文献情報
文献番号
201506001A
報告書区分
総括
研究課題名
「健やか親子21」の最終評価・課題分析及び次期国民健康運動の推進に関する研究
課題番号
H25-次世代-一般-002
研究年度
平成27(2015)年度
研究代表者(所属機関)
山縣 然太朗(山梨大学大学院 総合研究部 医学域 社会医学講座)
研究分担者(所属機関)
- 松浦 賢長(福岡県立大学 看護学部)
- 山崎 嘉久(あいち小児保健医療総合センター)
- 仲宗根 正(沖縄県北部福祉保健所)
- 尾島 俊之(浜松医科大学 医学部 健康社会医学 公衆衛生学)
- 玉腰 浩司(名古屋大学 医学部 保健学科 看護学専攻)
- 原田 正平(国立成育医療研究センター 研究所 マススクリーニング研究室)
- 荒木田 美香子(国際医療福祉大学 小田原保健医療学部)
- 田中 太一郎(東邦大学 医学部 社会医学講座 衛生学分野)
- 松田 義雄(国際医療福祉大学)
- 上原 里程(宇都宮市保健所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
14,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、「健やか親子21」の指標に関する調査と次期「健やか親子21」(以下、「健やか親子21(第2次)」)に関連する資料を収集し、それらを分析して「健やか親子21」の最終評価および「健やか親子21(第2次)」策定に資することである。
研究方法
研究内容は次の2点である。
1.「健やか親子21(第2次)」推進のための情報利活用の環境整備に関する研究
・「健やか親子21(第2次)」のホームページの運営。
・情報の利活用に資する新たなデータベースの運営。
・都道府県・市町村の妊婦健診、乳幼児健診の情報利活用システムの構築と運営。
・「健やか親子21(第2次)」と母子保健計画の策定・評価、母子保健情報データの利活用、また新規情報利活用システムの運用のための研修を各自治体の母子保健担当者に行う。
2.「健やか親子21(第2次)」の新指標評価のための調査の検討および実施
・平成26年度に研究班が課題としてあげた新指標の項目の調査・検討。
特に基盤課題C-2「妊娠中、仕事を続けることに対して職場から配慮をされたと思う就労妊婦の割合」の設問・選択肢についての検討。
1.「健やか親子21(第2次)」推進のための情報利活用の環境整備に関する研究
・「健やか親子21(第2次)」のホームページの運営。
・情報の利活用に資する新たなデータベースの運営。
・都道府県・市町村の妊婦健診、乳幼児健診の情報利活用システムの構築と運営。
・「健やか親子21(第2次)」と母子保健計画の策定・評価、母子保健情報データの利活用、また新規情報利活用システムの運用のための研修を各自治体の母子保健担当者に行う。
2.「健やか親子21(第2次)」の新指標評価のための調査の検討および実施
・平成26年度に研究班が課題としてあげた新指標の項目の調査・検討。
特に基盤課題C-2「妊娠中、仕事を続けることに対して職場から配慮をされたと思う就労妊婦の割合」の設問・選択肢についての検討。
結果と考察
1.「健やか親子21(第2次)」推進のための情報利活用の環境整備として、「健やか親子21(第2次)」の開始に伴い、平成27年4月1日より新たに「健やか親子21(第2次)」のホームページの運用を開始した。第1次に引き続き、「取り組みのデータベース」は、第2次版のページを作成し、全国の事業を参照しながら事業計画を立案するためのツールとして、更なる活用が期待される。さらに、「乳幼児健診情報システム」を開発し、全国4ヵ所での研修会を実施、地方自治体における母子保健情報の利活用推進を促す一助となったと考えられる。
「母子保健に係わる行政機関および医療機関の保健師・助産師へのアンケートおよびグループインタビュー」を行い、ハイリスク母児(要支援家庭)の抽出および早期介入の現状を明らかにした。また、小児の保健情報と医療情報の連結のための環境構築や、県・保健所と市町村が連携した母子保健情報の利活用が乳幼児健診の課題解決の有効な手段となる可能性、母子健康手帳交付台帳、妊婦健診、乳幼児健診データの分析から母子保健事業の企画・立案・実行のさらなる充実が図られる可能性を示唆した。
全国の自治体を対象に行った分析では、母子保健統計情報を定期的にまとめていない市町村で、育児不安、虐待、発達障害などの対策について都道府県との連携が希薄であり、母子保健統計情報の利活用が進まないこととの関連を示唆した。
学校と連携した安全学習カリキュラムの実施により、子どもたちの傷害予防に対する理解を深め、安全活動の意欲を向上させることも示すことができた。また、発達障害に対する社会の認識の現状把握、発達障害が疑われる児をもつ保護者に対する「学校との連携に関する教育」を含んだペアレントトレーニングの反応の把握を行い、発達障害に関する認識を高めるための情報提供のあり方や、今後の保護者への情報提供・活用に関する教育の在り方を検討した。
2.就労妊産婦を対象としたインターネット調査を実施した結果、全体として多くの妊婦は職場から配慮されている一方で、マタニティハラスメントなど過酷な状況に置かれている妊婦もみられ、今後、就労妊婦への支援をより一層推進するとともに、マタニティハラスメントへの実効性のある対策が必要である。
「母子保健に係わる行政機関および医療機関の保健師・助産師へのアンケートおよびグループインタビュー」を行い、ハイリスク母児(要支援家庭)の抽出および早期介入の現状を明らかにした。また、小児の保健情報と医療情報の連結のための環境構築や、県・保健所と市町村が連携した母子保健情報の利活用が乳幼児健診の課題解決の有効な手段となる可能性、母子健康手帳交付台帳、妊婦健診、乳幼児健診データの分析から母子保健事業の企画・立案・実行のさらなる充実が図られる可能性を示唆した。
全国の自治体を対象に行った分析では、母子保健統計情報を定期的にまとめていない市町村で、育児不安、虐待、発達障害などの対策について都道府県との連携が希薄であり、母子保健統計情報の利活用が進まないこととの関連を示唆した。
学校と連携した安全学習カリキュラムの実施により、子どもたちの傷害予防に対する理解を深め、安全活動の意欲を向上させることも示すことができた。また、発達障害に対する社会の認識の現状把握、発達障害が疑われる児をもつ保護者に対する「学校との連携に関する教育」を含んだペアレントトレーニングの反応の把握を行い、発達障害に関する認識を高めるための情報提供のあり方や、今後の保護者への情報提供・活用に関する教育の在り方を検討した。
2.就労妊産婦を対象としたインターネット調査を実施した結果、全体として多くの妊婦は職場から配慮されている一方で、マタニティハラスメントなど過酷な状況に置かれている妊婦もみられ、今後、就労妊婦への支援をより一層推進するとともに、マタニティハラスメントへの実効性のある対策が必要である。
結論
1.情報利活用の環境整備として「健やか親子21(第2次)」のホームページの運用開始、および「乳幼児健診情報システム」を開発した。また、「母子保健に係わる行政機関および医療機関の保健師・助産師へのアンケートおよびグループインタビュー」を行い、ハイリスク母児(要支援家庭)の抽出および早期介入の現状を明らかにした。さらに、小児保健情報と医療情報の連結、県・保健所と市町村による連携した母子保健情報および突合された個人データの利活用が、母子保健に関する問題の解決および事業の企画・立案・実行のさらなる充実が図られる可能性を示した。また、母子保健統計情報を定期的にまとめていない市町村では、育児不安、虐待、発達障害などの対策について都道府県との連携が希薄であり、母子保健統計情報の利活用が進んでいない可能性を示唆した。さらに、学校との連携で子どもたちの傷害予防に対する理解を深め、安全活動の意欲を向上を可能にした。そして、発達障害に対する社会の認識、および発達障害が疑われる児をもつ保護者への支援プログラムにおける反応を把握し、発達障害に関する認識の向上、および今後の保護者への情報提供・活用に関する教育の在り方を検討した。
2.就労妊産婦を対象としたインターネット調査を実施し、就労妊婦の状況の一端が明らかとなった。
2.就労妊産婦を対象としたインターネット調査を実施し、就労妊婦の状況の一端が明らかとなった。
公開日・更新日
公開日
2016-07-21
更新日
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