文献情報
文献番号
201032001A
報告書区分
総括
研究課題名
土砂崩壊防止のための対策工に関する研究
課題番号
H20-労働・一般-001
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
日下部 治(東京工業大学 大学院理工学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 竹村 次朗(東京工業大学 大学院理工学研究科)
- 高橋 章浩(東京工業大学 大学院理工学研究科)
- 竹山 智英(東京工業大学 大学院理工学研究科)
- 豊澤 康男(独立行政法人労働安全衛生総合研究所 建設安全研究グループ)
- 伊藤 和也(独立行政法人労働安全衛生総合研究所 建設安全研究グループ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は,工事中の土砂崩壊災害を防止するため,中小規模の掘削工事に特化した対策工の基本概念および最適設計手法を提案し,安全に掘削工事を行える工法の開発または高度化を図ることを目的としている。
研究方法
本研究では,特に以下の3項目について研究を行う。(1)災害事例および土砂崩壊防止対策に関する設計手法の調査 (2)土砂崩壊防止のための対策工の各種要因の影響評価 (3)土砂崩壊防止のための対策工に関する最適設計手法の提案 これらの項目について,土砂崩壊防止対策に関する掘削面の勾配・高さ・水平面による安全性評価および切土掘削工事による斜面崩壊を防止する対策工を取り上げ実施した
結果と考察
【明かり掘削における掘削面の高さと勾配の安全性評価】:掘削工事において国内の各機関で用いられている掘削勾配と高さに関する規制・設計基準について例示し,掘削面の高さと勾配の基準である労働安全衛生規則第356条について,制定された歴史的背景の調査を行い,また理論的背景についても幾つかの数値解析的手法により考察を行った。【斜面の安定性に関する水平面の影響】:小段や犬走りと呼ばれる掘削面に設置される水平な段が斜面の安定性や崩壊形状に与える影響について,小段の幅を変化させた剛塑性有限要素解析により検討した成果を述べた。【擁壁に残存型枠を利用する施工方法に関する検討】:土止め擁壁施工時の床掘りや急勾配掘削を行った斜面近傍で行う作業をなるべく軽減するような“より安全な”施工方法の一つとして検討された残存型枠を利用した施工方法について,一般型枠との比較検討を行った結果を紹介した。
結論
本研究では,労働災害が多く発生している中小規模掘削工事に特化した土砂崩壊防止のための対策工について,当該年度では,明かり掘削における掘削面の高さと勾配の安全性評価,斜面の安定性に関する水平面の影響,擁壁に残存型枠を利用する施工方法に関する検討を取り上げ実施した。今年度実施した研究成果により,1)擁壁に残存型枠を利用する施工方法の検討,2)斜面安定性に関する斜面高さと勾配の安定性評価の公開,3)斜面安定生に関する水平面の幅の安定性評価の公開が行える。以上の成果については,成果を一般に公表・活用できるように努める。
公開日・更新日
公開日
2011-09-06
更新日
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