アルツハイマー病診断用タウプローブの開発および探索的臨床研究

文献情報

文献番号
201408002A
報告書区分
総括
研究課題名
アルツハイマー病診断用タウプローブの開発および探索的臨床研究
課題番号
H24-医療機器-一般-002
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 幸司(東北大学 加齢医学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 谷内一彦(東北大学 医学系研究科)
  • 荒井啓行(東北大学 加齢医学研究所)
  • 岡村信行(東北大学 医学系研究科)
  • 古本祥三(東北大学サイクロトロンRIセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 医療機器開発推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
38,462,000円
研究者交替、所属機関変更
研究代表者 工藤幸司の所属が 東北大学病院から 東北大学加齢医学研究所 へ変わりました。

研究報告書(概要版)

研究目的
アルツハイマー病(AD)における代表的な病理像、すなわち脳内過剰リン酸化タウ蛋白(以下タウ)を検出するためのPET (Positron Emission Tomography; 陽電子断層撮影装置)プローブ(陽電子標識化合物)を開発する。 本研究課題ではこれらプローブを探索的臨床研究に供するとともに、さらにマイクロドージング的手法によりプローブの最適化を図り、日本発・世界標準のヒト タウイメージングプローブを開発しようとするものである。
研究方法
タウイメージングプローブの探索的臨床研究、その結果得られたデータを基に更なるプローブの改良と探索的臨床研究を繰り返し優れたプローブを開発する。
結果と考察
 プローブの改良。探索的臨床研究、臨床研究のデータからさらなる改良されたプローブを合成し、これを探索的臨床研究に供した。多くの化合物の改良を行い、優れたタウイメージングプローブ[18F]THK-5351を得ることができた。
結論
1.タウイメージングプローブの探索的臨床研究、その結果得られたデータを基に更なるプローブの改良と探索的臨床研究を繰り返し、[18F]THK-5351という優れたプローブを開発することができた。
2.アメリカ核医学会においてイメージング分野の年間世界大賞ともいうべき“Image of the Year Award 2014”という非常に名誉ある賞を頂いた。
3.アルツハイマー病の最新情報を提供するサイトに Alzforum があるが、同サイトにおけるTHK-5351の評価は“THK-5351 may be the best tau compound in AD we have seen in vivo thus far.”であった。
4.タウプローブ関連特許はクリノ株式会社(研究代表者らが設立した大学発ベンチャー)が取得しており、平成26年12月に同社を介してある製販事業者にライセンスアウトされた。
5.THKシリーズタウイメージングプローブは40を超える国内外の研究機関から申し込みがあり、それらと共同研究中である。 今後これをさらに拡大し、日本発グローバルスタンダードタウプローブを実現したいと考えている。
6.平成27年4月17日、中央合同庁舎第4号館1214特別会議室で開催された「健康・医療戦略推進専門部会(第8回)において本研究課題の成果が紹介された。

公開日・更新日

公開日
2015-05-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-06-11
更新日
-

文献情報

文献番号
201408002B
報告書区分
総合
研究課題名
アルツハイマー病診断用タウプローブの開発および探索的臨床研究
課題番号
H24-医療機器-一般-002
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 幸司(東北大学 加齢医学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 谷内 一彦(東北大学 医学系研究科)
  • 荒井 啓行(東北大学 加齢医学研究所)
  • 岡村 信行(東北大学 医学系研究科)
  • 古本 祥三(東北大学 サイクロトロンRIセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 医療機器開発推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究者交替、所属機関変更
研究代表者 工藤幸司が 東北大学病院から 東北大学 加齢医学研究所にk所属が変わった。

研究報告書(概要版)

研究目的
アルツハイマー病(AD)における代表的な病理像、すなわち脳内過剰リン酸化タウ蛋白(以下タウ)を検出するためのPET (Positron Emission Tomography; 陽電子断層撮影装置)プローブ(陽電子標識化合物)を開発する。 本研究課題ではこれらプローブを探索的臨床研究に供するとともに、さらにマイクロドージング的手法によりプローブの最適化を図り、日本発・世界標準のヒト タウイメージングプローブを開発しようとするものである。
研究方法
タウイメージングプローブの探索的臨床研究、その結果得られたデータを基に更なるプローブの改良と探索的臨床研究を繰り返し優れたプローブを開発する。
結果と考察
3年間の間に[18F]THK-523の探索的臨床研究のデータを基に[18F]THK-5105を合成しこれを用いて探索的臨床研究を実施した。以後同様の手順で[18F]THK-5117、最後に優れたタウイメージングプローブ[18F]THK-5153を得ることができた。
結論
1.タウイメージングプローブの探索的臨床研究、その結果得られたデータを基に更なるプローブの改良と探索的臨床研究を繰り返し、[18F]THK-5351という優れたプローブを開発することができた。
2.アメリカ核医学会においてイメージング分野の年間世界大賞ともいうべき“Image of the Year Award 2014”という非常に名誉ある賞を頂いた。
3.アルツハイマー病の最新情報を提供するサイトに Alzforum があるが、同サイトにおけるTHK-5351の評価は“THK-5351 may be the best tau compound in AD we have seen in vivo thus far.”であった。
4.タウプローブ関連特許はクリノ株式会社(研究代表者らが設立した大学発ベンチャー)が取得しており、平成26年12月に同社を介してある製販事業者にライセンスアウトされた。
5.THKシリーズタウイメージングプローブは40を超える国内外の研究機関から申し込みがあり、それらと共同研究中である。 今後これをさらに拡大し、日本発グローバルスタンダードタウプローブを実現したいと考えている。
6.平成27年4月17日、中央合同庁舎第4号館1214特別会議室で開催された「健康・医療戦略推進専門部会(第8回)において本研究課題の成果が紹介された。

公開日・更新日

公開日
2015-05-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-06-11
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201408002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
アルツハイマー病の病理像としてのタウをイメージングすることができるプローブを開発した。
臨床的観点からの成果
タウをイメージングすることにより以下が可能となる
1.アルツハイマー病の重症度を定量化できる(重症度診断)
2.タウを標的とする治療薬のコンパニオン診断薬
3.アルツハイマー病以外のタウオパチーの診断
4.発症前高リスク者の正確な抽出が可能となる
ガイドライン等の開発
なし
その他行政的観点からの成果
なし
その他のインパクト
なし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
19件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
23件
学会発表(国際学会等)
23件
その他成果(特許の出願)
17件
国内外14の国、地域へ国内移行中
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

特許の名称
タウイメージングプローブ
詳細情報
分類:
特許番号: 2011321310
発明者名: 工藤幸司、岡村信行、古本祥三
権利者名: 東北大学、クリノ㈱
出願年月日: 20130421
国内外の別: オーストラリア
特許の名称
タウイメージングプローブ
詳細情報
分類:
特許番号: 11836445.4
発明者名: 工藤幸司、岡村信行、古本祥三
権利者名: 東北大学、クリノ㈱
出願年月日: 20130523
国内外の別: ヨーロッパ
特許の名称
タウイメージングプローブ
詳細情報
分類:
特許番号: 13/881872
発明者名: 工藤幸司、岡村信行、古本祥三
権利者名: 東北大学、クリノ㈱
出願年月日: 20130426
国内外の別: アメリカ
特許の名称
タウイメージングプローブ
詳細情報
分類:
特許番号: 特願2012-540957
発明者名: 工藤幸司、岡村信行、古本祥三
権利者名: 東北大学、クリノ㈱
出願年月日: 20130425
国内外の別: 日本

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Kudo Y,Okamura N,Furumoto S et al.
[18F]THK-5117PET for assessing neurofibrillary Pathology in Alzheimer's disease
Eur Nucl Med Mol Imaging  (2015)
DOI:10.1007/S00259-015-3035-4
原著論文2
Kudo Y,Okamura N,Furumoto S et al.
Tau PET Imaging in Alzheimer's Disease
Curr Neurol Neurosci Rep  (2014)
DOI:10.1007/s11910-014-0500-6
原著論文3
Kudo Y,Okamura N,Furumoto S et al.
Non-invasive assessment of Alzheimer's disease neurofibrillary pathology using 18F-THK5105 PET
A JOURNAL OF NEUROLOGY  (2014)
DOI:10.1093/brain/awu064
原著論文4
Kudo Y,Okamura N,Furumoto S et al.
Synthesis and preliminary evaluation of 2-arylhydroxyquinoline derivatives for tau imaging
Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals  (2013)
DOI:10.1002/jlcr.3133
原著論文5
Kudo Y,Okamura N,Furumoto S et al.
Comparison of the binding characteristics of [18F]THK-523 and other amyloid imaging tracers to Alzheimer's disease pathology
Eur Nucl Med Mol Imaging  (2013)
DOI:10.1007/s00259-012-2261-2
原著論文6
Kudo Y,Okamura N,Furumoto S et al.
Novel 18F-Labeled Arylquinoline Derivatives for Noninvasive Imaging of Tau Pathology in Alzheimer Disease
THE JOURNAL OF NUCLEAR MEDICINE , 54 (8) , 1420-1427  (2013)
原著論文7
Ishiki A, Kudo Y, Arai H et al.
Longitudinal Assessment of Tau Pathology in Patients with Alzheimer's Disease Using [18F]THK-5117 Positron Emission Tomography.
PLos One  (2015)
10(10):e0140311.doi.10.1371
原著論文8
Harada R, Okamura N, KUdo Y et al.
18F-THK5351:A Novel PET Radiotracer for Imaging Neurofibrillary Pathology in Alzheimer's Disease.
J Nucl Med.  (2015)
2015 Nov 5.pii:jnumed.115.164848
原著論文9
Tago T, Furumoto S, Kudo Y et al.
Preclinical Evaluation of [18F]THK-5105 Enantiomers:Effects of Chirality on Its Effectiveness as a Tau Imaging Radiotracer.
Mol Imaging Biol.  (2015)
2015 Jul 21.[Epub ahead of print]
原著論文10
Harada R, Okamura N, Kudo Y et al.
Characteristics of Tau and Its Ligands in PET Imaging
Biomolecules  (2016)
6,7;doi:10.3390/biom6010007
原著論文11
Tago T, Furumoto S, Kudo Y et al.
"Structure-Activity Relationship of 2-Arylquinolines as PET Imaging Tracers for Tau Pathology in Alzheimer's Disease"
Journal of Nuclear Medicine  (2016)
doi:10.2967/jnumed.115.166652
原著論文12
Okamura N, Furumoto S, Kudo Y et al.
"Advances in the development of PET rasiotracers and their clinical applications"
Ageing Research Reviews  (2016)
dx.doi.org/10.1016/j.arr.2015.12.010
原著論文13
Furukawa K, Okamura N, Kudo Y et al.
"Introduction and overview of the special issue “Brain imaging and aging”:The new era of neuroimaging in aging research"
Ageing Research Reviews  (2016)
DOI:http://dx.doi.org/doi:10.1016/j.arr.2016.02.005
原著論文14
Ishiki A, Harada R, Kudo Y et al
Tau imaging with [18 F]THK-5351 in progressive supranuclear palsy
Eur J Neurol , 24 , 130-136  (2017)
原著論文15
Harada R,Furumoto S, Kudo Y et al
Characterization of the radiolabeled metabolite of tau PET tracer 18F-THK5351
Eur J Nucl Med Mol Imaging , 43 , 2211-2218  (2016)
原著論文16
Okamura N, Harada R, Ishiki A, Kikuchi A, Nakamura T, Kudo Y.
The development and validation of tau PET tracers: current status and future directions.
Clin Transl Imaging , 6 (4) , 305-316  (2018)
doi: 10.1007/s40336-018-0290-y.
原著論文17
Ezura M, Okamura N, Hasegawa T, Harada R, Arai H, Furumoto S, Tashiro M, Yanai K, Kudo Y et al
Longitudinal changes in 18 F-THK5351 positron emission tomography in corticobasal syndrome.
Eur J Neurol  (2019)
doi: 10.1111/ene.13966.

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
2019-06-10

収支報告書

文献番号
201408002Z