非正規雇用の一典型としての外国人労働者における労災・職業病リスクの解明と参加型手法による予防対策の確立

文献情報

文献番号
201130004A
報告書区分
総括
研究課題名
非正規雇用の一典型としての外国人労働者における労災・職業病リスクの解明と参加型手法による予防対策の確立
課題番号
H21-労働・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
毛利 一平(財団法人 労働科学研究所 研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 酒井 一博(財団法人 労働科学研究所 研究部)
  • 吉川 徹(財団法人 労働科学研究所 研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は外国人労働者を主とした非正規労働者における、労災職業病発生のメカニズムと特徴を明らかにし、その予防に資することのできる労働改善手法の開発と、それを応用した教育プログラムの開発、さらにはこれらの成果を生かすことのできる政策提言を目的としている。今年度は最終年度として、これまで準備を行ってきた参加型職場改善ツールを実際に外国人労働者が働く事業所で使用し、その効果を評価することを中心とした。
研究方法
外国人労働者の労災職業病事例の収集・分析を引き続き行った。また、複数の国の外国人労働者が働く小規模事業場(ガラスリサイクル工場)の協力を得て、参加型の職場改善トレーニングを実施した。トレーニングでは、12項目のアクションチェックリストと、短時間でのトレーニング用にアレンジした教材を5か国語で用意した。初回、グループワークで職場の良好事例と改善すべき点を挙げ、自分たちですぐに取り組むべき改善、3か月程度を目安に取り組む改善、会社に協力を求める改善の3項目について、計画を作成し、その後3か月ごとに2回のフォローアップトレーニングを行った。
結果と考察
労災職業病の事例分析は新たに10例を加え、これまでの知見を補強した。参加型職場改善トレーニングは、第一回から第三回まで、それぞれ19名、17名、15名の外国人労働者が参加した。トレーニング後に確認された改善の取り組みは、第一回後に12件、第二回後に11件であり、物の保管と移動、ワークステーション、機械安全など、多領域にわたって低コストで効果的な改善が行われていた。また、少なくともトレーニング実施期間の6か月にわたって、無災害を実現することができた。トレーニングの参加者からは、単に改善のための知識の習得だけでなく、外国人同士のコミュニケーションを円滑にする効果もあったとの指摘がなされた。
結論
事例分析の結果、外国人労働者の労災職業病の問題は、基本的に中小企業における職場改善の困難と同じであることを確認し、すでにこの分野で大きな成果をあげている参加型トレーニングによる介入を試みた。費用対効果を考慮すると、外国人労働者を対象とした参加型トレーニングの効果は十分と考えられ、政策的に推進するだけの根拠がある。

公開日・更新日

公開日
2012-11-19
更新日
-

文献情報

文献番号
201130004B
報告書区分
総合
研究課題名
非正規雇用の一典型としての外国人労働者における労災・職業病リスクの解明と参加型手法による予防対策の確立
課題番号
H21-労働・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
毛利 一平(財団法人 労働科学研究所 研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 酒井 一博(財団法人 労働科学研究所 研究部 )
  • 吉川 徹(財団法人 労働科学研究所 研究部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は外国人労働者を主とした非正規雇用労働者における、労災職業病発生のメカニズムと特徴を明らかにし、その予防に資することのできる労働改善手法の開発と、それを応用した教育プログラムの開発、さらにはこれらの成果を生かすことのできる政策提言を目的とする。
研究方法
1 非正規雇用労働者における労災職業病発生のメカニズムの解明
(A)外国人労働者を対象とした労災職業病の事例調査:外国人労働者を支援する労働組合の協力を得て、過去の労災職業病に関する相談事例の記録を収集・解析した。
(B)日本人非正規雇用労働者を対象としたWebアンケート調査:日本人非正規雇用労働者における労災職業病発生の実態を明らかにすることを目的として、正規・非正規雇用労働者、それぞれ1,000人を対象としWebアンケート調査を行った。
2 外国人労働者を対象とした参加型職場改善トレーニングの実施とその効果評価:すでに多くの実践事例を持つ、参加型職場改善トレーニングで用いられる教材をベースとして、新たに日本の実態を考慮したコンパクトなトレーニングツールを開発し、それを用いたトレーニングを実施し、効果を評価した。
結果と考察
1 非正規労働者における労災職業病発生のメカニズム
 外国人労働者において、少なくとも傷害(ケガ)の発生に関しては、外国人であることによる特段のリスクがあるわけではなく、基本的な安全衛生対策が行われていないことが主要因であると考えられた。外国人が存在する中で、中小企業の安全衛生対策を推進できる手法の確立が重要である。日本人非正規雇用労働者に関しては、正規雇用労働者との比較で、明らかな労災職業病リスクの存在をしてくすることはできなかった。なお、労災職業病の発生が雇用不安定のリスク要因となる可能性が示された。
2 外国人労働者を対象とした参加型職場改善トレーニングの実施とその効果
 1回2時間、3か月ごとに3回という限定的なトレーニングであったが、多くの改善が実施されるとともに、外国人労働者間のコミュニケーションの改善効果も確認された。
結論
外国人労働者の場合であっても、労災職業病リスク対策の基本は変わらないことが確認された。対策推進のためのためのツールとしては、すでに多くの実践事例がある参加型トレーニング手法が有効であり、その政策的な推進が期待される。

公開日・更新日

公開日
2012-11-19
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201130004C

収支報告書

文献番号
201130004Z