健やか親子21の推進のための乳幼児健診等の機会を活用した家族の望ましい健康生活習慣形成に関する研究

文献情報

文献番号
200620004A
報告書区分
総括
研究課題名
健やか親子21の推進のための乳幼児健診等の機会を活用した家族の望ましい健康生活習慣形成に関する研究
課題番号
H16-子ども-一般-003
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
水嶋 春朔(国立保健医療科学院人材育成部)
研究分担者(所属機関)
  • 武見 ゆかり(女子栄養大学栄養学部)
  • 土井 由利子(国立保健医療科学院)
  • 佐藤 加代子(国立保健医療科学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
1,152,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、母子保健事業である母子健康手帳交付、乳幼児健診(3ヶ月児健診、1歳6ヶ月児健診、3歳児健診)の機会を活用して、子どもの両親などの家族の健康習慣形成および変容に寄与する有効な手法を開発することにある。
研究方法
平成18年度は平成17年度にベースライン調査を実施した10自治体の内4自治体の協力を得て、17年度ベースライン調査協力者に対する郵送法自記式アンケート調査を実施した。各乳幼児健診時には、参加者の一部に健康教育の視聴覚教材の(DVD・ビデオ)を視聴してもらった。視聴覚教材の(DVD・ビデオ)を視聴をしたグループを介入群として、視聴をしていないグループを対照群とした。
結果と考察
母子手帳交付時には、ビデオ視聴の機会を得た該当者がなかったが、パンフレットを見た割合は、75.0%であった。3・4ヶ月児健診時では、パンフレットを見た割合は、介入群40.4%、対照群49.4%、ビデオを見た割合は介入群8.3%、対照群5.5%であった。1歳6ヶ月児健診時では、パンフレットを見た割合は、介入群43.8%、対照群39.1%、ビデオを見た割合は介入群5.1%、対照群3.0%であった。3歳児健診時では、パンフレットをみた割合は、介入群46.3%、対照群42.1%、ビデオを見た割合は介入群2.5%、対照群1.9%であった。
平成17年度の回答と平成18年度の追跡調査での回答の変化について、各項目ごとに検討した。育児に関する不安や悩みの有無については、介入群の方が増え方が多かった。喫煙率の問で「毎日吸う」と回答したものの割合は、介入群のほうが減り方が多かった。3歳児健診時では、「毎日吸う」と回答したものの割合は、介入群のほうが増え方が多かった。
ストレスの有無については、「たびたびあった」と回答したものの割合は、1歳6ヶ月児健診時、介入群のほうが増え方が多かった。3歳児健診時では、母親では介入群-1.0%、対照群-1.5%、父親では、介入群2.7%、対照群-3.6%であった。
結論
介入群と対照群での差異の比較検討から、視聴覚教材(ビデオ・DVD)による教育効果は明らかではなかったが、個別に配布した健康教育パンフレットは記憶に残りやすかった。

公開日・更新日

公開日
2007-04-12
更新日
-

文献情報

文献番号
200620004B
報告書区分
総合
研究課題名
健やか親子21の推進のための乳幼児健診等の機会を活用した家族の望ましい健康生活習慣形成に関する研究
課題番号
H16-子ども-一般-003
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
水嶋 春朔(国立保健医療科学院人材育成部)
研究分担者(所属機関)
  • 武見ゆかり(女子栄養大学栄養部)
  • 土井 由利子(国立保健医療科学院疫学部)
  • 佐藤 加代子(国立保健医療科学院生涯保健部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、母子保健事業である母子健康手帳交付、乳幼児健診(3ヶ月児健診、1歳6ヶ月児健診、3歳児健診)の機会を活用した子どもの両親などの家族の健康習慣を把握し、よい健康習慣の形成に寄与する手法を開発し、母子保健事業を活用したポピュレーション・ストラテジーとしての有効性を評価するものである。
研究方法
平成16年度の研究においては、平成17年・18年度のベースライン調査およびフォローアップ調査において使用する簡易質問票の開発に取り組んだ。
平成17年度には、10自治体の協力を得て、母子健康手帳交付時、乳幼児健診(3ヶ月児健診、1歳6ヶ月児健診、3歳児健診)に参加した総計2,675人の妊婦あるいは児の親を対象に自記式調査を実施し、育児中の親の食行動、栄養摂取、ストレス、睡眠、疲労などについてベースライン調査を行った。参加者の一部に健康教育の視聴覚教材の(DVD・ビデオ)を視聴してもらった。
平成18年度は、平成17年度にベースライン調査を実施した10自治体の内4自治体の協力を得て、17年度ベースライン調査協力者に対する郵送法自記式アンケート調査を実施した。対象者は3,258名(介入群1,136名、対照群2,122名)であった。
結果と考察
予備調査結果から、児の食行動・食形態の発達が、親自身の食生活を振り返り、変容することにつながっていると考えられ、子育て世代の食生活改善のためには、母子保健事業の機会をとらえて親に働きかけることの必要性と有効性が改めて示唆された。
乳幼児突然死症候群や誤飲の予防に関連して、室内喫煙の危険は明らかであるにも係らず、喫煙者が比較的多いことが明らかになった。健全な養育環境の整備の一環として、母子保健事業を通して、室内禁煙、親の禁煙支援につながるようなアプローチの必要性が示唆された。
視聴覚教材を用いた健康教育において、パンフレットをみた群において、両親自身の健康状態や食生活、睡眠などの生活習慣に対しての一定の効果が認められた。育児に関する不安やストレスの解消に対する効果は認められなかったが、ビデオをみた群にて改善傾向を認めており、ビデオ教材の可能性が示唆された。
結論
乳幼児健診参加者などに対する健康な生活習慣形成に関する効果的なアプローチ方法の開発の必要性が示唆された。
パンフレットやDVDを用いた健康的な生活習慣形成に関するアプローチ効果を検証し、両親自身の基本的な生活習慣に関する一定の効果が認められた。

公開日・更新日

公開日
2008-03-12
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200620004C

成果

専門的・学術的観点からの成果
母子保健事業である母子健康手帳交付、乳幼児健診(3ヶ月児健診、1歳6ヶ月児健診、3歳児健診)の機会を活用した子どもの両親などの家族の健康習慣を把握し、よい健康習慣の形成に寄与する手法を開発し、9割以上の高い参加率がある母子保健事業を活用したポピュレーション・ストラテジーとしての有効性を評価することを目的として実施した。
臨床的観点からの成果
特になし
ガイドライン等の開発
特になし
その他行政的観点からの成果
妊娠あるいは育児中の両親の特徴的生活習慣を把握するための食行動、栄養摂取、ストレス、睡眠、疲労などに関する妥当性の立証されている質問項目を中心とした質問票(各時期用4頁)を作成し、予備調査を実施し、質問票の妥当性評価を行った。児の食行動・食形態の発達が、親自身の食生活を振り返り、変容することにつながっていると考えられ、子育て世代の食生活改善のためには、母子保健事業の機会をとらえて親に働きかけることの必要性と有効性が、改めて示唆された。
その他のインパクト
育児中の親の食行動、栄養摂取、ストレス、睡眠、疲労などについてベースライン調査を10自治体の協力を得て実施し、各乳幼児健診時に使用する健康教育の視聴覚教材の(DVD・ビデオ)を作成し公開した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
乳幼児健診等の機会を活用した家族の望ましい健康生活習慣形成に関する研究 第64回日本公衆衛生学会総会、札幌、2005、10.日本公衆衛生雑誌、52(8特別附録)660、2005.
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-11
更新日
-