エステティックの施術による身体への危害についての原因究明及び衛生管理に関する研究

文献情報

文献番号
201726002A
報告書区分
総括
研究課題名
エステティックの施術による身体への危害についての原因究明及び衛生管理に関する研究
課題番号
H27-健危-一般-005
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
関東 裕美(公益財団法人日本エステティック研究財団)
研究分担者(所属機関)
  • 舘田 一博(東邦大学 医学部)
  • 古川 福実(和歌山県立医科大学 法医学講座)
  • 山本 有紀(和歌山県立医科大学 皮膚科学教室)
  • 吉住あゆみ(群馬パース大学 保健科学部)
  • 鷲崎久美子(東邦大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
4,549,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
エステティックサービスの内容や衛生管理の状況、さらにエステティックサービスに関係する健康被害の実態調査、原因の究明を行い、健康被害を予防する対策や衛生管理の充実のための方法を提案し、啓発活動を通じて消費者、エステティック施設、技術者が情報を共有することにより健康被害防止に寄与することである。
研究方法
A エステティックサービスにおける健康被害の実態把握及び原因の究明
1 独立行政法人国民生活センターの健康被害情報の収集
2 フェイシャルスキンケアの皮膚に対する影響試験
3 超音波機器の皮膚に対する影響試験
4 エステティック営業施設で使用される機器類の安全性確保について
5 エステティック利用者背景の聞き取りによる健康被害防止対策について
6 エステティック施設、技術者ならびに消費者対象啓発資料について
B エステティック施設の衛生管理の徹底
1 フェイシャル施術用スチームタオル保温庫とスチームタオルの汚染状況調査
2 フェイシャルスキンケアの皮膚に対する影響試験
3 学生および講師の手洗い実験
4 手洗い啓発に関する検討
5 エステティック施設、技術者の衛生管理に関する啓発についての検討
結果と考察
今年度の研究は、施術に使用される機器類や手技の安全性の検討、直接顔面に触れるスチームタオルの汚染状況検査、施術者・被施術者間の細菌類の伝播などの調査を行い問題点の抽出を行った。また、これまでの研究成果をもとに、営業施設や技術者を対象として、利用者背景を十分に聞き取るための項目例とその解説、機器類による健康被害を防止する目的で機器選定時の注意事項、取扱い上の一般的注意事項、エステティック営業施設における衛生管理のポイント、手洗い啓発資料、消費者を対象とした健康被害を受けないための注意事項を取りまとめ公表した。
エステティックにおける健康被害の原因は多岐にわたり、さらに正確な情報が得にくいこともあり、原因と思われる項目を一つひとつ確認、指導していくことが重要であると考えている。今までの研究では、通常定められた方法で行われる施術については安全であると考えられた。また、糖尿病やアトピー性皮膚炎などの健康被害のハイリスク要因を持つ利用者がいることから、施術前に聞き取りを正しく行いリスク要因を把握したうえで注意深く施術を行う必要があると考え、カウンセリングシート(例)を作成し、今後も啓発に力を入れたいと考えている。
結論
毎年エステティック施術による健康被害が国民生活センターに報告されている状況を把握してその原因調査をしていく中で、安全な施術提供を目的として具体的に施術者への教育体制を整えている現状である。同時に利用者側にも自身のために安全施術の提供を受けるように啓発を図る必要性を感じている。法的規制が十分でないエステティック施術では、対象範囲が広いことから安全性の確認されていない機器や技術が導入されやすい環境にある。今後も機器や技術の安全性の検討を続け、施術者、経営者対象のみでなく利用者の教育にも力を入れていきたい。

公開日・更新日

公開日
2018-07-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-07-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201726002B
報告書区分
総合
研究課題名
エステティックの施術による身体への危害についての原因究明及び衛生管理に関する研究
課題番号
H27-健危-一般-005
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
関東 裕美(公益財団法人日本エステティック研究財団)
研究分担者(所属機関)
  • 舘田 一博(東邦大学 医学部)
  • 古川 福実(和歌山県立医科大学 法医学講座)
  • 山本 有紀(和歌山県立医科大学 皮膚科学教室)
  • 吉住あゆみ(群馬パース大学 保健科学部)
  • 鷲崎久美子(東邦大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成27(2015)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
エステティックサービスの内容や衛生管理の状況、さらにエステティックサービスに関係する健康被害の実態調査、原因の究明を行い、健康被害を予防する対策や衛生管理の充実のための方法を提案し、啓発活動を通じて消費者、エステティック施設、技術者が情報を共有することにより健康被害防止に寄与することである。
研究方法
A エステティックサービスにおける健康被害の実態把握及び原因の究明
1 エステティックの健康被害に関する情報収集
2 エスティック利用者背景調査
3 機器及び手技、化粧品等の安全性調査
4 啓発資料の検討
B エステティック施設の衛生管理の徹底
1 施設の衛生管理に関する調査
2 被施術者から施術者への細菌類の伝播に関する調査
3 手洗いの徹底に関する調査
4 啓発資料の検討
結果と考察
エステティック施術は本来心身が健康な人に手技,化粧品,機器を使用して施術を提供するものであるが,利用者背景については規制がなく種々の目的で多くの人が利用する可能性がある。施術の組み合わせは,施設によりきめられた工程で進行することが予想され,顧客の状況や条件で変更する裁量が施術者にあるのかどうか疑問である。既に報告したとおり施術による健康被害は,皮膚障害,熱傷が主であるが,原因究明がなされることは難しい。
国民生活センターの危害情報及び皮膚科医師のアンケートにおいて健康被害は,皮膚障害,熱傷が主であることは変わらなかった。皮膚障害の対策は難しいが、アトピー性皮膚炎などのリスクを持つ利用者の健康被害を防ぐために施術前に利用者背景の聞き取りを徹底し、施術の組み立てに生かすことが重要と考えている。熱傷については、機器類による通常の使用方法を逸脱する、メンテナンス不足による故障などの原因が考えらることから機器使用の際の注意事項を徹底する必要がある。     衛生学的調査では,技術者の手を介した細菌類の伝播が起こり、手洗いも十分ではないケースもあり、手洗いの徹底を目的に現場の意見を取り入れて啓発資料を検討した。エステティック営業施設の衛生管理状況に関する調査では,衛生管理に必要な21項目について十分に実施されていないことから、徹底するための資料の検討を行った。
結論
毎年エステティック施術による健康被害が国民生活センターに報告されている状況を把握してその原因調査をしていく中で、安全な施術提供を目的として具体的に施術者への教育体制を整えている現状である。同時に利用者側にも自身のために安全施術の提供を受けるように啓発を図る必要性を感じている。法的規制が十分でないエステティック施術では、対象範囲が広いことから安全性の確認されていない機器や技術が導入されやすい環境にある。今後も機器や技術の安全性の検討を続け、施術者、経営者対象のみでなく利用者の教育にも力を入れていきたい。

公開日・更新日

公開日
2018-07-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-07-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201726002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
実態が明らかでないエステティックの健康被害の原因究明を行い、皮膚障害について慢性疾患やアレルギーなど健常者よりリスクが高い利用者には、施術を行う際配慮を行うことによって健康被害の防止に役立つと考え、利用者背景の聞き取りができるツールを作成し配布した。衛生管理においては、利用者から施術者への細菌類の伝播をはじめ衛生環境向上に役立つ啓発資料を作成配布した。
臨床的観点からの成果
エステティックによる健康被害のうち熱傷の多くは、使用されている機器について、通常の使用方法の逸脱、誤使用、故障などが考えられ、機器使用者である技術者に正しい機器選定、購入時の検討項目、使用時の注意事項などを検討し啓発資料として作成配布した。
ガイドライン等の開発
特になし
その他行政的観点からの成果
消費者庁の「エステに関する消費者問題についての建議」に関し、健康被害の主な原因を調査した結果、熱傷と皮膚障害であった。皮膚障害においては、慢性疾患など健常者よりリスクの高い利用者が健康被害を受けないための対策を立案し啓発を行っている。熱傷については、機器の選定や安全な取り扱い方法などを検討し啓発を行っている。また消費者には、健康被害を受けないための注意事項を作成公表した。
その他のインパクト
得られた成果について、医師を対象に日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会などで発表した。エステティック関係者へは、毎年公益財団法人日本エステティック研究財団主催のエステティック学術会議において発表を行っている。さらに技術者教育に反映するよう関係団体の講習会などで成果の積極的な活用を依頼している。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
3件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2022-06-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201726002Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,867,000円
(2)補助金確定額
4,867,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,387,010円
人件費・謝金 225,227円
旅費 452,790円
その他 1,484,646円
間接経費 318,000円
合計 4,867,673円

備考

備考
自己資金 658円 預金利息15円

公開日・更新日

公開日
2019-03-15
更新日
-