国立大学病院医療に及ぼすDPC導入の影響-主要老年病の医療・治療の標準化・充実を目指して-

文献情報

文献番号
200400299A
報告書区分
総括
研究課題名
国立大学病院医療に及ぼすDPC導入の影響-主要老年病の医療・治療の標準化・充実を目指して-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
西岡 清(東京医科歯科大学大学院 皮膚科学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院 医療情報システム学分野)
  • 石田 達樹(東京医科歯科大学医歯学教育システム研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
35,412,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 平成15年4月より導入されている「特定機能病院の入院医療の包括評価」では全国の特定機能病院等が対象とされているが、一方、国立大学病院は特定機能病院として、また各地域における中核病院として等重要な役割を果たしている。今回の包括評価導入は、DPCの分類、制度の設計等に十分な議論がなされているとは言えず、高齢者医療をはじめとする特定機能病院、特に大学病院の特色が十分に生かされなくなる可能性が危惧されている。そこで本研究ではDPCのデータ解析を通じて高齢者医療の標準化・充実を図ることを目的とし、国立大学病院におけるDPC制度導入による医療、運営に与えた影響に関して調査研究を行うこととした。
研究方法
データの収集体制の確立およびデータ分析システムの設計と構築を終え、平成15年度の7月から10月までのDPC包括評価のための調査にて国立大学病院より収集されたデータを用いて解析を行った。データ分析方法としては、年齢の影響、アウトライヤーの分析、施設間格差の検討、診断群分類の問題点と改善案の検討等が行えるよう、非常に詳細なdescriptiveな解析が行えるDPC分析システムと、人工知能の技術を応用して分類ルール等に新たな発見を試みるデータマイニングの手法を併用した。
結果と考察
 二年度までに、元データのエラーの検出と補正DPCデータ収集分析体制を確立し、DPCデータ分析システムの設計・構築およびダッシュボード型分析レポートの作成、DPCデータ解析データマイニングシステムの設計・構築と主要34疾患についてデータマイニングレポートの作成を行った。一部の分類では診療報酬点数のバラツキが非常に大きく、見直しが急務と考えられた。また、データマイニングによって在院日数、点数等に重要な影響を与える診療行為が見いだされ、今後の分類改訂の参考となると考えられた。
結論
 診療実態にみあう診断群分類の精緻化、投入医療コストに見合う定額設定等の基礎データが提供可能となるだけではなく、わが国の医療水準、医療費等の国際比較、年齢・重症度別のデータ比較、高度医療の医療保険への取り入れ、高齢者医療の実態、医師の適正な技術料算定等に視するデータの提供も可能となり、主要老年病の医療や治療法の標準化・充実に資することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2006-03-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-