パネル調査(縦断調査)のデータマネジメント方策及び分析に関する総合的システムの開発研究

文献情報

文献番号
200500066A
報告書区分
総括
研究課題名
パネル調査(縦断調査)のデータマネジメント方策及び分析に関する総合的システムの開発研究
課題番号
H16-統計-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
金子 隆一(国立社会保障・人口問題研究所企画部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 統計情報高度利用総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
4,840,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働省は少子化対策策定に必要な情報収集のために、パネル調査(21世紀出生児縦断調査、21世紀成年者縦断調査)を実施しているが、政府統計初のパネル調査としてのデータ管理や分析方法は確立されていなかった。本研究の目的は、パネル型統計データの有効で実際的な管理法と分析法を検討し、そのためのシステムを開発することで、今後も蓄積されるデータに対処し、その有効な分析法の検討・開発を行うことである。
研究方法
本年度は、(1)先行調査事例および分析法のサーベイ・整理と情報提供のためのシステム化、(2)データ管理システムの開発、(3)標本脱落、不詳発生の分析、(4)分析事例(結婚・出生の意識・意欲と行動の関係に関する基礎的分析、地域分析)を通しての課題の検討を行った。
結果と考察
先行調査サーベイの結果は、マスターリストからは調査の記述、各調査からはオリジナルの詳細情報へリンクできる電子媒体システムとして提供できた。分析法の研究では、イベントヒストリー手法の基礎をまとめた。また、マイクロシミュレーションの当該調査への応用の可能性と有効性を検討し、その実施に必要なデータに基づいた標本モデル生成や経時変化をシミュレートする基礎システムを開発した。データ管理については、リレーショナル・データベース・システムの枠組みを応用し、各回・各調査票に対応する多数のデータセットを連携させるシステムを開発した。標本脱落の分析では、外国人の親、ひとり親、低収入など政策支援を必要とする可能性のある層に脱落がみられた。不詳回答発生の検討の結果、出生児調査では、1月と7月の両調査間でも不詳発生の仕方に違いが見られた。
分析事例からは多数の有用な結果が得られ、全てを挙げることはできないが、出生と配偶関係の変化に関して、前年の調査時点で妊娠していたケースを含む場合と含まない場合で、各種指標がどの程度異なるかが明らかになった、結婚意欲に関する分析では、男女とも同棲している場合に意欲が高いが、それ以外では、女性では両親と同居する場合に高いとの結果が得られたことなどがその例である。
結論
本研究を通して、多くの知識、知見を得るとともに、パネル調査に適したデータ管理システムを開発することができた。この成果は、次世代の健全育成や少子化傾向等の国民生活の動態とそのメカニズムの解明に寄与し、諸施策の策定に資することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2006-07-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-09-27
更新日
-

文献情報

文献番号
200500066B
報告書区分
総合
研究課題名
パネル調査(縦断調査)のデータマネジメント方策及び分析に関する総合的システムの開発研究
課題番号
H16-統計-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
金子 隆一(国立社会保障・人口問題研究所企画部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 統計情報高度利用総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働省は少子化対策策定に必要な情報収集のために、パネル調査(21世紀出生児縦断調査、21世紀成年者縦断調査)を実施しているが、政府統計初のパネル調査としてのデータ管理や分析方法は必ずしも確立されていなかった。本研究の目的は、パネル型統計データの有効で実際的な管理法と分析法を検討してそのためのシステムを開発し、今後も蓄積されるデータに対処し、その有効な分析法の検討・開発を行うことである。
研究方法
本研究の方法は以下の4つから構成された。1.先行してパネル調査を実施している諸外国におけるデータマネジメント、分析手法の調査研究、文献・資料等のレビュー、2.パネル調査に特有なデータ管理ならびに集計・統計分析を支援するシステムの開発、3.出生児ならびに成年者調査データの特性の把握、とりわけ脱落・不詳等欠損値の性格の把握と対処法の検討、および4.分析事例を通した課題の検討と測定法の検討などの本格的分析への準備である。なお、本事業はすべて有識者の助言を得ながら実施された。
結果と考察
先行調査サーベイでは、主要なパネル調査の情報ベースを作成し、電子媒体システムとして今後の利用が可能なものとした。文献・資料等に基づきデータ管理手法、分析手法の調査・検討を行った。その一つとして、マイクロシミュレーションの当該調査への応用の可能性と有効性を検討し、その実施に必要なデータに基づいた標本モデル生成や経時変化をシミュレートする基礎システムを開発した。データ管理については、リレーショナル・データベース・システムの枠組みを応用し、各回・各調査票に対応する多数のデータセットを連携させるシステムを開発した。これと並行して、すでに実施された出生児ならびに成年者縦断調査データの状況、とりわけ脱落・不詳等の状況を把握し、これらにともなうデータ管理・集計分析上の課題と対処法の検討を行った。最後に、分析段階における課題の検討を行い、また主要なテーマに関する今後の分析の基礎とするため、いくつかの分析事例を提示した。
結論
本研究を通して、多くの知識、知見を得るとともに、パネル調査に適したデータ管理システムを開発することができた。この成果は、次世代の健全育成や少子化傾向等の国民生活の動態とそのメカニズムの解明に寄与し、諸施策の策定に資することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2006-07-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-09-27
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500066C