文献情報
文献番号
201709029A
報告書区分
総括
研究課題名
日本人の食事摂取基準(2020年版)の策定に資する代謝性疾患の栄養評価 並びに各栄養素等の最新知見の評価に関する研究
課題番号
H29-循環器等-指定-001
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
佐々木 敏(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 勝川 史憲(慶應義塾大学 スポーツ医学研究センター)
- 柴田 克己(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部)
- 田中 清(京都女子大学 家政学部)
- 上西 一弘(女子栄養大学 栄養学部)
- 吉田 宗弘(関西大学 化学生命工学部)
- 朝倉 敬子(東邦大学 医学部)
- 宇都宮 一典(東京慈恵会医科大学 医学部)
- 多田 紀夫(東京慈恵会医科大学 医学部)
- 村上 健太郎(東京大学 大学院情報学環)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
13,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
『日本人の食事摂取基準(2020年版)』の策定に資する基礎資料を得るために、栄養に関連した代謝性疾患の栄養評価に関する研究報告のレビューを行い、代謝性疾患の発症予防に加えて、重症化予防も視野に入れた基準の策定に資する基礎データを得ることを目的とし、各栄養素について、レビュークライテリアに基づき、最新の知見を把握し、現行の基準の改定の必要性を検討するための基礎資料を得るように努めることとして系統的レビューを実施した。
研究方法
文献レビュー・チームを編成し、日本人の食事摂取基準(2015年版)において検討課題としてあげられていた項目、ならびに、各国における食事摂取基準策定の動向について、18の項目について系統的レビューを行った。
1)日本人の食事摂取基準策定栄養素に関して実施されたDose-response型メタアナリシスの文献レビュー
2)2013年以降に出版されたBMI(Body Mass Index)と総死亡率の関連に関する観察研究
3)たんぱく質の必要量策定に関する新たな知見
4)たんぱく質摂取量とFrailtyとの関連を検討した研究の文献レビュー
5)たんぱく質の耐容上限量策定のための腎機能をアウトカムとしたレビュー
6)日本人小児における習慣的な飽和脂肪酸摂取量を推定した記述疫学研究
7)小児における飽和脂肪酸摂取量とLDLコレステロール値およびインスリン抵抗性との関連
8)小児期に飽和脂肪酸摂取量を少なくした場合の安全性(成長障害など)を調べた研究
9)脂質・脂肪酸と心血管系疾患等に関する最近の知見
10)諸外国の食事摂取基準・食事ガイドラインにおける糖類の概要
11)食物繊維と生活習慣病の関連
12)骨の健康状態と血中ビタミンD濃度の関連ならびにビタミンD摂取量・日光曝露量と血中ビタミンD濃度の関連
13)ビタミンC摂取量及び血清・血漿ビタミンC濃度と循環器系疾患の関連を調べた観察研究・介入研究
14)カルシウム摂取量と骨粗鬆症・骨折予防との関連
15)日本人の鉄の食事摂取基準値算定に資する観察研究および介入研究の近年の動向
16)日本人における習慣的なヨウ素摂取量のレビュー
17)諸外国(世界の12ヵ国ならびに地域)における食事摂取基準の概要
18)Dietary guidelinesの4か国比較
1)日本人の食事摂取基準策定栄養素に関して実施されたDose-response型メタアナリシスの文献レビュー
2)2013年以降に出版されたBMI(Body Mass Index)と総死亡率の関連に関する観察研究
3)たんぱく質の必要量策定に関する新たな知見
4)たんぱく質摂取量とFrailtyとの関連を検討した研究の文献レビュー
5)たんぱく質の耐容上限量策定のための腎機能をアウトカムとしたレビュー
6)日本人小児における習慣的な飽和脂肪酸摂取量を推定した記述疫学研究
7)小児における飽和脂肪酸摂取量とLDLコレステロール値およびインスリン抵抗性との関連
8)小児期に飽和脂肪酸摂取量を少なくした場合の安全性(成長障害など)を調べた研究
9)脂質・脂肪酸と心血管系疾患等に関する最近の知見
10)諸外国の食事摂取基準・食事ガイドラインにおける糖類の概要
11)食物繊維と生活習慣病の関連
12)骨の健康状態と血中ビタミンD濃度の関連ならびにビタミンD摂取量・日光曝露量と血中ビタミンD濃度の関連
13)ビタミンC摂取量及び血清・血漿ビタミンC濃度と循環器系疾患の関連を調べた観察研究・介入研究
14)カルシウム摂取量と骨粗鬆症・骨折予防との関連
15)日本人の鉄の食事摂取基準値算定に資する観察研究および介入研究の近年の動向
16)日本人における習慣的なヨウ素摂取量のレビュー
17)諸外国(世界の12ヵ国ならびに地域)における食事摂取基準の概要
18)Dietary guidelinesの4か国比較
結果と考察
検討した項目の多くは日本人の食事摂取基準(2015年版)で新たに取り入れられたり、検討すべき課題としてあげられたりしていたものであり、それぞれ新たな知見が系統的に収集され、整理されたが、日本人における知見(論文報告)はじゅうぶんでなく、食事摂取基準の策定の困難さを改めて確認する結果となった。また、世界においてはDose-response型メタアナリシスが急増し、特に目標量においてはその策定の根拠資料として有用であることが示唆された。
結論
これらのレビュー結果は、日本人の食事摂取基準(2020年版)策定の作業において貴重な基礎資料として活用されることが期待される。
公開日・更新日
公開日
2018-07-05
更新日
-