文献情報
文献番号
201412009A
報告書区分
総括
研究課題名
食事摂取基準を用いた食生活改善に資するエビデンスの構築に関する研究
課題番号
H26-循環器等(政策)-指定-001
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
佐々木 敏(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 柴田 克己(滋賀県立大学 人間文化学部生活栄養学科)
- 勝川 史憲(慶應義塾大学 スポーツ医学研究センター)
- 奥田 昌之(山口大学 大学院理工学研究科)
- 朝倉 敬子(東京大学 大学院情報学環)
- 大久保 公美(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は2点である。
第一に、幼児・小児の栄養素等摂取量の資料は乏しく、食事摂取基準の策定において質の高い資料が求められているため、幼児・小児の栄養素等摂取量を把握するための記述疫学研究を行うことである。
第二に、食事摂取基準を活用するための科学的かつ実践的なツールが存在せず、食事摂取基準がじゅうぶんに活用されていない状況があるため、食事摂取基準を活用するための科学的かつ実践的なツールを開発することである。
第一に、幼児・小児の栄養素等摂取量の資料は乏しく、食事摂取基準の策定において質の高い資料が求められているため、幼児・小児の栄養素等摂取量を把握するための記述疫学研究を行うことである。
第二に、食事摂取基準を活用するための科学的かつ実践的なツールが存在せず、食事摂取基準がじゅうぶんに活用されていない状況があるため、食事摂取基準を活用するための科学的かつ実践的なツールを開発することである。
研究方法
本年度は主に次の2つの研究を実施した。
研究(1)日本の小中学生の食事摂取量詳細調査
2014年11月に日本の12地域(青森、山形、茨城、栃木、富山、滋賀、島根、愛媛、高知、福岡、佐賀、鹿児島)で公立小学校に通う3年生389名、5年生392名、および公立中学校に通う2年生409名、合計1190名を対象に、食事調査および質問票調査を実施した。食事調査は食事記録法及び簡易型自記式食事歴法質問票を用いた方法の2種類を行った。質問票調査は小学校5年生、中学校2年生、および全調査参加児童生徒の保護者を対象に行った。他に、各小中学校より身長体重の測定データを得た。食事記録法による食事調査の結果のみは内容の確認・整理が複雑であり、現在作業中のため、今年度はそれ以外の部分についてデータをまとめ、報告した。
研究(2)食事摂取基準を活用するための科学的かつ実践的なツールの開発
食事摂取基準を活用するための科学的かつ実践的なツール(BDHQ利用システム)を開発することを目的とし、今年度は、ツール全体のシステムの概要を提案するとともに、データ入力用のファイルの開発を行った。
研究(1)日本の小中学生の食事摂取量詳細調査
2014年11月に日本の12地域(青森、山形、茨城、栃木、富山、滋賀、島根、愛媛、高知、福岡、佐賀、鹿児島)で公立小学校に通う3年生389名、5年生392名、および公立中学校に通う2年生409名、合計1190名を対象に、食事調査および質問票調査を実施した。食事調査は食事記録法及び簡易型自記式食事歴法質問票を用いた方法の2種類を行った。質問票調査は小学校5年生、中学校2年生、および全調査参加児童生徒の保護者を対象に行った。他に、各小中学校より身長体重の測定データを得た。食事記録法による食事調査の結果のみは内容の確認・整理が複雑であり、現在作業中のため、今年度はそれ以外の部分についてデータをまとめ、報告した。
研究(2)食事摂取基準を活用するための科学的かつ実践的なツールの開発
食事摂取基準を活用するための科学的かつ実践的なツール(BDHQ利用システム)を開発することを目的とし、今年度は、ツール全体のシステムの概要を提案するとともに、データ入力用のファイルの開発を行った。
結果と考察
研究(1)「日本の小中学生の食事摂取量詳細調査」は、わが国の小中学生の習慣的な栄養素等摂取量を知るための基本的な記述疫学研究である。類似の調査は過去にも存在するものの、それらの調査により得られた学術論文が乏しく、そのために食事摂取基準の年齢区分のなかの小児における策定を困難にしている状況がある。本研究は従来よりも高度で詳細な調査デザインが用いられたため、食事摂取基準の次回改定時に重要な知見を提供するものであると期待される。
研究(2)「食事摂取基準を活用するための科学的かつ実践的なツールの開発」は、日本人の食事摂取基準(2015年版)のⅠ総論・4-1活用に関する基本的事項で強調されている、「食事摂取状況のアセスメントに基づくPDCAサイクルを活用した栄養業務」の実現化を支援するツールを開発するものである。この実践的ツールが栄養業務の現場で活用されれば、食事摂取基準に基づく栄養業務がより積極的かつ正しく実践され、栄養業務の質の向上が期待される。
研究(2)「食事摂取基準を活用するための科学的かつ実践的なツールの開発」は、日本人の食事摂取基準(2015年版)のⅠ総論・4-1活用に関する基本的事項で強調されている、「食事摂取状況のアセスメントに基づくPDCAサイクルを活用した栄養業務」の実現化を支援するツールを開発するものである。この実践的ツールが栄養業務の現場で活用されれば、食事摂取基準に基づく栄養業務がより積極的かつ正しく実践され、栄養業務の質の向上が期待される。
結論
研究計画に沿って2つの研究を実施し、ほぼ予定どおりの進捗であったと考える。特に、研究(1)は、対象校の選定ならびに実施方法の確立など、調査に至るまでの不確定要素が多かったが、一部の計画変更が必要になったものの、概ね、予定どおりに実施し得た。これは大きな収穫であると考えられる。しかしながら、研究(1)で用いた食事記録法のデータは内容の確認・整理作業が複雑であり、来年度にかけて作業を行うことを予定している。また、研究(2)はツールの概要の決定ならびにごく一部の開発に着手できたに過ぎない。上記研究に関連する継続課題に加え、次年度に計画している研究も含めて、引き続き、研究計画に基づき、着実に研究を遂行してゆくことを予定している。
公開日・更新日
公開日
2015-09-11
更新日
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