文献情報
文献番号
200712001A
報告書区分
総括
研究課題名
生体内超音波ナノ・イメージング法の開発
課題番号
H17-ナノ-一般-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
西條 芳文(東北大学加齢医学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 穂積 直裕(愛知工業大学)
- 小林 和人(本多電子株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本プロジェクトの目的は、組織を採取せずに体内でナノレベルの組織診断を行う低侵襲的検査方法を実現するために、周波数1.2GHzの超音波を生体組織上で2次元スキャンし、組織表面からの超音波の反射強度を画像化する生体内超音波ナノ・イメージング法を開発することである。具体的には、高周波数帯域の超音波振動子、広帯域高周波数パルス発生装置、高精度スキャナーを開発し、臨床応用を念頭に置いた形状に一体化した装置を完成させ、定量的信号解析および画像解析を行うことが研究期間内の目的である。
研究方法
ナノスケールにおよぶ超音波生体イメージングを可能とするため、最大1.2GHz程度まで拡がる広帯域超音波パルス波形の送受を想定したシステムの概念設計を行った。ZnO圧電薄膜材料を用いることにし、センサーの開発を行なった。高速電子スイッチを用いたパルス発生器により、立ち上がり400ps以下、パルス幅2ns程度、先頭値20?40V程度の電気パルスを発生させた。音響インピーダンスが既知のプラスティック板を基板とし、その上に観察対象と解析の際必要となる参照物質を同視野になるように置き、広帯域音響パルスを基板の裏側から送波し、反射波形を取り込みながら振動子を平面走査することで、ナノ・レベルのイメージングを実現した。
結果と考察
生きたマウスの肝臓を露出させ、作製したシステムにより観察を行った。細胞1個の可視化が可能であり、当初目的としたナノ・イメージングが実現できた。培養グリア細胞の超音波ナノ・イメージング画像については、アストロサイトの突起とひだ上偽足(ラメリポディア)など、グリア細胞の特徴を示す形状が現われており、光学顕微鏡による観察結果と形態学的によく一致する画像となった。
結論
生体組織にプラスティック板を接触させるだけで、in vivoにおいて細胞レベルのイメージングが可能となった。
本方式により、超音波顕微鏡研究は研究室レベルから臨床レベルへと一気に発展し、特に脳神経外科や心臓の外膜側など、術前の組織診断が難しい領域の術中診断への応用により、より多くの国民の健康に福音をもたらすものと考えられた。
本方式により、超音波顕微鏡研究は研究室レベルから臨床レベルへと一気に発展し、特に脳神経外科や心臓の外膜側など、術前の組織診断が難しい領域の術中診断への応用により、より多くの国民の健康に福音をもたらすものと考えられた。
公開日・更新日
公開日
2008-04-21
更新日
-