新たな地域精神保健医療体制の構築のための実態把握および活動の評価等に関する研究

文献情報

文献番号
201419024A
報告書区分
総括
研究課題名
新たな地域精神保健医療体制の構築のための実態把握および活動の評価等に関する研究
課題番号
H24-精神-一般-008
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
竹島 正(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所精神保健計画研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 立森 久照(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所精神保健計画研究部 )
  • 森川 将行(奈良県立医科大学精神医学)
  • 久保野 恵美子(東北大学大学院法学研究科)
  • 丸田 敏雅(東京医科大学精神医学講座)
  • 粟田 主一(東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と介護予防研究チーム研究部)
  • 河崎 建人(全国精神医療審査会連絡協議会連絡協議会)
  • 岩谷  力(国立障害者リハビリテーションセンター リハ医学)
  • 高橋 邦彦(名古屋大学大学院医学系研究科 生物統計学)
  • 川上 憲人(東京大学大学院医学系研究科精神保健疫学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
21,585,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
精神保健医療福祉改革の進捗状況の把握と精神科医療機能別必要量の算定方法の検討を目的とする。また改革の重点課題の検討を目的とする。
研究方法
(1)精神医療機能別必要量の検討に関してヒアリング調査と630調査をもとにした入院受療必要量の検討を行った。26年度630調査の追加調査として入院、入院外、通報等調査を行った。(2)630調査による精神保健医療福祉のマクロ動向の分析を行った。(3)精神保健福祉センターを対象に相談に関するアンケートを実施した。(4)保護者制度・入院制度を裏づける理論枠組みおよび法律構成等について検討した。(5) ICD-11作成に向けたフィールドトライアルを行った。(6)高齢精神障害者の処遇実態の分析を行った。(7)精神医療審査会の活動状況アンケート調査等を行った。(8)自立支援医療データベースの実態把握等を行った。(9) 26年度630調査の空間疫学の手法による可視化を行った。(10)精神疾患の医療需要の将来予測を行った。
結果と考察
(1)都道府県の現状と課題をマップ上で共有して課題を解決していくプロセスが重要と考えられた。入院受療必要量は都道府県の精神医療改革進展をベースにした計算が最も有望と考えられた。(2) 認知症等、統合失調症等ともに人口10 万対在院患者数は日本の周縁部に多いという特徴に変化はなく、統合失調症等はほぼすべての都道府県で減少傾向にあった。(3)心の問題に関する様々な領域に渡る相談のニーズに応じていた。(4)現行法は、理論的には患者、医療側、家族の三者構造の明確化において、政策的には地域移行および患者の人権擁護の実効性において課題を残すと考えられた。(5) ICD-11 作成に向けてわが国の存在感を示した。(6)認知症の進行に伴って困難が重層化している可能性が示された。(7)審査会による外部審査は入院者・医療者双方に意味があると考えられた。(8)電子レセプトデータの提供・運用の基盤整備の必要性が示された。(9地理空間情報を加味した視覚化を行った。(10)予測において減少が認められた。
結論
本研究の成果が地域精神医療充実に活用されることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201419024B
報告書区分
総合
研究課題名
新たな地域精神保健医療体制の構築のための実態把握および活動の評価等に関する研究
課題番号
H24-精神-一般-008
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
竹島 正(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所精神保健計画研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 立森 久照(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所精神保健計画研究部 )
  • 森川 将行(三重県立こころの医療センター)
  • 久保野 恵美子(東北大学大学院 法学研究科)
  • 丸田 敏雅(東京医科大学精神医学講座)
  • 粟田 主一(東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 河崎 建人(全国精神医療審査会連絡協議会)
  • 岩谷  力(国立障害者リハビリテーションセンター)
  • 高橋 邦彦(名古屋大学大学院 医学系研究科 臨床医薬学講座 生物統計学分野)
  • 川上 憲人(東京大学大学院医学系研究科 健康科学・看護学専攻 精神保健学・看護学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
精神保健医療福祉改革の進捗状況の把握と精神科医療機能別必要量の算定方法の検討を目的とする。また改革の重点課題の検討を目的とする。
研究方法
(1)精神医療機能別必要量の検討に関してヒアリング調査と630調査をもとにした入院受療必要量の検討を行った。26年度630調査の追加調査として入院、入院外、通報等調査、通報等調査を行った。(2)630調査による精神保健医療福祉のマクロ動向の分析を行った。(3)精神保健福祉センターを対象に相談に関するアンケートを実施した。(4)保護者制度・入院制度を裏づける理論枠組みおよび法律構成等について検討した。(5) ICD-11作成に向けたフィールドトライアルを行った。(6)高齢精神障害者の処遇実態の分析を行った。(7)精神医療審査会の活動状況アンケート調査等を行った。(8)自立支援医療データベースの実態把握等を行った。(9) 26年度630調査の空間疫学の手法による可視化を行った。(10)精神疾患の医療需要の将来予測を行った。
結果と考察
(1)都道府県の現状と課題をマップ上で共有して課題を解決していくプロセスが重要と考えられた。入院受療必要量は都道府県の精神医療改革進展をベースにした計算が最も有望と考えられた。 (2) 認知症等、統合失調症等ともに人口10 万対在院患者数は日本の周縁部に多いという特徴に変化はなく、統合失調症等はほぼすべての都道府県で減少傾向にあった。(3)心の問題に関する様々な領域に渡る相談のニーズに応じていた。(4)現行法は、理論的には患者、医療側、家族の三者構造の明確化において、政策的には地域移行および患者の人権擁護の実効性において課題を残すと考えられた。(5) ICD-11 導入の準備を進めた。(6)認知症の進行に伴って困難が重層化している可能性が示された。(7)審査会による外部審査は入院者・医療者双方に意味があると考えられた。精神保健福祉法改正にともなう精神医療審査会運営マニュアル改訂案を提示した。(8)電子レセプトデータの提供・運用の基盤整備の必要性が示された。(9地理空間情報を加味した視覚化を行った。(10)予測において減少が認められた。
結論
本研究の成果が地域精神医療充実に活用されることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2016-05-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201419024C

成果

専門的・学術的観点からの成果
・630調査をもとに,精神保健医療福祉のマクロ動向を分析し,統合失調症等はほぼ全ての都道府県で人口10 万対患者数が減少傾向にあることを明らかにした。
・保護者制度・入院制度を裏づける理論枠組みおよび法律構成等について検討した。
・空間疫学を精神医療政策の研究に活用することの有用性を示した。
・統合失調症在院患者数および在院患者率の将来推計を行い、必要な病床数、ケア施設数等の推計のための基礎データを得た。
臨床的観点からの成果
・全国の精神保健福祉センター等を対象に、地域精神保健医療に関するニーズについてアンケートを実施し、心の問題に関する様々な相談のニーズに応じていることを示した。
・高齢精神障害者の処遇実態の分析と対策に関して、地域住民、行政の相談事業の対象者、病院患者、生活困窮者の4つの集団を対象に調査を行い,地域精神保健医療福祉と高齢者保健医療福祉介護の制度的な連携の必要性を示した。
ガイドライン等の開発
・精神科入院受療必要量の検討を行い,都道府県の精神医療改革の進展をベースにした計算式とその計算結果を提示した。
・全国の精神医療審査会の活動状況,精神医療審査会運営要領の比較検討等をもとに,精神保健福祉法改正にともなう精神医療審査会運営マニュアル改訂案を提示した。
・ICD-11 作成に向けたフィールドトライアルを実施し,わが国におけるICD-11導入への備えを進めた。
その他行政的観点からの成果
・630調査(精神保健福祉資料)の追加調査として,入院患者調査,入院外患者調査,通報等調査の調査票を開発し,それによる悉皆調査を実施した。また,630調査の患者臨床情報に診療行為情報を追加する検討を行い,630調査の次のステップへの発展の糸口とした。
・自立支援医療における,育成医療から更生医療への移行上の課題,精神通院医療増加の背景の検討を行い,電子レセプトデータの提供・運用にかかる基盤整備の必要性を示した。
その他のインパクト
・首都圏内の大学をフィールドとして精神疾患当事者の芸術作品を活用した啓発資材・プログラムの開発に関する検討を行った。啓発資材を用いたグループディスカッションを含む講義が、精神疾患当事者および精神疾患についての正しい理解を促し、共生社会の実現に寄与しうることが示唆された。
・「精神保健医療福祉の改革研究ページ」の運用・改訂を行い,630調査データや研究成果を活用しやすくした。http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/

発表件数

原著論文(和文)
23件
原著論文(英文等)
8件
その他論文(和文)
34件
その他論文(英文等)
7件
学会発表(国内学会)
68件
学会発表(国際学会等)
33件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
3件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
趙 香花,長沼洋一,河野稔明,他
岡山県の医療保護入院患者と保護者に関する実態調査.
日本社会精神医学会雑誌 , 22 (4) , 440-451  (2013)
原著論文2
下田陽樹,竹島 正,立森久照
精神保健医療福祉のモニタリングとしての630調査の経緯と今後の方向.
精神保健研究 , 60 , 3-9  (2014)
原著論文3
河野稔明,森 隆夫,立森久照,他
精神科病院の機能分化における精神療養病棟の役割.
日本精神科病院協会雑誌 , 31 (5) , 71-77  (2012)
原著論文4
Ito K, Morikawa S, Okamura T, et al.
Factors associated with mental health well-being of homeless people in Japan.
Psychiatr Clin Neurosci , 68 , 145-153  (2014)
原著論文5
Okamuara T, Ito K, Morikawa S,et al.
Suicidal behavior among homeless people in Japan.
Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology , 49 , 573-582  (2014)
原著論文6
平田豊明
精神保健福祉法2013年改正と精神医療審査会の機能.
日本精神科病院協会雑誌 , 32 (12) , 1231-1237  (2013)
原著論文7
久保野恵美子,千葉華月
ワークショップの記録:精神保健福祉法改正の意義と課題.
年報医事 法学 ,  (30) , 63-74  (2015)
原著論文8
Noguchi M, Tachimori H, Naganuma Y,et al.
Families' opinions about caring for patients with psychiatric disorders after involuntary hospitalization in Japan.
International Journal of Social Psychiatry , 62 (2) , 167-175  (2016)

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
2018-06-05

収支報告書

文献番号
201419024Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
25,900,000円
(2)補助金確定額
25,900,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,910,449円
人件費・謝金 3,628,325円
旅費 2,269,985円
その他 13,776,241円
間接経費 4,315,000円
合計 25,900,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
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