文献情報
文献番号
201123001A
報告書区分
総括
研究課題名
性感染症に関する予防、治療の体系化に関する研究
課題番号
H21-新興・一般-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
小野寺 昭一(東京慈恵会医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 荒川 創一(神戸大学 医学部)
- 川名 尚(帝京大学医学部溝口病院)
- 本田 まりこ(東京慈恵会医科大学附属青戸病院)
- 松本 哲朗(産業医科大学)
- 大西 真(国立感染症研究所)
- 岡部 信彦(国立感染症研究所感染症情報センター)
- 大日 康史(国立感染症研究所感染症情報センター)
- 北村 邦夫(社団法人日本家族計画協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
23,776,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
・性感染症患者の実態把握のためモデル県における性感染症の全数調査により発生動向調査を検証 し性感染症の無症候感染者についても実態を調べる。
・HIV患者、耳鼻咽喉科患者の咽頭の性感染症病原体について実態を把握する。梅毒の届け出基準 を見直す。
・性器ヘルペスではウイルス型の血清疫学調査を、HPVでは型別蔓延状況を、淋菌については分子型 別法により疫学調査を行う。
・性感染症患者の性意識および性行動様式に関する調査を行う。
・HIV患者、耳鼻咽喉科患者の咽頭の性感染症病原体について実態を把握する。梅毒の届け出基準 を見直す。
・性器ヘルペスではウイルス型の血清疫学調査を、HPVでは型別蔓延状況を、淋菌については分子型 別法により疫学調査を行う。
・性感染症患者の性意識および性行動様式に関する調査を行う。
研究方法
・7モデル県における性感染症の全数調査を行い定点調査を検証する。若者を対象に性器クラミジア の郵送による検査を行い陽性者を受診に結びつける体制を構築する。
・早期梅毒患者の血清を収集し倍数希釈法と自動化法の相関性をみる。
・耳鼻咽喉科患者、HIV感染者の咽頭あるいは性器における淋菌・クラミジアの保有状況を調べる。
・性器ヘルペスでは抗ヘルペスウイルス薬の抗ウイルス効果を、尖圭コンジローマでは日本における HPV6型,11型の感染の実態を、淋菌については新規のタイピング法であるMLVA法を追加して詳細な 解析を行う。
・性感染症の意識調査ではインターネット調査と医療施設の受診者を対象とした調査を行う。
・早期梅毒患者の血清を収集し倍数希釈法と自動化法の相関性をみる。
・耳鼻咽喉科患者、HIV感染者の咽頭あるいは性器における淋菌・クラミジアの保有状況を調べる。
・性器ヘルペスでは抗ヘルペスウイルス薬の抗ウイルス効果を、尖圭コンジローマでは日本における HPV6型,11型の感染の実態を、淋菌については新規のタイピング法であるMLVA法を追加して詳細な 解析を行う。
・性感染症の意識調査ではインターネット調査と医療施設の受診者を対象とした調査を行う。
結果と考察
・定点調査と全数調査は全体的なトレンドに大きな乖離はなかったが、4性感染症は男女とも減り止 まっていると思われた。
・若者の無症候の性器クラミジアの陽性率は増加傾向はなかった。
・治療前後の梅毒抗体価の変化率は自動化法の抗体価がcutoff値未満まで減少し自動化法試薬は臨 床上の利点も大きい。
・淋菌の咽頭感染は非特異的な咽頭炎の臨床像も呈する場合が少なくないことが示唆された。
・性器ヘルペスの初発例では抗ウィルス薬の経口投与は10日間が妥当と思われた。コンジローマの原 因ウイルスは男女ともにHPV6/11が95%を占め4価HPVワクチンの予防効果が期待される。
・淋菌では3つの異なる分子タイピング法を確立しそれぞれの解像度、特性から今後地域間、国際間 比較が可能になる。
・性感染症罹患者の性意識調査の結果、学校で性感染症予防を学んだ若者はコンドーム使用に対して 熱心になれることなど、学校性教育の重要性を知ることができた。
・若者の無症候の性器クラミジアの陽性率は増加傾向はなかった。
・治療前後の梅毒抗体価の変化率は自動化法の抗体価がcutoff値未満まで減少し自動化法試薬は臨 床上の利点も大きい。
・淋菌の咽頭感染は非特異的な咽頭炎の臨床像も呈する場合が少なくないことが示唆された。
・性器ヘルペスの初発例では抗ウィルス薬の経口投与は10日間が妥当と思われた。コンジローマの原 因ウイルスは男女ともにHPV6/11が95%を占め4価HPVワクチンの予防効果が期待される。
・淋菌では3つの異なる分子タイピング法を確立しそれぞれの解像度、特性から今後地域間、国際間 比較が可能になる。
・性感染症罹患者の性意識調査の結果、学校で性感染症予防を学んだ若者はコンドーム使用に対して 熱心になれることなど、学校性教育の重要性を知ることができた。
結論
総合的な性感染症の蔓延予防策として性感染症病原体による咽頭感染の重要性とその対応、尖圭コンジローマを含むHPV感染予防のためのワクチン接種の必要性、性感染症定点調査の精度をより高めるため指定届け出機関(定点)の指定の基準づくりを実施すること、性感染症を心配する若者が受診しやすい医療機関側の受入れ体制の整備が必要である。
公開日・更新日
公開日
2012-05-31
更新日
-