灌流法により採取された骨髄細胞を用いた骨髄内骨髄移植療法:基礎から臨床へ

文献情報

文献番号
201126019A
報告書区分
総括
研究課題名
灌流法により採取された骨髄細胞を用いた骨髄内骨髄移植療法:基礎から臨床へ
課題番号
H22-免疫・一般-009
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
池原 進(関西医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 赤塚 美樹(藤田保健衛生大学 医学部 血液内科)
  • 一戸 辰夫(佐賀大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科)
  • 小川 啓恭(兵庫医科大学 医学部 内科学血液内科)
  • 小島 勢二(名古屋大学大学院医学系研究科 小児科学)
  • 品川 克至(岡山大学医学部・歯学部附属病院 血液・腫瘍内科)
  • 森尾 友宏(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 発生発達病態学分野臨床免疫学)
  • 村田 誠(名古屋大学医学部附属病院 血液内科)
  • 森 眞一郎(関西医科大学附属枚方病院 血液腫瘍内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
7,157,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難病のモデル動物(主として、マウス、ラット等の小動物)の実験結果に基づいて、いかなる難病が新技術により治療可能かを明らかにしヒトへ応用する。PMに関しては、既にPhase I Studyを開始しており、PM+IBM-BMTに関しても、臨床応用を開始する。本年度は、神経難病(アルツハイマー病等)の治療に重点を置いて、骨髄や胎児肝に存在するES-like cellを移植に利用する。さらに、胸腺移植を併用することによって治療可能な難病範囲の拡大をはかる。
研究方法
Phase I Studyを灌流法で実施し、灌流法の安全性のみならず、灌流法の利点を、従来の吸引法と比較検討している。特に、採取骨髄液中の赤血球とT細胞の混入度を、ドナーの同意を得て、同一人の左右の腸骨を用いて比較している。臨床プロトコールを作成し、倫理委員会の承認も得られている。問題点としては、灌流法のドナーが肥満体の場合に、骨髄針が腸骨のような扁平骨の骨髄腔内に上手に刺入できていない可能性をこれまでの症例で経験している。現在、このようなことが起こらないための対策として、整形外科医の指導の下でCTの造影や、将来は“ナビゲイション・システム”を開発し、誰にでも容易に灌流法が実施できるように改善する予定である.Phase I Studyに関しては5例を終了後、Phase II Studyへ移行する。
結果と考察
ヒトへの応用を目指して、PMに関しては、既にPhase I Studyを開始しており、PM+IBM-BMTに関しても、臨床応用を開始している。基礎的な研究としては、IBM-BMTの際、注入骨髄細胞の漏出を防ぐため、コラーゲン・ゲルでsuspendする方法を申請者らは開発した。この方法を用いることによって、ドナーの骨髄細胞(HSC+MSCの両者)がレシピエントの骨髄腔内に効率良く注入され、骨髄内にどどまることが重要であることが明らかになった。さらにマグネットとマグネットビーズを用いて、注入局所に骨髄細胞が長くとどまる方法を開発した。IBM-BMTと胸腺移植の併用療法は加齢に伴って発症する疾患(アルツハイマー病,2型の糖尿病等)にも有効であることが判明した。
結論
新しい骨髄移植の方法(PM+IBM-BMT)が、ヒトへ応用されるようになれば、骨髄ドナーと患者さんの負担が軽減される。この新技術を用いることにより、これまで不治の病であった、種々の難病(厚労省指定以外の疾患をも含む)が根治できれば、患者さんにとって、これ以上の福音はない。

公開日・更新日

公開日
2012-06-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-01-17
更新日
-

収支報告書

文献番号
201126019Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,303,000円
(2)補助金確定額
9,303,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,790,829円
人件費・謝金 0円
旅費 1,063,510円
その他 302,661円
間接経費 2,146,000円
合計 9,303,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
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