寝たきり予防を目的とした老年症候群発生予防の検診(「お達者検診」)の実施と評価に関する研究

文献情報

文献番号
200400313A
報告書区分
総括
研究課題名
寝たきり予防を目的とした老年症候群発生予防の検診(「お達者検診」)の実施と評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
吉田 英世(東京都老人総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 金 憲経(東京都老人総合研究所)
  • 吉田 祐子(東京都老人総合研究所)
  • 古名 丈人(東京都老人総合研究所)
  • 杉浦 美穂(東京都老人総合研究所)
  • 新名 正弥(東京都老人総合研究所)
  • 権藤 恭之(東京都老人総合研究所)
  • 湯川 晴美(國學院大学栃木短期大学家政学科)
  • 石崎 達郎(京都大学大学院医学研究科医療経済学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
17,861,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢期での不健康寿命を増大させる原因として老年症候群があげられる。特に地域高齢者においては、転倒(骨折)をはじめ、失禁、低栄養、閉じこもり、睡眠障害、ウツ、や生活機能低下などが代表的な状態である。これらの老年症候群は日々の生活において健康度を低下させ、自立を阻害し、生活の質(QOL)を著しく損なうとともに容易に要介護状態となることは明らかであり、これらの早急な対策が必要となる。このような観点から、我々は高齢者の健康長寿を目的とした「お達者健診」を開発し実施することを企画し実施した。
研究方法
調査対象者は、東京都板橋区在住の70歳以上の在宅高齢者で、平成14年10月~12月に実施した「おたっしゃ健診」に参加した1786名である。健診では、対象者を会場に招待し、医学的健康調査および面接聞き取り調査を実施した。平成16年度は、初回調査に参加した対象者に対して再度「お達者健診」を実施し追跡研究を行なった。
結果と考察
平成16年度の「お達者健診」の追跡調査に参加した者は1145名(追跡率65.1%)であった。また、平成15~16年度に実施された無作為割り付け介入試験(RCT)による介入効果の科学的検証結果を以下に示す。
1)転倒予防介入後の転倒や骨折の発生率を比較した結果、介入群で有意に転倒が抑制された。
2)失禁予防では、介入群で有意に失禁が抑制された。
3)低栄養予防は、完全なRCTではないが、介入群で有意に血清アルブミン値が上昇し栄養状態の改善が認められた。
4)軽症うつ予防においても、介入群でうつの重症度が改善、対照群では悪化し、介入前後で両群の変化に有意差が認められた。
結論
「お達者健診」受診者についてハイリスク高齢者に対し、さまざまな介入プログラムによる対策を実施した結果、転倒、失禁、軽症うつの予防に対しては無作為割り付け介入試験によりその有効性が確認された。今後は、他の老年症候群に対しても同様の手法により科学的エビデンスを積重ねるとともに、自治体や保健所(センター)等で実施できるようマニュアル作成につとめる。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-

文献情報

文献番号
200400313B
報告書区分
総合
研究課題名
寝たきり予防を目的とした老年症候群発生予防の検診(「お達者検診」)の実施と評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
吉田 英世(東京都老人総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 金 憲経(東京都老人総合研究所)
  • 吉田 祐子(東京都老人総合研究所)
  • 古名 丈人(東京都老人総合研究所)
  • 杉浦 美穂(東京都老人総合研究所)
  • 新名 正弥(東京都老人総合研究所)
  • 権藤 恭之(東京都老人総合研究所)
  • 湯川 晴美(國學院大學栃木短期大学家政学部)
  • 石崎 達郎(京都大学大学院医学研究科医療経済学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢期での不健康寿命を増大させる原因として老年症候群があげられる。特に地域高齢者においては、転倒(骨折)をはじめ、失禁、低栄養、閉じこもり、睡眠障害、ウツ、や生活機能低下などが代表的な状態である。これらの老年症候群は日々の生活において健康度を低下させ、自立を阻害し、生活の質(QOL)を著しく損なうとともに容易に要介護状態となることは明らかであり、これらの早急な対策が必要となる。このような観点から、我々は高齢者の健康長寿を目的とした「お達者健診」を開発し実施することを企画し実施した。
研究方法
調査対象者は、東京都板橋区在住の70歳以上の在宅高齢者で、平成14年10月-12月に実施した「おたっしゃ健診」に参加した1786名である。健診では、対象者を会場に招待し、医学的健康調査および面接聞き取り調査を実施した。
平成15年度は、これら「老年症候群」のうち、特に転倒(骨折)、失禁、低栄養、うつおよび生活機能低下の予防などについて身体活動や体力向上を基本とした介入プログラムを可能な限り無作為割り付け介入試験(RCT)の方法によって実施した。
平成16年度は、初回調査に参加した対象者に対して再度「お達者健診」を実施し追跡研究を行なった。
結果と考察
平成16年度の「お達者健診」の追跡調査に参加した者は1145名(追跡率65.1%)であった。また、平成15-16年度に実施された無作為割り付け介入試験による介入効果の科学的検証結果を以下に示す。
1)転倒予防介入後の転倒や骨折の発生率を比較した結果、介入群で有意に転倒が抑制された。
2)失禁予防では、介入群で有意に失禁が抑制された。
3)低栄養予防は、完全なRCTではないが、介入群で有意に血清アルブミン値が上昇し栄養状態の改善が認められた。
4)軽症うつ予防においても、介入群でうつの重症度が改善、対照群では悪化し、介入前後で両群の変化に有意差が認められた。
結論
「お達者健診」受診者についてハイリスク高齢者に対し、さまざまな介入プログラムによる対策を実施した結果、転倒、失禁、軽症うつの予防に対しては無作為割り付け介入試験によりその有効性が確認された。今後は、他の老年症候群に対しても同様の手法により科学的エビデンスを積重ねるとともに、自治体や保健所(センター)等で実施できるようマニュアル作成につとめる。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
-