健康危機発生時における行政機関相互の適切な連携体制及び活動内容に関する研究

文献情報

文献番号
201036017A
報告書区分
総括
研究課題名
健康危機発生時における行政機関相互の適切な連携体制及び活動内容に関する研究
課題番号
H21-健危・一般-012
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
多田羅 浩三(財団法人 日本公衆衛生協会)
研究分担者(所属機関)
  • 佐々木 隆一郎(長野県飯田保健所)
  • 澁谷 いづみ(愛知県半田保健所)
  • 緒方 剛(茨城県筑西保健所)
  • 石丸 泰隆(山口県柳井環境保健所)
  • 岩本 治也(福岡県田川保健所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
15,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
保健所が、保健所組織内連携に加え、地域内、都道府県内等との連携体制を構築し対応できるようにするために、健康危機管理12分野について二年間で6つの検討を行う。
研究方法
研究を行うに当って、横断的な研究を行うために総括班内に研究分担研究班5つを作成した。また、各健康危機管理分野について研究を行うために9つの分野研究班を設け、研究を行った。具体的な研究に当っては、多くの分野研究班ではモデル地域を設け、保健所を中心とした、地域内、都道府県内における健康危機管理に係る具体的連携体制の構築を行い、具体的な課題の抽出と解決方法を検討した。
結果と考察
1.全国保健所の健康危機管理体制の評価:全国保健所に対して、健康危機管理12分野における健康危機管理体制の調査を行った。全国の保健所の体制は、12分野全てで改善していることが確認された。
2.各レベルでの連携のためのガイドライン等の検討:原因不明健康危機管理県型保健所活動マニュアルなど、10のマニュアル、ガイドライン等を開発した。
3.多職種間の連携活動の検討:熊本県で稼動している健康危機管理システムであるFEIT (Field Epidemiologic Investigation Team)をベースに、都道府県内多職種連携体制のモデル構築を、長野県において行った。また、災害時における災害死亡者を中心に、死体検案、死体保管、死体処理などを行うための、関係者からなる連携システムをモデル的に構築し、課題と解決方法を検討した。この他、2つの多職種間連携モデル事業を行い、連携活動ガイドラインの作成のための検討を行った。
4.新規発生健康危機事例の検討:大規模な健康危機管理事例について調査チームを設け、新たな連携体制の必要性を検討した。
5.保健所支援システムの検討:保健所長メーリングリストを用いた相談機能、健康危機管理体制構築と発生時対応に必要となる種々のガイドライン、マニュアル、及びグッズを収録したデータベース機能を備えたホームページ等インターネット上の支援システムの運用を開始した。
6.健康危機管理事例の収集検討:毎年新たに発生する健康危機管理事例の収集、保健所での共有のための課題について検討した。平成22年度に49例追録し、591事例を収録、提供を行っている。
結論
二年目の22年度は、初年度に積み残した検討内容について、所期の目的を達成するための検討作業を行い、一定の成果が残ったと考えている。

公開日・更新日

公開日
2011-07-22
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-03-21
更新日
-

文献情報

文献番号
201036017B
報告書区分
総合
研究課題名
健康危機発生時における行政機関相互の適切な連携体制及び活動内容に関する研究
課題番号
H21-健危・一般-012
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
多田羅 浩三(財団法人 日本公衆衛生協会)
研究分担者(所属機関)
  • 佐々木 隆一郎(長野県飯田保健所)
  • 石丸 泰隆(山口県柳井環境保健所)
  • 岩本 治也(福岡県田川保健所)
  • 澁谷 いづみ(愛知県半田保健所)
  • 緒方 剛(茨城県筑西保健所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
保健所が、保健所組織内連携に加え、地域内、都道府県内等との連携体制を構築し対応できるようにするために、健康危機管理12分野について二年間で6つの検討を行う。
研究方法
研究を行うに当って、横断的な研究を行うために総括班内に研究分担研究班5つを作成した。また、各健康危機管理分野について研究を行うために9つの分野研究班を設け、研究を行った。
結果と考察
1.全国保健所の健康危機管理体制の評価:全国保健所に対して、健康危機管理12分野における健康危機管理体制の調査を行った。結果を平成20年度調査と比較し、全国の保健所の体制が改善しているかどうかを検討した。
2.各レベルでの連携のためのガイドライン等の検討:昨年度までの調査で明らかになった保健所の課題を解決するために、保健所が必要な連携を行って、地域住民の健康・安全を確保するために必要となる保健所組織内連携、地域内連携、都道府県内連携を行うための具体的評価指標及び評価基準の開発の検討を行った。
3.多職種間の連携活動ガイドラインの検討:健康危機管理を効率的、効果的に行うために、公衆衛生医師、保健師、行政栄養士、獣医師、薬剤師など他の職種との役割を明確にするために、連携活動ガイドラインの作成の検討を行った。
4.新規発生健康危機事例の検討:大規模な健康危機管理事例について調査チームを設け、新たな連携体制の必要性を検討した。
5.保健所支援システムの検討:全国の保健所が健康危機管理を的確に行うための、保健所支援システムの検討チームを設け、健康危機管理事例発生時などに保健所を支援するシステムを作成し、稼働させ、運用に関わる問題点を検討した。
6.健康危機管理事例の収集検討:毎年新たに発生する健康危機管理事例の収集、保健所での共有のための課題について検討した。
結論
二年間で、保健所が健康危機管理を行うに当って必要な連携体制構築のための課題を乗り越えるための具体的な解決策を提示した。また、健康危機管理に当って必要となる各種グッズ(ツールやガイドライン等)を開発した。これらのグッズは、東日本大震災に際して、全国保健所に配布し、利用に供された。今後大規模災害に当っての指揮命令系統などを明確にした連携づくりが必要である。

公開日・更新日

公開日
2011-07-22
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201036017C

成果

専門的・学術的観点からの成果
保健所が地域で担当する健康危機管理12分野について、対応の課題と解決策を検討し、全国保健所に報告した。その結果、研究開始前の平成20年度と終了時の22年度では、保健所の対応体制は改善されており、全国保健所の対応力が全ての分野で改善されたことを確認した。また、全国の保健所間の対応能力を標準化することを目的に、主に情報支援ネットワークの構築と運用を開始した。
臨床的観点からの成果
研究の範囲外です。
ガイドライン等の開発
原因不明県型保健所活動、災害時緊急医療体制構築、災害時栄養支援体制の構築、医療・介護安全分野連携構築、食品安全における地域住民との連携、感染症保健所標準対応連携、精神保健地域危機管理、災害時の飲用井戸等の利用、及び放射線関連事故への保健所の対応について、ガイドライン、或はマニュアルの作成を行った。
その他行政的観点からの成果
保健所の健康危機管理対応を支援するために、健康危機管理事例収集システム、保健所情報支援システム、及び院内感染対策保健所支援ネットワークを作成、運用を開始した。健康危機管理事例収集システムはHCRISISに平成24年度までに600例を超す事例を蓄積し全国に提供をしている。
その他のインパクト
保健所情報支援システムは、平成24年度までに全国の保健所長7割以上が参加したMLになっており、東日本大震災の際には早くから被災地の情報を交換し、84人の保健所公衆衛生医師が現地で活動する原動力となった。院内感染対策保健所支援ネットワークは、平成24年に全国の国立大学及び私立大学等の感染症専門家の支援も正式に得られることになった。平成25年に発生しているH7N9対応では、全国保健所が最新の情報を共有していることで、安定した対応を行うことができている。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
5件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
10件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2013-06-07
更新日
-

収支報告書

文献番号
201036017Z