都道府県等の生活習慣病リスク因子の格差及び経年モニタリング手法に関する検討

文献情報

文献番号
200722020A
報告書区分
総括
研究課題名
都道府県等の生活習慣病リスク因子の格差及び経年モニタリング手法に関する検討
課題番号
H18-循環器等(生習)-一般-037
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
吉池 信男(独立行政法人国立健康・栄養研究所 国際産学連携センター)
研究分担者(所属機関)
  • 下光 輝一(東京医科大学 公衆衛生学)
  • 田嶼 尚子(東京慈恵会医科大学 内科学)
  • 中村 雅一(大阪府立健康科学センター 脂質基準分析室)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院 技術評価部)
  • 由田 克士(国立健康・栄養研究所 国民健康・栄養調査プロジェクト)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
都道府県健康増進計画を充実強化することが急務となっており、計画策定及び評価のためには都道府県別に質の高いデータを収集し、相互比較及び経年変化の追跡を行うことが求められていることから、関連の研究及び手法の開発、データの利活用の検討を行うことを目的とする。
研究方法
以下の点について検討を行った。
1)運動、喫煙・飲酒等リスク行動評価の検討:①生活活動時間調査マニュアルの実証的検討、②身体活動関連調査の調査項目についての妥当性検討 2)メタボリックシンドローム関連指標の検討:①HbA1cの日常測定値と真値のずれに関する検討、②腹囲測定における腹部直接測定と着衣測定の比較、③糖尿病、IGTへの進展予測からみた特定健診の意義の検討 3)血液検査の標準化手法及び都道府県の相互比較・経年変化 4)行政による健康・栄養調査の精度向上を目指した保健所栄養士等を対象とする技術支援、5)都道府県健康・栄養調査の実態に関する検討 6)国民健康・栄養調査を活用した健康及び栄養水準に係る都道府県別ベンチマーク指標の検討
結果と考察
身体活動重点調査項目と既存の質問紙(JALAPAQ)や加速度計による評価を比較するために地域住民を対象とした調査を行い、データ収集を進めた。CVDリスクの特徴、5年間追跡時のIGT・糖尿病への進展発率を比較した結果、「特定健診・保健指導」はこれら進展者の4割を抑制することが示唆された。都道府県が独自に血液検査を依頼しているケースは47都道府県中の25例、都道府県では依頼していないケースは22例、SRL以外に委託している府県は4件であるが、日本医師会の臨床検査精度管理調査に参加していることから、経年変化の追跡は可能と考えられた。国及び都道府県の健康・栄養調査において、栄養摂取状況調査の精度向上と調査時間を短縮するためのツール(「標準的図版」)を試作し、国民健康・栄養調査において有効性のトライアルを行った。国民健康・栄養調査データ及び都道府県民健康・栄養調査をデータソースとして、都道府県指標データ資料集を刊行した。
結論
本研究により、都道府県における調査の技術的基盤の充実・強化、及び疫学的評価技術の向上を図ることが期待される。その上に収集されたデータについて、コアとなる指標のデータベース化・HPによる公開によりデータの利活用が促進されると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2008-04-21
更新日
-