保健・医療・福祉領域の安全質保証に貢献する看護マスターの統合質管理システムと高度専門看護実践を支援するシステム開発研究

文献情報

文献番号
200732023A
報告書区分
総括
研究課題名
保健・医療・福祉領域の安全質保証に貢献する看護マスターの統合質管理システムと高度専門看護実践を支援するシステム開発研究
課題番号
H17-医療-一般-026
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
水流 聡子(東京大学 工学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 川村佐和子(青森県立保健大学)
  • 宇都由美子(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科)
  • 飯塚 悦功(東京大学・大学院工学系研究科)
  • 棟近 雅彦(早稲田大学理工学術院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
7,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
看護実践用語標準マスター改善のためのPDCAサイクルを用いた臨床看護知識の構造化を目的とした.
研究方法
看護行為マスター第1版のウェブ公開によって収集される評価をもとに、改善を図る。看護観察マスター評価版の細かいミスを抽出し、精緻化を図る。学会・研修会で評価を受けた.高度専門看護実践は、思考・運用プロセスを洗練化し、最終的な表記法を確定し、再度構造的に可視化した.電子カルテ搭載のための方法論を検討した.
結果と考察
MEDIS-DCおよび研究班のwebsiteを参照・必要なダウンロードが可能な状況になっている.研究・教育面での活用も学会発表等にみられるようになってきたことから,当該領域での利用が進むと思われる.
すでに導入時から当該マスターを利用している病院や,途中で看護マスターを切り替える病院がでていることから,今後もメンテナンス体制が構築されている当該マスターの利用は進むと思われる.
電子カルテの計画系を設計している「患者状態適応型パス統合システム」で開発・使用される電子コンテンツ内で,当該看護マスターが活用される.また,そのコンテンツを用いた看護コスト算出等に応用されることが期待される.
紙記録の中でも,用語標準化は重要であり,観察・ケア行為の指示・記録用語として活用されはじめている.
最後に,新人看護師の教育への活用・医療安全の視点からの継続的・重点的観察および観察記録への利用が可能と考えられる.
結論
看護行為マスター・看護観察マスターの精緻化を行い,web公開を実現した.それらマスターによる臨床教育への有効性が示唆された.また,電子カルテ上での展開を考慮し,がん性疼痛マネジメントシステムのプロトタイプシステムを構築した.
海外とのマスター比較の可能性が示唆され,今後の課題として挙げられた.

公開日・更新日

公開日
2008-04-21
更新日
-

文献情報

文献番号
200732023B
報告書区分
総合
研究課題名
保健・医療・福祉領域の安全質保証に貢献する看護マスターの統合質管理システムと高度専門看護実践を支援するシステム開発研究
課題番号
H17-医療-一般-026
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
水流 聡子(東京大学 工学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 中西 睦子(国際医療福祉大学)
  • 川村佐和子(青森県立保健大学)
  • 宇都由美子(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科)
  • 石垣 恭子(兵庫県立大学大学院)
  • 坂本 すが(東京医療保健大学)
  • 村上 睦子(日本赤十字看護大学)
  • 佐藤 エキ子(聖路加国際病院)
  • 井上 真奈美(山口県立大学)
  • 渡邊 千登世(さいたま市立総合病院)
  • 飯塚 悦功(東京大学・大学院工学系研究科)
  • 棟近 雅彦(早稲田大学理工学術院)
  • 戸塚 規子(京都橘大学看護学部看護学科)
  • 福井 トシ子(杏林大学医学部付属病院)
  • 佐山 静江(独協医科大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
看護行為マスタ-の開発、観察マスタ-の開発、個々の高度専門看護実践における思考・運用プロセスの構造的な可視化を目的とした.
研究方法
1)看護実践用語標準マスターをホームページで公開し,使用者からの評価を受け,改善の方法を検討する.
2)看護記録整備に向けて,看護実践標準用語マスターとの病院独自の看護マスターとのマッチングを行い,標準用語導入プロセスに関する知見を得る.
3)各種プログラムドケアのケアアルゴリズムの表記方法を開発する.そのうえで各種領域でケアアルゴリズムを作成し,開発と電子化に関する知見を獲得する.
4)海外との看護用語との比較研究の可能性を検討
結果と考察
1)看護実践用語標準マスターの質を保証するメンテナンスのしくみの設計
看護実践用語標準マスターは、評価版の公開から3回のリリースを経て、現在Ver.1.2を公開し、看護行為編についても、Ver.1.0公開から3回のリリースを経て、現在Ver.2.2を公開するにいたった.
その中で,看護観察編と看護行為編の整合させる作業などメンテナンスが必要であることが明らかとなり,その方法論を検討.手順を決定した.また,そのような検討を通じて,部位・位相マスターなど,必要であるマスターが存在しないことが判明した.
 既存のマスターとの接合も課題として明らかになった.たとえば,有害事象共通用語基準v3.0日本語訳JCOG/JSCO版と看護実践用語標準マスター(看護観察編)の関連性などが挙がる.
2)看護観察の質向上と看護師の観察力量向上のために,某病院において看護標準観察用語集の作成を行った.看護記録整備に向けて,MEDIS看護実践標準用語マスター(看護観察編・看護行為編)との自病院の看護マスターとのマッチングを行い,標準用語導入プロセスに関する知見を得た.
3)現在までに,12のケアアルゴリズムが精緻化されて完成している.がん性疼痛マネジメントは,電子システのプロトタイプを開発した.
4)フィンランド・スコットランドなどの看護用語との比較研究の可能性を検討した.今後,開発したマスターの国際比較などを行うことが課題として挙げられる.
結論
看護行為マスター・看護観察マスターのブラッシュアップがなされ、web公開による配布を実現した.また,それらのマスターを用いた応用展開が進められ,臨床現場での実用と応用が確認された.
ケアアルゴリズムの開発を進めた結果,12のアルゴリズムが開発された.そのうちのがん性疼痛マネジメントは,プロトタイプが構築された.

公開日・更新日

公開日
2008-04-21
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200732023C