文献情報
文献番号
200736007A
報告書区分
総括
研究課題名
生体の作用点、特に核内受容体及び関連転写因子群に着目した化学物質の毒性発現機構の解明や毒性予測手法の開発を行う研究
課題番号
H17-化学-一般-007
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
高木 篤也(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部)
研究分担者(所属機関)
- 小野 敦(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部)
- 小原 有弘(医薬基盤研究所生物試験研究部)
- 板井 昭子(医薬分子設計研究所)
- 菅野 純(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
34,200,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書(概要版)
研究目的
内分泌かく乱化学物質問題の解決に向けて厚生労働省「内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会、中間報告追補」における「試験スキーム」に沿った大規模スクリーニングを実施すると共に、標的分子である核内受容体について、共役因子との相互作用や制御下の遺伝子発現への影響を解析し、分子標的作用メカニズムに基づく次世代評価系への応用を目指す。
研究方法
内分泌かく乱化学物質スクリーニングにおいてERα/βレポーターアッセイ系にて各70物質、AR、TR系にて各50物質の測定を実施した。In silicoスクリーニング系において、ARドッキングモデルの再構築を実施した。受容体相互作用解析による評価手法の開発においては、ERと特異的に相互作用するペプチドを用いたスクリーニングの有用性を検証した。受容体作用物質ターゲット細胞の転写制御関連分子プロファイルの研究では、内分泌かく乱化学物質のターゲットと成り得る臓器由来細胞株について、核内受容体遺伝子発現解析を実施した。核内受容体作用による遺伝子相互作用の電算探索手法の研究では新たに3種の核内受容体リガンドによる遺伝子発現変動による分子ネットワーク生成とプロファイリングを実施した。
結果と考察
レポーターアッセイ系において、ERアゴニスト活性が、ERαのみ19物質、ERβのみ1物質、19物質については両者共に示された。AR系においてはアゴニスト活性が11物質に、アンタゴニスト活性が5物質に示された。TR活性を示す物質はなかった。ARのin silicoスクリーニング系では、モデル再構築により大幅な精度向上を得た。新たなモデルにより約3000化合物の予測を実施した。SPR系では活性型、非活性型受容体結合ペプチドとの相互作用解析のスクリーニングにおける有用性を検証した。核内受容体及び関連因子の発現プロファイルをデータベース化した。遺伝子相互作用解析において新たに3種の核内受容体リガンド作用による分子ネットワークを構築した。
結論
本研究成果は、核内受容体を標的とする化合物についてその生体作用の分子メカニズムを解析し、危険性の示唆される化学物質の効率的な選別及び詳細試験に供する化学物質の優先リスト充実へ寄与する。さらに化学物質による生体反応のメカニズムの解明により、詳細試験の方法や検査項目の確立への寄与が期待される。
公開日・更新日
公開日
2008-04-08
更新日
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