文献情報
文献番号
201031005A
報告書区分
総括
研究課題名
手術室における多職種間の連携を担保する業務プロセスの再構築によるリスク軽減と評価方法の確立と質保証に基づく安全確保に関する研究
課題番号
H21-医療・一般-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
飯田 修平(社団法人 全日本病院協会)
研究分担者(所属機関)
- 西澤 寛俊(社団法人 全日本病院協会)
- 長谷川 友紀(東邦大学医学部社会医学講座)
- 成松 亮(LIO'SPLANNING)
- 小谷野 圭子(練馬総合病院質保障室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医療の安全確保と質向上に関する体系的な研究は充分ではない。チーム医療、多職種協働を基本に、人材を効果的・効率的に活用する観点から、職員の行動・思考・職員の連携、情報システム等について総合的・体系的に分析し、潜在リスクを洗い出し、対策を進める必要がある。本研究では、医療従事者の行動に関するリスクを総合的・体系的に洗い出し、安全確保ならびに質向上を図ることを目的とした。
研究方法
手術室内の医療従事者の行動を業務フローモデルとして可視化し、信頼性手法(故障モード影響解析:FMEA)を適用し、医療従事者の行動に関するリスクを総合的・体系的に洗い出した。
結果と考察
医療行為の中で、専門性が高く、最も複雑、非定型、危険であり、その質と安全性が患者に対して直接的に大きな影響を与える手術室内における業務プロセスを検討した。
1.安全な手術の前提として、医療の特徴と手術の基本的考え方を整理した。
2.手術室の業務フローモデルを開発した。代表的な、腹部手術である腹腔鏡下胆嚢摘出術、広範胃切除術および緊急帝王切開術の業務プロセスを可視化し、FMEAにより、手術におけるリスクを洗い出した。
3.故障モード影響解析(FMEA)の基本的概念を整理し、創意・工夫して医療に適用した。手術術式の全行程をプロセスに分解して、各プロセスを作業単位毎に分析する新しい方法を開発した。
4.FMEAワークシートで算出した危険度の高い単位業務の不具合様式や留意点を図示した。どのプロセスのどの単位業務に、どのような不具合(FM)が起きるかが一覧できる。
1.安全な手術の前提として、医療の特徴と手術の基本的考え方を整理した。
2.手術室の業務フローモデルを開発した。代表的な、腹部手術である腹腔鏡下胆嚢摘出術、広範胃切除術および緊急帝王切開術の業務プロセスを可視化し、FMEAにより、手術におけるリスクを洗い出した。
3.故障モード影響解析(FMEA)の基本的概念を整理し、創意・工夫して医療に適用した。手術術式の全行程をプロセスに分解して、各プロセスを作業単位毎に分析する新しい方法を開発した。
4.FMEAワークシートで算出した危険度の高い単位業務の不具合様式や留意点を図示した。どのプロセスのどの単位業務に、どのような不具合(FM)が起きるかが一覧できる。
結論
手術室内の業務フローモデルを開発し、FMEAを用いて各プロセスにおける不具合、影響、危険度を算出し、危険度の高いプロセスを示した。プロセス概要図、各プロセス図とFMEAシートを照合し、手術室内の不具合を軽減する留意点が明らかにした。手術室内で、これらの図表を参照するなど、臨床現場で活用することができる。医師や看護師の教育ツールとしても活用可能である。
本検討方法は、比較的容易に他の医療行為に適用できる。他の業務にも展開しなければ、医療の安全を確保できない。危険度の高い業務に広く適用するための国家的、組織的な取り組みが必要である。継続的な研究開発、医療従事者の教育研修、質管理/安全管理指導者養成、院内体制構築の支援等である。
本検討方法は、比較的容易に他の医療行為に適用できる。他の業務にも展開しなければ、医療の安全を確保できない。危険度の高い業務に広く適用するための国家的、組織的な取り組みが必要である。継続的な研究開発、医療従事者の教育研修、質管理/安全管理指導者養成、院内体制構築の支援等である。
公開日・更新日
公開日
2011-08-02
更新日
-