「在宅および施設における要介護・要支援高齢者に必要な介護サービス量を推定するモデルの開発に関する研究」

文献情報

文献番号
200718064A
報告書区分
総括
研究課題名
「在宅および施設における要介護・要支援高齢者に必要な介護サービス量を推定するモデルの開発に関する研究」
課題番号
H19-長寿-一般-013
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
筒井 孝子(国立保健医療科学院福祉サービス部)
研究分担者(所属機関)
  • 宮野 尚哉(立命館大学理工学部)
  • 中嶋 和夫(岡山県立大学保健福祉学部)
  • 三島 和夫(国立精神神経センター精神保健研究所)
  • 東野 定律(国立保健医療科学院福祉サービス部)
  • 大井田 隆(日本大学医学部)
  • 遠藤 英俊(国立長寿医療センター包括診療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
要支援、要介護高齢者の新高齢者タイプ別介護・看護・リハビリテーション等の介護保険サービス提供状況の実態を把握することを目的とした。
研究方法
要支援・要介護高齢者における状態情報等のデータを分析し、介護給付と予防給付のいずれが望ましいと考えられるかの判定方法に関する委員会を設置し、判定プログラムを開発した。また介護および予防重視群別に具体的なケア提供内容別提供時間の分析を行った。
結果と考察
① 介護保険施設等に入所している要介護・要支援高齢者に提供された介護サービス量を1分間タイムスタディ調査結果から明らかにした。
② 収集された要介護・要支援高齢者の状態像を示すデータを分析し、新たな高齢者分類4分類(高齢者分類1から4)をつくった。
③ 予防給付を受けることによって、状態の改善が示される可能性があると考えられる予防重視群を判別する方法についての数学的なモデルをつくった。
④ 判別された介護重視群に対して、どのような介護や看護、リハビリテーションがどのくらい行われていたかを明らかにした。
⑤ 介護重視群を新しい高齢者分類によって分類し、この分類別に介護内容および提供されていた時間を分析し、さらに、介護内容別発生率とその提供時間を時間帯別に分析した。
⑥ 予防重視群となった高齢者の基本属性や状態像と介護重視群との違いを明らかにした。
⑦ 予防重視群に提供されていた介護・看護・リハビリテーション等の内容とその時間について介護重視群と比較して、その差異を明らかにした。
⑧高齢者の要介護度の悪化に大きな影響を及ぼす認知症のリスクファクターとして着目されつつある、高齢者の不眠に関しての基礎的な資料の収集を行い、主に要介護高齢者における不眠の実態を明らかにした。
これらの結果より、予防重視群と介護重視群の特性とこれらに提供されていた介護や看護の実態が明らかにされたことから、今後今回つくった状態改善を予測するモデルを適用し、実際に介入する群を設定することによって、このモデルの妥当性を検証すべきと考えられる。
結論
本研究で示した予防重視群と介護重視群の判別であるが今後より大量のデータで、その妥当性を検証し、現行の介護保険制度における要介護認定の一次判定ロジックに活用されることが望まれる。したがって、本研究の成果を20年度実施される予定の国のモデル事業で利用される予定の認定ロジックに提供し、判別の妥当性を臨床的に評価されることが必要と考える。

公開日・更新日

公開日
2008-11-14
更新日
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