アレルギー疾患の治療反応性予測因子の確立及びテーラーメイド治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200631003A
報告書区分
総括
研究課題名
アレルギー疾患の治療反応性予測因子の確立及びテーラーメイド治療法の確立に関する研究
課題番号
H16-免疫-一般-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 直実(岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学)
研究分担者(所属機関)
  • 秋山 一男(独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
  • 大田 健(帝京大学医学部内科学)
  • 赤澤 晃(国立成育医療センター総合診療部)
  • 山口 悦郎(愛知医科大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科)
  • 松井 永子(岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学)
  • 海老澤 元宏(独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
  • 藤澤 隆夫(独立行政法人国立病院機構三重病院臨床研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
29,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の増加が大きな社会問題になっている。従ってこれらに対する適格な対策の確立が急務である。本研究の目的は、①アレルギー疾患の病因・病態および治療反応性予測因子を系統的に検出できる遺伝子診断キット及びDNAチップ(アレイ)を中心とする診断システムを開発すること。─このためには病因・病態・薬剤反応性解析の蓄積が重要である。②その診断をもとにして各病因・病態に合致したテーラーメイド治療法を確立すること。─このためには新たな創薬も必要である。
研究方法
主に個々の気管支喘息患者の発症病因、病態、成立機序の個々の部位に対する抗アレルギー薬・抗喘息薬のテーラーメイド治療法の確立のためのEBMを検討した。
結果と考察
本年度の研究成果から、次の点が確認できた。(1)アレルギーの病因・病態の系統的解析にもとづいてアレルギー(アトピー)を遺伝子学的に分類し、これに基づいて遺伝子検出キットをインベーダーアッセイ法を利用し、確立できた。(2)遺伝子発現変化を系統的に検出するためのDNAチップ(アレイ)の開発が進められた。(3)抗アレルギー薬、抗喘息薬について吸入ステロイド薬、テオフィリン製剤、ロイコトリエン受容体拮抗薬、Th2サイトカイン抑制薬について、治療反応予測因子、中止予測因子について検討し、画期的成果が得られた。食物アレルギーについても検討した。(4)気管支喘息のテーラーメイド治療管理法のための手引きを作成した。(5)テーラーメイド治療のための創薬がタンパク解析により可能であることが示された。
結論
気管支喘息のテーラーメイド治療管理法のための手引きを作成した。

公開日・更新日

公開日
2007-07-13
更新日
-

文献情報

文献番号
200631003B
報告書区分
総合
研究課題名
アレルギー疾患の治療反応性予測因子の確立及びテーラーメイド治療法の確立に関する研究
課題番号
H16-免疫-一般-004
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 直実(岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学)
研究分担者(所属機関)
  • 近藤 直実(岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学)
  • 秋山 一男(独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
  • 大田 健(帝京大学医学部内科学)
  • 赤澤 晃(国立成育医療センター総合診療部)
  • 山口 悦郎(愛知医科大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科)
  • 海老澤 元宏(独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
  • 藤澤 隆夫(独立行政法人国立病院機構三重病院臨床研究部)
  • 松井 永子(岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の増加が大きな社会問題になっている。従ってこれらに対する適格な対策の確立が急務である。本研究の目的は、
①アレルギー疾患の病因・病態および治療反応性予測因子を系統的に検出できる遺伝子診断キット及びDNAチップ(アレイ)を中心とする診断システムを開発すること。─このためには病因・病態・薬剤反応性解析の蓄積が重要である。
②その診断をもとにして各病因・病態に合致したテーラーメイド治療法を確立すること。─このためには新たな創薬も必要である。
研究方法
主に個々の気管支喘息患者の発症病因、病態、成立機序の個々の部位に対する抗アレルギー薬・抗喘息薬のテーラーメイド治療法の確立のためのEBMを検討した。
結果と考察
本研究から、画期的成果が幾つか得られた。
(1)アレルギーの病因・病態解析をもとにして、さらに遺伝子相互間作用と遺伝子・環境相互作用の検討も含めて新たにアレルギー(アトピー)の遺伝子学的分類が確立され、さらに個々の異常部位を系統的に診断あるいは予測できる遺伝子診断キットが確立できた。
(2)DNAチップ(アレイ)が開発できた。
(3)画期的成果が幾つも得られたので、特に既存の薬剤(抗アレルギー系、吸入ステロイド系など)の適格な使用方法(中止時期決定因子の解明を含む)が明らかにされてきたので、その病因・病態に合致したテーラーメイド治療管理法の基礎が確立できた。この成果をもとに「気管支喘息のテーラーメイド治療管理法のための手引き」が作成された。
(4)近い将来、適格な診断・治療法の確立により医療効果が上昇し、患者の治癒軽快率の向上、QOLの向上、医療費の節減にもとづいて社会問題の解決が図れる。
(5)テーラーメイド治療のための創薬がタンパク解析により可能であることが示された。
結論
本研究により「気管支喘息のテーラーメイド治療管理法のための手引き」が作成された。
今後、「アレルギーのテーラーメイド治療管理ガイドライン」を確立し、一般に普及し、QOLの向上、社会への貢献を進める。

公開日・更新日

公開日
2007-07-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-12-17
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200631003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
アレルギーの病因・病態解析をもとにして、さらに遺伝子相互間作用と遺伝子・環境相互作用の検討も含めて新たにアレルギー(アトピー)の遺伝子学的分類が確立され、さらに個々の異常部位を系統的に診断あるいは予測できる遺伝子診断キットが確立できた。その成果をもとにテーラーメイド医療の開発が進められた。
臨床的観点からの成果
画期的成果が幾つも得られたので、特に既存の薬剤(抗アレルギー系、吸入ステロイド系など)の適格な使用方法(中止時期決定因子の解明を含む)が明らかにされてきたので、その病因・病態に合致したテーラーメイド治療管理法の基礎が確立できた。この成果をもとに「気管支喘息のテーラーメイド治療管理法のための手引き」が作成された。
ガイドライン等の開発
画期的成果が幾つも得られたので、特に既存の薬剤(抗アレルギー系、吸入ステロイド系など)の適格な使用方法(中止時期決定因子の解明を含む)が明らかにされてきたので、その病因・病態に合致したテーラーメイド治療管理法の基礎が確立できた。この成果をもとに「気管支喘息のテーラーメイド治療管理法のための手引き」が作成された。
その他行政的観点からの成果
近い将来、適格な診断・治療法の確立により医療効果が上昇し、患者の治癒軽快率の向上、QOLの向上、医療費の節減にもとづいて社会問題の解決が図れる。
その他のインパクト
Nikkei Medical 450 (5), 49-50 小児アレルギー治療の現況と未来を考える 特別講演-1 小児気管支喘息のテーラーメイド治療をめざして(平成17年5月10日)、NHK サイエンスZERO(平成19年2月13日)およびNHKクローズアップ現代(平成19年3月8日)で紹介された。

発表件数

原著論文(和文)
8件
原著論文(英文等)
31件
その他論文(和文)
14件
その他論文(英文等)
20件
学会発表(国内学会)
47件
学会発表(国際学会等)
10件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計4件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Yoshikawa K, Matsui E, Inoue R et al.
Urinary leukotriene E4 and 11-dehydro-thromboxane B2 excretion in children with bronchial asthma.
Allergology International , 53 , 127-134  (2004)
原著論文2
Yamamoto, Y,Kato Z, Matsukuma E, et al.
Generation of highly stable IL-18 based on a ligand-receptor complex structure.
Biochem Biophys Res Commun , 317 , 181-186  (2004)
原著論文3
Omoya K, Kato Z, Matsukuma E et al.
Systematic optimization of active protein expression using GFP as a folding reporter.
Protein Expr Purif , 36 , 327-332  (2004)
原著論文4
Matsukuma E, Kato Z, Omoya K et al.
Development of fluorescence linked immunosorbent assay (FLISA) for high throughput screening (HTS) of interferon-gamma.
Allergology International , 55 , 49-54  (2006)
原著論文5
Kobayashi M, Nasuhara Y, Kamachi A et al.
Role of macrophage migration inhibitory factor in ovalbumin-induced asthma in rats.
Eur Respir J , 27 (1) , 1-9  (2006)
原著論文6
Tatebayasi K, Matsui E, Kaneko H et al.
IL-12B promoter polymorphism associated with asthma and IL-12B transcriptional activity
Allergol Int , 54 , 451-459  (2005)
原著論文7
Yoshikawa K, Matsui E, Kaneko H et al.
A novel single-nucleotide substitution, Glu 4 Lys, in the leukotriene C4 synthase gene associated with allergic diseases
Int J Mol Med , 16 , 827-831  (2005)
原著論文8
Kondo M, Suzuki K, Inoue R, et al.
Characterization of T-cell clones specific to ovomucoid from patients with egg-white allergy
J Investig Allergol Clin Immunol , 15 , 107-111  (2005)
原著論文9
Akahashi M, Obara K, Hirota T, et al.
Functional promoter polymorphism in the TBX21 gene associated with aspirin-induced asthma.
Hum Genet , 117 (1) , 16-26  (2005)
原著論文10
Meng J, Thongngarm T, Nakajima M, et al.
Association of transforming growth factor-beta1 single nucleotide polymorphism C-509T with allergy and immunological activities.
Int Arch Allergy Immunol , 138 (2) , 151-160  (2005)
原著論文11
Kaneko H, Matsui E, Asano T,et al.
Suppression of IFN-gamma production in atopic group at the acute phase of RSV infection.
Pediatr Allergy Immunol. , 17 , 370-375  (2006)
原著論文12
Teramoto T, Fukao T, Tomita Y, et al.
Pharmacokinetics of Beclomethasone Dipropionate in an Hydrofluoroalkane-134a Propellant System in Japanese Children with Bronchial Asthma.
Allergology International , 55 , 317-320  (2006)
原著論文13
Kondo N, Katsunuma T, Odajima Y, et al.
A Randomized Open-Label Comparative Study of Montelukast Versus Theophlline Added to Inhaled Corticosteroid in Asthmatic Children.
Allergology International , 55 , 287-293  (2006)
原著論文14
Meng J, Thongngarm T, Nakajima M, et al.
Association of Transforming Growth Factor-beta1 Single Nucleotide Polymorphism C-509T with Allergy and Immunological Activities.
Int Arch Allergy Immunol , 138 , 151-160  (2005)
原著論文15
Yamashita N, Tashimo H, Matsuo Y, et al.
Role of CCL21 and CCL19 in allergic inflammation in the ovalbumin-specific murine asthmatic model.
J Allergy Clin Immunol , 117 , 1040-1046  (2006)
原著論文16
Maeda Y, Hizawa N, Jinushi E, et al.
Polymorphisms in the muscarinic receptor 1 gene confer susceptibility to asthma in Japanese subjects.
Am J Respir Crit Care Med , 174 , 1119-1124  (2006)
原著論文17
Tamaki K, Kakinuma T, Saeki H, et al.
Serum levels of CCL17/TARC in various skin diseases.
J Dermatol , 33 , 300-302  (2006)
原著論文18
海老澤元宏
食物アレルギーへの対応について─厚生労働科学研究班による「食物アレルギーの診療の手引き2005」─
アレルギー , 55 , 107-114  (2006)
原著論文19
池田有希子,今井孝成,杉崎千鶴子,田知本寛,宿谷明紀,海老澤元宏
食物アレルギー除去食中の保護者に対する食生活のQOL調査および食物アレルギー児の栄養評価
日本小児アレルギー学会誌 , 20 , 119-126  (2006)
原著論文20
藤澤隆夫
乳幼児のケモカイン-アレルギー疾患発症メカニズムとのかかわり
アレルギー科 , 21 , 612-616  (2006)

公開日・更新日

公開日
2015-06-30
更新日
-