医療安全管理体制の整備に関する研究-認定病院を対象とした医療安全管理体制の実態と評価結果の関連に関する検証-

文献情報

文献番号
201031039A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全管理体制の整備に関する研究-認定病院を対象とした医療安全管理体制の実態と評価結果の関連に関する検証-
課題番号
H22-医療・一般-023
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
廣瀬 昌博(国立大学法人島根大学医学部附属病院 病院医学教育センター)
研究分担者(所属機関)
  • 今中 雄一(国立大学法人京都大学大学院医学研究科 医療経済学分野)
  • 兼児 敏浩(国立大学法人三重大学医学部附属病院 医療安全・感染管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
【研究目的】医療安全対策加算算定病院を対象に医療安全活動の実態調査、及び日本医療機能評価機構(JCQHC)の認定病院の評価結果から、今後の医療安全活動において重点的に評価すべき項目や課題を明らかにすることである。
研究方法
【研究方法】
(1)医療安全管理体制の整備に関する実態調査:医療安全対策加算算定病院2,674施設を対象に無記名自記式アンケート調査を実施した。
(2)JCQHC評価体系の医療安全管理に関わる項目についての検討:平成23年4月1日現在、特定機能病院でJCQHCの認定病院である61施設の評価結果から、医療安全の項目について検討した。
結果と考察
【結果と考察】
(1)医療安全管理体制に関する実態調査:対象 2,674施設のうち、669施設から回答があった(回収率25.0%)。669施設を加算I.401床以上(A群:173施設)および未満(B群:306施設)及び加算II.(C群:180施設)の3群に分けると、改定直前の算定状況は、A群154施設、B群259施設、C群29施設で、各々A群11施設、B群21施設、C群142施設があらたに算定病院となった。どの施設においても、医療安全管理体制は適切に整備されているが、年間インシデント報告(全体平均551件、医師11件、看護師360件)、研修会への参加(医師56.2時間、看護師264.1時間)等は従来と同様の結果であった。また、医療安全に係る院外への支払い合計は平均646千円/1施設で、約半数の332施設が10千円以下の支出であった。
(2)JCQHCの医療安全管理に関わる項目の検討:対象61施設(Ver.4.0認定2施設、Ver.5.0認定43施設、Ver.6.0認定16施設)の第2領域の評価結果を検討した。その結果、患者の権利や倫理に関する項目、説明と同意、患者安全を確保するための活動に関する評価は低かった。また、Ver.6.0で追加の患者中心の医療の実践、医療の質の向上に向けた活動は評価が低かった。
結論
【結論】以上から、医療安全対策加算病院は、医療安全組織体制を適切に整備しているものの、財政的支援は十分とは言えず、質的対策が十分でない状況にある。また、医師の医療安全に関する意識は低い。したがって、患者の権利、医療倫理など基本事項の教育を強化し、患者中心の医療と医療の質の向上に関する活動に重点をおく必要があると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201031039Z