文献情報
文献番号
200400364A
報告書区分
総括
研究課題名
小児科産科若手医師の確保・育成に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
鴨下 重彦(社会福祉法人 賛育会賛育会病院 院長室)
研究分担者(所属機関)
- 松尾 宣武(国立成育医療センター 名誉総長)
- 衛藤 義勝(東京慈恵会医科大学附属病院 小児科)
- 木下 勝之(順天堂大学医学部 産科婦人科)
- 藤村 正哲(大阪府立母子保健総合医療センター 院長室)
- 市川 家國(東海大学医学部専門診療学系 小児科)
- 村田 雄二(大阪大学大学院医学系研究科 教育学)
- 高橋 孝雄(慶應義塾大学医学部 小児科)
- 田中 康雄(北海道大学大学院教育学研究科)
- 中野 仁雄(九州大学大学院医学研究院 生殖・病態生理学)
- 桃井 眞理子(自治医科大学 小児科)
- 大澤 真木子(東京女子医科大学 小児科)
- 岡井 崇(昭和大学医学部 産婦人科)
- 加藤 達夫(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 院長室)
- 岡村 州博(東北大学大学院医学研究科 産婦人科)
- 石川 睦男(旭川医科大学附属病院 院長室)
- 田中 憲一(新潟大学大学院医歯学総合研究科 産婦人科)
- 五十嵐 隆(東京大学大学院医学系研究科 小児科)
- 藤井 信吾(京都大学大学院医学研究科 器官外科学-婦人科学・産科学)
- 清野 佳紀(大阪厚生年金病院 院長室)
- 朝倉 啓文(日本医科大学付属第二病院 産科・女性診療科)
- 桑原 正彦(広島県地域保健対策協議会 小児救急専門委員会 )
- 柳澤 正義(国立成育医療センター 院長室 )
- 保科 清(東京逓信病院 小児科)
- 有賀 正(北海道大学大学院医学研究科 小児発達医学)
- 平原 史樹(横浜市立大学大学院医学研究科 産婦人科)
- 徳丸 實(徳丸小児科医院 院長)
- 片田 範子(兵庫県立大学 看護学部)
- 蝦名 美智子(神戸市看護大学 看護学部)
- 田邊 美智子(福井大学 看護学部)
- 西田 美佐(国立国際医療センター研究所 代謝疾患研究部)
- 横尾 京子(広島大学 保健学科)
- 山口 桂子(愛知県立看護大学 看護学部)
- 舟島 なをみ(千葉大学 看護学部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
100,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
小児科医・産科医の過重労働の実態などを明らかにし、その改善のため人材をいかに確保し、育成していくか、限られた人材、財源などをいかに効率よく配備するか、などの課題について調査研究を進め、21世紀の小児・周産期医療のあるべき姿を幅広く提言する。
研究方法
小児科・産科医をとりまく環境調査、勤務状態の改善、今後の医療体制、コメディカルの4つのグループに分かれそれぞれの調査研究に取り組んだほか、医療関係者や一般社会への正しい情報伝達と理解、協力を得るために4回の公開シンポジウムを行った。
結果と考察
医療基本計画を生殖年齢の女性、小児、成人、高齢者の4本柱に改める。小児精神保健医療を重視する。予防医学、学問としての小児科学を充実発展させる。入院小児医療の集約化と広域医療圏における救急体制を整備。法定勤務時間の範囲を遥かに超えている勤務体制の検討。病院小児科の赤字解消に抜本的な手を打つ。病院勤務医と開業小児科医の勤務時間など負担の差の解消。女性医師の支援体制が法的に整備されても運用にはまだまだ問題がある。女性医師の求めるものは地位や経済的なものよりも、フィジカルな面でのサポート。総合患者支援センターによる僻地小規模病院、診療所をITでリンクさせるネットワーク構築。ペリネイタル・ビジットの推進、思春期の医療の実践、小児慢性疾患のキャリオーバーの医療の実態調査。行政の支援による地域での保護者の教育。小児プライマリケア研修プログラムの充実。産科医療のストレスの大きさとマイナスイメージとしての訴訟の多さ。女性医師・高齢医師が能力を充分発揮できるように支援システムを整備。北海道における二次医療圏ごとの医師数と新生児・乳児死亡率の間には有意な負の相関あり。安全性と快適性のため産科医療の地域センター的病院への医師の集約化。オープンシステムをすでに実現している国内の病院での実情調査。全国363施設NICUにおける1年以上の長期入院患者の実態調査。産科医の一人1週間労働時間は73.3±17.3時間で、当直医の翌日の平均離院時刻は19時32分。医師とコメディカルの相互理解のための意識調査、等。
結論
小児医療については地域の状況にマッチしたきめ細かな医療計画を立てること、産科については集約化を図ること、女性医師を徹底的に支援すること、コメディカルとの協力策を具体的に進めること。特に日本産科婦人科学会として72大学病院、関連病院1,096、の解析結果に基づき、産科医療の問題点を洗い出し、わが国における産婦人科医療の近未来構造改革案を策定した。
公開日・更新日
公開日
2005-06-28
更新日
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