文献情報
文献番号
200736004A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質の評価におけるカテゴリー・アプローチの高度化に関する研究
課題番号
H17-化学-一般-004
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
林 真(国立医薬品食品衛生研究所変異遺伝部)
研究分担者(所属機関)
- 江馬 眞(国立医薬品食品衛生研究所総合評価研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
33,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
日本では年間約10万種の化学物質が生産されているが、安全性が明らかになっているものは非常に少ない。これらの化学物質の安全情報を得るためには毒性試験を実施する必要があるが、全ての物質について試験を実施するには多大な時間と予算が必要である。そこで、類似した化学物質を一つのカテゴリーに分類し、既存の毒性情報からカテゴリー全体の毒性学的特徴を推測する手法が検討されている。本研究はこのカテゴリーアプローチ手法の開発を目的とする。
研究方法
Japanチャレンジプログラムの候補物質から4-メチル-2-tert-ブチルフェノールを選択し、その構造異性体とのカテゴリー評価の妥当性について検証を行った。また、カテゴリーアプローチにおける毒性プロファイルのデータベース化に関する研究として、肝Transaminaseに影響を及ぼす化合物の抽出作業を行い、データベース化を行った。さらに、カテゴリー評価に関する近年のOECDの活動について調査を実施した。
結果と考察
4-メチル-2-tert-ブチルフェノールの構造異性体については、物理化学的性状、環境運命及び環境毒性に関してはカテゴリーアプローチを適用することが可能と考えられた。しかし、ヒト健康影響に関しては、5-メチル-2-tert-ブチルフェノール以外の物質について信頼できるデータがほとんど得られず、カテゴリーアプローチを適用するためには、反復投与毒性、遺伝毒性、生殖発生毒性等について追加試験を実施する必要があると考えられた。毒性プロファイルのデータベース化に関する研究では、574物質に関するデータベースを作成することができた。OECDの活動に関する研究では、2007年9月に発行されたカテゴリー評価に関するガイダンスドキュメント「Guidance on Grouping of Chemicals」の翻訳を行った。OECDの高生産量既存化学物質点検プロジェクトでは、近年、カテゴリー評価が非常に大きな位置を占めており、その重要性が益々増大していることが明らかになった。
結論
4-メチル-2-tert-ブチルフェノールの構造異性体にカテゴリーアプローチを適用するためには、ヒト健康影響について追加試験を実施する必要があることが明らかになった。肝Transaminaseへの影響について574物質に関するデータベースを作成することができた。OECDの高生産量既存化学物質点検プロジェクトでは、近年、カテゴリー評価が非常に大きな位置を占めており、その重要性が益々増大していることが明らかになった。
公開日・更新日
公開日
2008-05-01
更新日
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