立し、より高度な水道システムの構築を図るとともに国民の公衆衛生の向上に資することを目的とする。
研究方法
全国の水道事業体から収集した水質データの統計分析、鉄系凝集剤及び膜ろ過を含む実規模実験、LCAによる環境影響評価などにより浄水システムを総合的に評価し、原水条件に最も適した浄水システムの選定手法の確立を目的として実施した。また、水道原水の取水場内に設置したVOC計による実験などにより、水道原水の異臭味物質の迅速検知とその対応手法の検討を行った。
また、残留塩素濃度の減少・消失等の水質変化を主な判断指標として、管内面の劣化状況を診断評価する手法の検討を実験室や水道事業体の実管路を用いて実施した。適切な管路更新に向け、管路が有する機能の実態を把握し、管路更新の際の判断指標となる診断技術について研究を実施した。
また、残留塩素濃度の減少・消失等の水質変化を主な判断指標として、管内面の劣化状況を診断評価する手法の検討を実験室や水道事業体の実管路を用いて実施した。適切な管路更新に向け、管路が有する機能の実態を把握し、管路更新の際の判断指標となる診断技術について研究を実施した。
結果と考察
・主成分分析及びクラスター解析により日本全国の原水を水質面からグループ分けし、水質を統合化した数値で表現し、水質マップとして示した。これにより全国の事業体が自己の水道原水水質を客観的に評価することが可能となった。
・実証実験により膜ろ過システムの原水変動に対する水質安定性、「鉄系凝集剤+膜ろ過システム」の優れた処理水量の安定性、膜ろ過システム及び鉄系凝集剤の有効性などを確認し、今後さらに適用の幅が広がる可能性を示した。
・浄水施設のLCA評価を手順化したマニュアルの作成、及びVOC計による水道原水の異臭味物質の迅速検知とその対応手法を提案した。
・上記成果の統合により、原水水質を把握し目標浄水水質を設定することで適切な浄水システムを選定できる手法を策定した。
・管の内面仕様や水理状況等から、水質劣化の大きな管路を抽出するための手法を明らかにした。
・適切な管路施設の更新に向け、管路が老朽化した状況を把握し、管路更新の際の優先度の判断指標となる、統計的手法を用いた管路の老朽度診断手法や効率的な管路の現地診断技術について適用の可能性を確認した。
・実証実験により膜ろ過システムの原水変動に対する水質安定性、「鉄系凝集剤+膜ろ過システム」の優れた処理水量の安定性、膜ろ過システム及び鉄系凝集剤の有効性などを確認し、今後さらに適用の幅が広がる可能性を示した。
・浄水施設のLCA評価を手順化したマニュアルの作成、及びVOC計による水道原水の異臭味物質の迅速検知とその対応手法を提案した。
・上記成果の統合により、原水水質を把握し目標浄水水質を設定することで適切な浄水システムを選定できる手法を策定した。
・管の内面仕様や水理状況等から、水質劣化の大きな管路を抽出するための手法を明らかにした。
・適切な管路施設の更新に向け、管路が老朽化した状況を把握し、管路更新の際の優先度の判断指標となる、統計的手法を用いた管路の老朽度診断手法や効率的な管路の現地診断技術について適用の可能性を確認した。
結論
多くの浄水施設が本格的な更新時期を迎える今後において、水道事業体が新しい浄水システムを構築し、施設更新を円滑に進めるためのガイドラインを示した。また、管路施設については機能の劣化した施設の更新を支援するため、更新の優先度を明らかにするための実用的な手法を示した。
公開日・更新日
公開日
2008-04-14
更新日
-