文献情報
文献番号
201447011A
報告書区分
総括
研究課題名
アジアの感染症担当研究機関とのラボラトリーネットワークの促進と共同研究体制の強化に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
倉根 一郎(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
- 清水 博之(国立感染症研究所)
- 荒川 英二(国立感染症研究所)
- 泉谷 秀昌(国立感染症研究所)
- 森川 茂(国立感染症研究所)
- 松山 州徳(国立感染症研究所)
- 常 彬(国立感染症研究所)
- 駒瀬 勝啓(国立感染症研究所)
- 片山 和彦(国立感染症研究所)
- 蒲地 一成(国立感染症研究所)
- 森田 昌知(国立感染症研究所)
- 野崎 智義(国立感染症研究所)
- 三戸部治郎(国立感染症研究所)
- 高崎 智彦(国立感染症研究所)
- 冨田 隆史(国立感染症研究所)
- 津久井久美子(国立感染症研究所)
- 柴山 恵吾(国立感染症研究所)
- 阿戸 学(国立感染症研究所)
- 白倉 雅之(国立感染症研究所)
- 小泉 信夫(国立感染症研究所)
- 俣野 哲朗(国立感染症研究所)
- 加藤はる(国立感染症研究所)
- 井上 智(国立感染症研究所)
- 宮崎 義継(国立感染症研究所)
- 大石 和徳(国立感染症研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【委託費】 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
100,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
アジアで問題となる病原体の正確な情報、および特徴を日常的に把握し監視する体制を強化するため、アジア各国の国立研究機関と同等の立場でネットワークを継続的に維持し、感染症情報および病原体情報の交換を行う。対象とする疾病はアジアで問題となっている、①腸管系下痢症、②麻疹、インフルエンザ等の呼吸器系感染症、③デング熱等のベクター媒介性疾患、④その他の新興・再興感染症とし、病原体検査法の標準化および共通のマニュアルの作成、病原体の分子疫学的解析の共同研究等を行い、その結果をデーターベース化し共通で使えるプラットホームを整備することを目的とした。
研究方法
腸管係感染症、呼吸器系感染症、ベクター媒介性感染症および薬剤耐性等の新興感染症の病原体を中心に、対象ごとに研究プロジェクトを組織し、アジアのCDC様機能を持つ国立の感染症専門研究機関(中国CDC, 韓国CDC/NIH, 台湾CDC、インドNICED, ベトナムNIHE等)との共同研究を促進した。各疾患の分子疫学的解析手法の標準化を行った。
結果と考察
1.中国CDCとの連携:
レジオネラ菌につきLAMP法により陽性となった検体について、遺伝子型別検査をできるようにした。下痢症由来のVibrio属と環境分離株の血清型及び病原因子の差異について検討を行い相関が見込まれた。SFTSウイルスの自然界での感染環の解明と日中間での比較マダニでの垂直感染、水平感染を明らかした。呼吸器ウイルスにつき上気道に近いヒト上気道細胞の気相液相界面培養を用いたウイルス分離技術の構築をおこなった。中国で伝播しているEV71分離株の分子疫学的解析を行った。
2.台湾CDCとの連携
2014年のデングウイルス国内流行株と台湾におけるデングウイルス流行株の遺伝子配列を比較した。台湾で分離されたイソニアジド耐性結核菌で、新規変異を同定した。(3)熱帯地域でデング熱主要媒介蚊となるネッタイシマカのアミノ酸置換変異について、ジェノタイピング法を考案した。無症候性キャリア由来の赤痢アメーバ株についてゲノムを採取し次世代シークセンサーにてデータを得た。ノロウイルスGII.4従来型からの流行の移行が観察された。
3.ベトナムNIHEとの連携
ヒストプラスマ検出用PCR法で6検体が陽性と判定され,ベトナム北部において重要な深在性真菌症であることが明らかになった。麻疹ウイルスのH遺伝子の解析をNIHEと共同で実施した。分離された45株のNDM型カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌の型別やプラスミドの解析を実施した。コレラ毒素遺伝子についてのLAMP法を検討し、実際に当該研究室で実施できることを確認した。アジア諸国同様CVA6が比較的多く検出された。ベトナム国においてヒトから分離された高病原性鳥インフルエンザウイルスの遺伝子解析、抗原性解析を実施した。
4.インドNICEDとの連携
赤痢ワクチン効果の認められたモルモット血清中に赤痢菌群に共通する病原蛋白に対する抗体が認められた。現在のコレラ流行株のゲノム情報を整備するため、次世代シーケンサー用ゲノム調整法の最適化を行った。赤痢アメーバのリジングルタミン酸リッチタンパク質2(KERP2)のインド国内での分離株における遺伝的多様性を解析し、これまで報告されていない高度の多型が発見された。
レジオネラ菌につきLAMP法により陽性となった検体について、遺伝子型別検査をできるようにした。下痢症由来のVibrio属と環境分離株の血清型及び病原因子の差異について検討を行い相関が見込まれた。SFTSウイルスの自然界での感染環の解明と日中間での比較マダニでの垂直感染、水平感染を明らかした。呼吸器ウイルスにつき上気道に近いヒト上気道細胞の気相液相界面培養を用いたウイルス分離技術の構築をおこなった。中国で伝播しているEV71分離株の分子疫学的解析を行った。
2.台湾CDCとの連携
2014年のデングウイルス国内流行株と台湾におけるデングウイルス流行株の遺伝子配列を比較した。台湾で分離されたイソニアジド耐性結核菌で、新規変異を同定した。(3)熱帯地域でデング熱主要媒介蚊となるネッタイシマカのアミノ酸置換変異について、ジェノタイピング法を考案した。無症候性キャリア由来の赤痢アメーバ株についてゲノムを採取し次世代シークセンサーにてデータを得た。ノロウイルスGII.4従来型からの流行の移行が観察された。
3.ベトナムNIHEとの連携
ヒストプラスマ検出用PCR法で6検体が陽性と判定され,ベトナム北部において重要な深在性真菌症であることが明らかになった。麻疹ウイルスのH遺伝子の解析をNIHEと共同で実施した。分離された45株のNDM型カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌の型別やプラスミドの解析を実施した。コレラ毒素遺伝子についてのLAMP法を検討し、実際に当該研究室で実施できることを確認した。アジア諸国同様CVA6が比較的多く検出された。ベトナム国においてヒトから分離された高病原性鳥インフルエンザウイルスの遺伝子解析、抗原性解析を実施した。
4.インドNICEDとの連携
赤痢ワクチン効果の認められたモルモット血清中に赤痢菌群に共通する病原蛋白に対する抗体が認められた。現在のコレラ流行株のゲノム情報を整備するため、次世代シーケンサー用ゲノム調整法の最適化を行った。赤痢アメーバのリジングルタミン酸リッチタンパク質2(KERP2)のインド国内での分離株における遺伝的多様性を解析し、これまで報告されていない高度の多型が発見された。
結論
各疾患の動向状況の把握と検査法等での問題となっている点に関して各国との情報交換を行った。その成果を基盤として、各病原体の遺伝子型解析手法の標準化を行い、各国で分離された病原体の遺伝子型の解析を行い、各地域での病原体の特徴を明らかにした。また我が国で分離された病原体の解析も行うことにより
我が国に存在する病原体の由来が、自国特有のものなのか、または他国から侵入したものかを解明することが可能となった。これらの研究を通し、アジアのCDC様研究機関との連携と、病原体情報交換が強化され、アジア及び我が国におけるおよび感染症コントロールに貢献した。
我が国に存在する病原体の由来が、自国特有のものなのか、または他国から侵入したものかを解明することが可能となった。これらの研究を通し、アジアのCDC様研究機関との連携と、病原体情報交換が強化され、アジア及び我が国におけるおよび感染症コントロールに貢献した。
公開日・更新日
公開日
2015-05-25
更新日
-