座位保持装置の安全で適切な流通の促進に関する研究

文献情報

文献番号
201122033A
報告書区分
総括
研究課題名
座位保持装置の安全で適切な流通の促進に関する研究
課題番号
H21-障害・一般-003
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
廣瀬 秀行(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 相川 孝訓(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
  • 長谷川 典彦(岐阜大学 施設環境部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,009,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 座位保持装置には障害者個人に合わせて製作する個別製作手法があり、それは製作業者個人の力量と処方時の医師を含むリハ関係メの指示に関係する。
 本研究の目的は座位保持装置の設計・製作基準やリハ関係者と営業への機械的安全性に関する基本ガイドラインを開発することである。これにより、安全で合理的な流通システムの構築に貢献できる。
 初年度の課題の導出から始まり、破損または機能不全を起こした機器を収集し、その原因を探り、解決手法を提案することや、修理などの現状把握、厚生労働省座位保持装置完成用部品への寄与、そしてガイドライン作成のための講習会の実施からなる。
研究方法
 破損や機能不全を起こした座位保持装置を収集し、個別にその原因を探ることで座位保持装置に係わる強度の問題点を明らかにする。具体的には破損時の関係者への聴取、歪みゲージでの長時間計測、モデル解析などで問題点を確認し、他に試験方法がないか確認し、最終的に試験方法を開発した。
  ガイドラインについては製作現場調査や個別座位保持装置の対応方法の経験を通じて、平成22年と平成23年9月に開催された国際福祉機器展において、また最終講習会として平成24年1月に講習会を開催し、講演を実施しながら洗練していった。
結果と考察
 破損原因について、
1)頭部支持と頚部支持に見られる臨床での混乱した使い方。
2)背部支持、足部支持およびブレーキなど試験手法の不整備。
3)脳性まひ者など緊張者への対応
などがあり、これらは対応が可能である。
 講習会は合計3回開催し、リハ専門職、車いす事業者営業職および製作者が参加し、総後の協調が 図れると同時に、また車いすフレームのひずみを可視化できることで教育的効果が上がった。
結論
 個別製作に関しては今後とも破損を収集できるシステムの構築および破損原因を追求できるシステムが重要であると同時に、リハ専門職、車いす営業および製作者が一体となった講習会の開催が重要である。また、背支持の試験手法については国際規格での提案を実施する予定である。

公開日・更新日

公開日
2012-08-10
更新日
-

文献情報

文献番号
201122033B
報告書区分
総合
研究課題名
座位保持装置の安全で適切な流通の促進に関する研究
課題番号
H21-障害・一般-003
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
廣瀬 秀行(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 相川 孝訓(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 )
  • 長谷川 典彦(岐阜大学 施設環境部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 座位保持装置には障害者個人に合わせて製作する個別製作手法があり、それは製作業者個人の力量と処方時の医師を含むリハ関係者の指示に関係する。
本研究の目的は座位保持装置の設計・製作基準やリハ関係者と営業への機械的安全性に関する基本ガイドラインを開発することである。これにより、安全で合理的な流通システムの構築に貢献できる。
最終年度は昨年度からの個別座位保持装置の安全性に関する対応手法の開発、これらを基にした講習会での関連職種に向けたガイドラインの開発からなる。特に、座位保持装置は、頭部支持装置の対応手法の検討、背支持部の破損原因の究明とその確認(長谷川)、また新たな試験方法の開発、ブレーキ試験装置の開発と確認(相川)、最後に足部負荷解析を実施する。
研究方法
  破損や機能不全を起こした座位保持装置を収集し、個別にその原因を探ることで座位保持装置に係わる強度の問題点を明らかにする。具体的には破損時の関係者への聴取、歪みゲージでの長時間計測、モデル解析などで問題点を確認し、他に試験方法がないか確認し、最終的に試験方法を開発した。
ガイドラインについては製作現場調査や個別座位保持装置の対応方法の経験を通じて、平成22年と平成23年9月に開催された国際福祉機器展において、また最終講習会として平成24年1月に講習会を開催し、講演を実施しながら洗練していった。
結果と考察
個別製作に関しては、
1)頭部支持は新たなる緩衝材が製品としてあるので、これらの確認は必要である。
2)背部支持は介助者によるキャスターアップ操作が破損要因であることがわかり、キャスターアップ動作に類似した試験手法の開発が必要である。
3)ブレーキは斜め方向の荷重を負荷できる試験方法を開発した。
4)足部試験は確認ができず、今後の課題となった。
 講習会は合計3回開催し、リハ専門職、車いす事業者営業職および製作者が参加し、総後の協調が図れると同時に、また車いすフレームのひずみを可視化できることで教育的効果が上がった。
結論
 個別製作に関しては今後とも破損を収集できるシステムの構築および破損原因を追求できるシステムが重要であると同時に、リハ専門職、車いす営業および製作者が一体となった講習会の開催が重要である。また、背支持については国際規格での提案を実施する予定である。

公開日・更新日

公開日
2012-08-10
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201122033C

成果

専門的・学術的観点からの成果
(1) 研究目的の成果
 座位保持装置の研究発表は開発や効果の分野が多かったが、モデル解析を含めた強度での研究は本邦で初めてである。
(2) 研究成果の学術的・国際的・社会的意義
 車いす背フレーム強度について、日本も含め欧米でも研究はされていなく、国際学会発表と同時に国際標準化機構ISO7176-8に導入を目指す予定で24年5月に開催されるISO会議で解説する予定である。
 また、国際シーティングシンポジウム(2013年3月米国)への発表を予定している。
臨床的観点からの成果
(1) 研究目的の成果
 座位保持装置を処方するとき、介助者の有無や外出の頻度、そして全身緊張の有無で強度を強化するなどがわかった。
(2) 研究成果の臨床的・国際的・社会的意義
 これらは破損でのヒヤリハットとなる危険性を減少させると同時に、破損による補装具修理費を減少させる、さらに製作技術も向上させる。
ガイドライン等の開発
 現段階で特になし。
その他行政的観点からの成果
厚生労働省座位保持装置完成用部品基準の改定の準備となると同時に改訂案を作成した。
車いすJISでの試験方法導入を予定している。
その他のインパクト
平成22,23年の国際福祉機器展ワークショップおよび24年1月に公開での講習会を開催した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
日本シーティングシンポジウム発表予定
学会発表(国際学会等)
2件
Europian Seating Symposium, Dublin,2011  発表済み, International seating symposium, USA, 2013発表予定
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201122033Z