高齢者の運動による健康増進に関する学術論文の系統的レビューとそれに基づく文献データベースの作成

文献情報

文献番号
200500284A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者の運動による健康増進に関する学術論文の系統的レビューとそれに基づく文献データベースの作成
課題番号
H17-長寿-020
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
田畑 泉(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 健康増進研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 田中茂穂(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 健康増進研究部)
  • 高田和子(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 健康増進研究部)
  • 宮地元彦(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 健康増進研究部)
  • 増田和茂(財団法人 健康・体力づくり事業財団)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究 【長寿科学総合研究分野】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
21,298,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、システマテイック・レビュー(運動や身体活動が高齢者の生活習慣病危険因子や介護要因に及ぼす影響に関する学術論文を、欧米ならびに本邦の学術論文データベースから系統的に抽出し、内容を学術的観点から精査・精読する)とエキスパート・レビュー(本邦の専門家による重要文献リストの作成)で得られた文献の内容をまとめ、Web上で公開することを目的とする。
研究方法
1.専門家による重要文献リストの作成(エキスパートレビュー)
 我が国における中堅の体力科学、運動生理学、スポーツ医学専門家に対して、身体活動・運動と健康増進・生活習慣病予防さらにQOLの向上という観点で重要と考えられる文献リスト提出を依頼し、さらにそれについてのフォーマートへの記入及び要約の邦語訳を依頼した。
2.肥満に対する身体活動の影響に関するシステマテイック・レビュー
 PubMedと医学中央雑誌を対象に、2005年4月11日まで、検索式を用い、ヒトを対象とした原著論文に限定し、肥満、骨粗鬆症発症、長寿に関するシステマテイック・レビューを行った。
3.高齢者の運動による健康増進に関する文献データベースの作成
 上記論文について、公開を目的に、文献検索システムは,キーワードの選定,検索画面の作成,フォーマット作成した。
結果と考察
1.18名の専門家が運動と健康増進に関する重要な文献の抽出(448件)とそのリスト作成(専門家レビュー)を行った。
2.15METs・時/週前後が肥満予防という観点からの運動の境界値と考えられた。週に8から25METs・時/週程度の身体活動量で骨折発生が低くなることが明らかとなった。ウォーキングらジョギングの頻度は相対死亡率と密接な相関が見られた
5.高齢者の運動による健康増進に関する文献データベースの作成
 選定された文献は,448本であった。文献中の条件を可能な限り反映できるようキーワード設定等を行い、検索画面は文字を少なく、かつ明確にし、それらの文献の内容が一目で分かるように閲覧用フォーマットを作成した。また,概要に加え専門家によりコメントが記載できるよう配慮した。
結論
①身体活動・運動・体力に関する専門家によるエキスパートレビューの結果、448本の文献が抽出された。②システマテイック・レビューにより肥満,骨粗鬆症,総死亡を予防するための身体活動・運動量・体力が示された。③それらの文献をWeb上に公開する目的で、検索画面及びそのシステムを開発した。

公開日・更新日

公開日
2006-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-09-27
更新日
-