文献情報
文献番号
201412052A
報告書区分
総括
研究課題名
標準的な健診・保健指導プログラム(改訂版)及び健康づくりのための身体活動基準2013に基づく保健事業の研修手法と評価に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-循環器等(生習)-一般-028
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
津下 一代(公益財団法人愛知県健康づくり振興事業団 あいち健康の森健康科学総合センター)
研究分担者(所属機関)
- 宮地 元彦(独立行政法人国立健康・栄養研究所健康増進研究部)
- 中村 正和(大阪がん循環器病予防センター 予防推進部)
- 真栄里 仁(独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター 教育情報部)
- 横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
- 杉田由加里(千葉大学大学院看護学研究科)
- 和田 高士(東京慈恵会医科大学総合健診・予防医学センター)
- 村本あき子(公益財団法人愛知県健康づくり振興事業団あいち健康の森健康科学総合センター)
- 林 芙美(千葉県立保健医療大学 栄養教育・公衆栄養学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
保健指導者の資質向上の目的で、都道府県、国保連、学会等により研修が実施されている。特定保健指導制度開始当初と比べ研修ニーズが多様化している現状があり、より良い研修の在り方、保健指導者育成方策を検討することが重要である。本研究では研修会の企画・運営・評価の各段階における課題抽出、保健指導者の特性にあった効果的な研修方法について検討することを目的としている。保健指導の場面で身体活動を増加させる方策として、健康づくりのための身体活動基準2013・アクティブガイドの普及が期待されているが、研修会講師が本ガイドを熟知して使えることが重要であり、そのための方策について多様な取組みを行い評価する。
研究方法
1)研修ニーズ・デマンドの整理:保健指導に必要な要素について習得度に関する調査票(基礎編用,計画・評価編用)を作成、スキル評価を行う。協会けんぽの支部別保健指導効果分析、ヒアリング調査により、研修ニーズを調査する。
2)都道府県・国保連研修担当者に、研修の立案方法とその内容や評価方法、研修の立案・運営における課題について調査する。市町村における減酒指導の実態調査(保健師一人あたり減酒指導件数、アルコール指導使用教材の活用の有無等)を行う。研修会講師に対する調査(依頼の経緯、事前調整、資料の準備方法、担当者からのフィードバックの有無等)を行う。
3)研修ツールの開発,情報等の提供:講師向け研修会コアスライド:昨年度版をワークショップの意見を基に改編。新たに基礎編、技術編、計画・評価編の全編のコアスライドを作成。さらに、研修用ビデオ作成(アルコール、初回面接)、効果評価する。研修企画者・講師のためのワークショップを開催、直接の情報収集と班成果物の検証を行う。
4)アクティブガイドの普及:Facebookページによる普及・啓発(自治体等による身体活動増加の取り組みの紹介、+10や身体活動増加のヒント、専門家向けの活用のヒント、研究成果の紹介、講習会や講演会の紹介等)、アクティブガイド翻訳と学術誌への情報発信を行う。
5)プログラムの研修効果検証:節酒支援のビデオ教材を用いた強化型プログラム研修と通常研修の習得度を比較する。e ラーニング上で学習前後にテストやアンケートを実施、禁煙支援・治療に関する指導者の知識、態度、自信、行動の変化を調べる。
2)都道府県・国保連研修担当者に、研修の立案方法とその内容や評価方法、研修の立案・運営における課題について調査する。市町村における減酒指導の実態調査(保健師一人あたり減酒指導件数、アルコール指導使用教材の活用の有無等)を行う。研修会講師に対する調査(依頼の経緯、事前調整、資料の準備方法、担当者からのフィードバックの有無等)を行う。
3)研修ツールの開発,情報等の提供:講師向け研修会コアスライド:昨年度版をワークショップの意見を基に改編。新たに基礎編、技術編、計画・評価編の全編のコアスライドを作成。さらに、研修用ビデオ作成(アルコール、初回面接)、効果評価する。研修企画者・講師のためのワークショップを開催、直接の情報収集と班成果物の検証を行う。
4)アクティブガイドの普及:Facebookページによる普及・啓発(自治体等による身体活動増加の取り組みの紹介、+10や身体活動増加のヒント、専門家向けの活用のヒント、研究成果の紹介、講習会や講演会の紹介等)、アクティブガイド翻訳と学術誌への情報発信を行う。
5)プログラムの研修効果検証:節酒支援のビデオ教材を用いた強化型プログラム研修と通常研修の習得度を比較する。e ラーニング上で学習前後にテストやアンケートを実施、禁煙支援・治療に関する指導者の知識、態度、自信、行動の変化を調べる。
結果と考察
1)保健指導者スキル評価:基礎編2,070人、計画・評価編565人を分析。個別支援よりもグループ支援の方が習得度が低く、禁煙、節酒支援に苦手意識有り。計画・評価編は全体に基礎編よりも習得度が低く、とくに社会資源の活用、実施体制、評価などの点が弱い。協会けんぽ支部間でメタボ改善率(-47.7%から-30.6%)に差があり、原因追究が必要である。
2)都道府県・国保連研修では市町村・保険者間格差により多様化するニーズに苦慮しており、企画・評価への助言が必要との意見が多い。市町村における減酒指導の実態調査では、AUDIT、飲酒日記は内容を知っていても活用しきれていない現状が把握できた。研修会講師に対する調査では、企画者側との事前打ち合わせ、事後のフィードバックが不十分であることや、研修の標準化ができていない現状がある。研修用コアスライドを求める声が多い。
3)研修ツールの開発,情報等の提供:講師向け研修会コアスライドは、昨年度版をワークショップの意見を基に改編。新たに基礎編、技術編、計画・評価編の全編のコアスライドを作成、HPよりダウンロード可能とした。アルコール、初回面接について研修用ビデオ作成、本ビデオを用いた研修で従来型より高い効果が得られた。研修企画者・講師のためのワークショップで調査結果をもとに、研修を企画するにあたって重要な点、改善すべき点について議論、またコアスライドやビデオに対する要望を聴取でき、改善につなげることができた。
4)アクティブガイドについては、Facebookを活用した身近で継続的な情報提供とイベント等との関連を考察した。+10の重要性を専門家に周知するため、欧文誌を含め多数の情報提供を実施、今後の評価につなげる。5)演習では面接場面のビデオ等を用いる手法の効果が確認できた。e ラーニング上では禁煙指導についての知識、態度、自信、行動の向上がみられた。
2)都道府県・国保連研修では市町村・保険者間格差により多様化するニーズに苦慮しており、企画・評価への助言が必要との意見が多い。市町村における減酒指導の実態調査では、AUDIT、飲酒日記は内容を知っていても活用しきれていない現状が把握できた。研修会講師に対する調査では、企画者側との事前打ち合わせ、事後のフィードバックが不十分であることや、研修の標準化ができていない現状がある。研修用コアスライドを求める声が多い。
3)研修ツールの開発,情報等の提供:講師向け研修会コアスライドは、昨年度版をワークショップの意見を基に改編。新たに基礎編、技術編、計画・評価編の全編のコアスライドを作成、HPよりダウンロード可能とした。アルコール、初回面接について研修用ビデオ作成、本ビデオを用いた研修で従来型より高い効果が得られた。研修企画者・講師のためのワークショップで調査結果をもとに、研修を企画するにあたって重要な点、改善すべき点について議論、またコアスライドやビデオに対する要望を聴取でき、改善につなげることができた。
4)アクティブガイドについては、Facebookを活用した身近で継続的な情報提供とイベント等との関連を考察した。+10の重要性を専門家に周知するため、欧文誌を含め多数の情報提供を実施、今後の評価につなげる。5)演習では面接場面のビデオ等を用いる手法の効果が確認できた。e ラーニング上では禁煙指導についての知識、態度、自信、行動の向上がみられた。
結論
保健指導の質の向上のためには、外部研修と内部研修(OJT)の充実が必要であり、研修企画者への支援が必要と考えられた。生活習慣病の改善に資する各分野の専門家が横断的に情報交換をしながら研究を進めた結果、統一的なコアスライドの作成や研修手法・評価手法の共有がはかれた。
公開日・更新日
公開日
2015-09-11
更新日
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