医療事故防止のためのヒヤリ・ハット事例(全般コード化情報)の定量的分析に関する研究

文献情報

文献番号
200401025A
報告書区分
総括
研究課題名
医療事故防止のためのヒヤリ・ハット事例(全般コード化情報)の定量的分析に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
武藤 正樹(独立行政法人国立病院機構長野病院)
研究分担者(所属機関)
  • 橋本廸生(横浜市立大学医学部附属病院)
  • 長谷川友紀(東邦大学医学部公衆衛生学教室)
  • 山内豊明(名古屋大学医学部基礎看護講座)
  • 戸塚智子(国際医学情報センター)
  • 金井昌子(国立病院機構長野病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働省医療安全対策ネットワーク整備事業により収集されたヒヤリ・ハット事例のうち全般コード化事例について分析と対応策について検討することを目的とした。
研究方法
国立病院機構病院・特定機能病院等より収集したコード化事例について、単純集計と発生場面と内容、内容と影響度などの相互関係を知るためにクロス集計を行った。

結果と考察
コード化情報の単純集計によると、3大ヒヤリ・ハットは①処方・与薬、②チューブ・ドレーン、③転倒・転落である。これに医療器械、輸血等がつづく。処方・与薬については、内服薬の無投薬、点滴スピードの不適切、内服薬のタイミング間違いなどがみられた。対応策としては内服薬のユニット・ドース化が指摘された。チューブ・ドレーンについてはIVHや末梢ライン、栄養チューブ、気管チューブの自己抜去が多い。気管チューブの自己抜去については気管内挿管の適応見直しが指摘された。医療器械については人工呼吸器、輸液ポンプの設定ミス、組み立て間違い等が多く、新人教育と職場配置換え直後の教育の必要性が指摘された。その他、ヒヤリ・ハット事例の対象患者は男性患者が女性患者の1.3倍多い。男性患者にヒヤリ・ハットが多い理由と対策については今後のさらなる検討が必要である。
結論
ヒヤリ・ハット事例の分析により3大ヒヤリ・ハットである①処方・与薬、②チューブ・ドレーン、③転倒・転落の発生パターンは収集事業の開始以来、大きな変化はない。今後はこの解析をもとに、具体的な対応策を検討する時機であろう。

公開日・更新日

公開日
2005-07-22
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-