がん医療ネットワークナビゲーターによるがん医療情報提供強化プロジェクト:情報が確実に手元に届く地域連携モデルの構築

文献情報

文献番号
201607007A
報告書区分
総括
研究課題名
がん医療ネットワークナビゲーターによるがん医療情報提供強化プロジェクト:情報が確実に手元に届く地域連携モデルの構築
課題番号
H26-がん政策-一般-007
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
西山 正彦(国立大学法人群馬大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 片渕 秀隆(国立大学法人熊本大学 大学院生命科学研究部)
  • 桑野 博行(国立大学法人群馬大学 大学院医学系研究科 )
  • 調 憲(国立大学法人群馬大学 大学院医学系研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
4,133,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本邦のがん対策において、がん診療連携体制と医療情報提供体制の強化は極めて重要な課題である。本研究では、その実現を大目的とし、地域がん医療ネットワークに精通し、適切な情報提供の場につなぐ「がん医療ネットワークナビゲーター」の養成を試み、その有用性・実効性を評価することを目的とした。
研究方法
本研究は、がん医療ネットワークナビゲーターの、1)教育プログラムの確定とその遂行のための基盤整備, 2) 教育の実践と資格認定,及び 3)資格認定者の現場配置によるモデル事業の実施と有用性評価、の3ステップからなる。最終年度となる平成28年度には、平成26年度のがん医療ネットワークナビゲーター養成の基盤整備、平成27年度のがん医療ネットワークナビゲーターの養成制度の実稼働を受けて、がん医療ネットワークナビゲーターの現場配置によるモデル事業の実施と実効性評価、全国展開へ向けての制度の改良を行った。すなわち、がん医療ネットワークナビゲーターを、がん年齢調整死亡率の低い(熊本)、高い(福岡)、中間の(群馬)3地域に実際に配し、地域がん医療ネットワーク情報提供強化モデル事業を展開(熊本:片淵/研究分担者;福岡:調/研究分担者,群馬:桑野/研究分担者)、研究代表者 西山が全研究分担者とともに、ナビゲーター及び施設・機関の利用者数、受療内容統計などの数値統計や患者・患者家族、医療施設・機関アンケートなどにより、その効果と発展性、課題について明らかにし、研究を総括した。
結果と考察
研究は、ほぼ計画通りに進行し、平成28年度は、初回認定者を実際に配置して事業を展開するとともに、実地研修を含めた教育プログラムを継続して、その効果と発展性、課題を検証した。また、検証結果をもとに全国展開を可能とすべく、がん医療ネットワークナビゲーター制度を改良した。教育プログラムとして、1)教育研修セミナー(Aセッション)を横浜で開催(平成28年10月20, 21日 参加者計34名:免除者6名を含め計814名)、2)e-ラーニングを継続(平成29年3月31日現在 受講者計181名)、3)コミュニケーションスキル研修(Bセッション)を平成28年10月22日に横浜で開催(参加者19名 免除者4名を含め受講者計104名)した。実地研修については、4)計51施設を研修施設に認定し、計32名が研修を行っている。このうちすべてのプログラムを修了し、認定の申請に至ったもの計15名、そのうち4名を「がん医療ネットワークナビゲーター」として初回認定した。認定審査は定期的に行っており、認定者は着実に増加している(平成29年4月30日現在,申請者18名,認定者15名)。また、これらと並行し、施設・機関の利用者数、受療内容統計などの数値統計や患者・患者家族、医療施設・機関アンケートなどにより、定量的、定性的検証を行い、1)認定制度を2段階制として、現プログラム修了者を「がん医療ネットワークナビゲーター」の指導者(上級認定)とし、適切な相談者へつなぐことに限定した役割を果たす人材(一般認定)の教育プログラムを新たに作成する、2)Aセッションをe-ラーニング化する、3)実地研修の要綱改訂を行うこととし、今後、日本癌治療学会の認定資格制度として質と継続性を担保し、日本医師会、日本看護協会、日本病院薬剤師会等が協働して、事業を全国へと展開、継続することを決定した。この拡大展開は、様々な情報を確実に伝える仕組みの確立によって、がんに関する、医療、介護、住まい、予防、生活支援サービスが身近な地域で包括される「地域包括ケアシステム」の確立に大きく寄与し、「がん対策推進基本計画」の実現に向けて大きな推進力を持つものと期待される。
結論
本研究は、がん医療ネットワークナビゲーター養成のための、1)教育プログラムの確定, 2) 教育の実践と資格認定,3)資格認定者によるモデル事業の実施と有用性評価、の3ステップからなる。3年計画の最終年度となる平成28年度は、平成27年度の養成プログラムの実稼働を受けて、これを継続するとともに資格認定者を、熊本、福岡、群馬3地域に実際に配し、地域がん医療ネットワーク情報提供強化モデル事業を展開、定量的、定性的検証を行い、その効果と発展性、課題について明らかにし、研究を総括した。資格認定に関しては、実地研修に多くの課題があり、初回認定者は4名のみであったが、順調に増加しつつある。制度の検証は、認定制度を2段階制とするなどの改革を導いた。また、モデル事業の開始により、相談件数の増加などの効果も見え始めており、本邦のがん対策の向上への貢献が期待できることから、日本癌治療学会の認定資格制度として質を担保し、養成事業を全国展開へと発展させ継続することを決定した。

公開日・更新日

公開日
2017-05-18
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
その他

公開日・更新日

公開日
2017-05-23
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201607007B
報告書区分
総合
研究課題名
がん医療ネットワークナビゲーターによるがん医療情報提供強化プロジェクト:情報が確実に手元に届く地域連携モデルの構築
課題番号
H26-がん政策-一般-007
研究年度
平成28(2016)年度
研究代表者(所属機関)
西山 正彦(国立大学法人群馬大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 片渕 秀隆(国立大学法人熊本大学 大学院生命科学研究部)
  • 桑野 博行(国立大学法人群馬大学 大学院医学系研究科 )
  • 調   憲(国立大学法人群馬大学 大学院医学系研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本邦のがん対策において、がん診療連携体制と医療情報提供体制の強化は極めて重要な課題である。本研究では、その実現を大目的とし、地域がん医療ネットワークに精通し、適切な情報提供の場につなぐ「がん医療ネットワークナビゲーター」の養成を試み、その有用性・実効性を評価することを目的とした。
研究方法
本研究は、がん医療ネットワークナビゲーターの、1)教育プログラムの確定とその遂行のための基盤整備(平成26年度), 2) 教育の実践と資格認定(平成27-28年度),及び 3)資格認定者の現場配置によるモデル事業の実施と有用性評価(平成28年度)、の3ステップからなる。平成26年度には、規則、細則の確定、e-ラーニングの収録、教育研修セミナー(Aセッション)とコミュニケーションスキルセミナー(Bセッション)、実地研修の要綱とマニュアルを作成、順次実働させることとし、平成27年には、全教育プログラムを実稼働させ、効果・実効性の評価を行うための委員会を立ち上げ、平成28年度には、養成プログラムを継続実施しつつ、資格認定者による地域がん医療ネットワーク情報提供強化モデル事業を熊本、福岡、群馬で実施、施設・機関の利用者数、受療内容統計などの数値統計や患者・患者家族、医療施設・機関アンケートなどにより、その効果と発展性、課題について明らかにし、研究を総括した。
結果と考察
研究は、ほぼ計画通りに進行し、平成26年度には、e-ラーニングのコンテンツを確定して収録と監修を終了、教育研修セミナー(Aセッション)の実施要綱を作成、群馬、福岡、熊本の3県でこれを開催した。また、コミュニケーションスキル研修(Bセッション)と実地研修要綱の要綱とマニュアルを作成した。また、実地研修施設と指導者の認定を開始した。平成27年度には、e-ラーニングの受講を開始、Aセッションを京都にて、Bセッションを京都、熊本、福岡、群馬の4か所で開催、また、認定研修施設への実地研修説明会を経て、実地研修の申請受付を開始し、全教育プログラムを実稼働させた。また、本養成制度の効果・実効性の評価を行うための委員会を立ち上げた。平成28年度には、初回の資格認定を行い、認定者を実際に配置してモデル事業を展開するとともに、実地研修を含めた教育プログラムを継続して、効果と発展性、課題を検証した。3年間で、教育研修セミナー(Aセッション)計814名、2)e-ラーニング計181名、3)コミュニケーションスキル研修(Bセッション)計104名、の受講を得、4)実地研修参加者は計32名に達した(平成29年3月31日時点)。このうち認定申請に至った者は計15名で、そのうち4名を初回認定した。認定審査は定期的に行っており、認定数は着実に増加している(平成29年4月30日現在,申請者18名,認定者15名)。また、その効果と発展性、課題の検証に基づき、1)認定制度を2段階制として、現プログラム修了者を「がん医療ネットワークナビゲーター」の指導者(上級認定)とし、適切な相談者へつなぐことに限定した役割を果たす人材(一般認定)の教育プログラムを新たに作成する、2)Aセッションをe-ラーニング化する、3)実地研修の要綱改訂を行うこととし、今後、日本癌治療学会の認定資格制度として質と継続性を担保し、日本医師会、日本看護協会、日本病院薬剤師会等が協働して、事業を全国へと展開、継続することを決定した。この拡大展開は、様々な情報を確実に伝える仕組みの確立によって、がんに関する、医療、介護、住まい、予防、生活支援サービスが身近な地域で包括される「地域包括ケアシステム」の確立に大きく寄与し、「がん対策推進基本計画」の実現に向けて大きな推進力を持つものと期待される。
結論
3年間の研究期間において、1)初年度(平成26年度)に、「がん医療ネットワークナビゲーター」を養成するための教育プログラムを確立し、(2)次年度にこれらの教育プログラムを実稼働させ、初回の資格認定を目指すとともに、プログラムの実効性を評価、内容を改善、(3)最終年度には、資格取得者を、熊本、福岡、群馬の3地域に実際に配置してモデル事業を展開、その効果と発展性、課題を検証し、研究を総括した。教育プログラムにおいては、実地研修に多くの課題があり、ここでの調整に時間を要した。初回認定者は4名のみであったが、認定審査は定期的に行っており、認定者は着実に増加している(平成29年4月30日現在,申請者18名,認定者15名)。制度の検証は、認定制度を2段階制とするなどの改革を導いた。また、モデル事業の開始により、相談件数の増加などの効果も見え始めており、本邦のがん対策の向上への貢献が期待できることから、日本癌治療学会の認定資格制度として質を担保し、養成事業を全国展開へと発展させ継続することを決定した。

公開日・更新日

公開日
2017-05-18
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2017-05-23
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201607007C

収支報告書

文献番号
201607007Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,372,000円
(2)補助金確定額
5,372,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 150,000円
人件費・謝金 0円
旅費 444,690円
その他 3,538,310円
間接経費 1,239,000円
合計 5,372,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2017-09-25
更新日
-