文献情報
文献番号
201419057A
報告書区分
総括
研究課題名
音声言語機能変化を有する進行性難病等に対するコミュニケーション機器の支給体制の整備に関する研究
課題番号
H25-身体・知的-一般-004
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
井村 保(中部学院大学 看護リハビリテーション学部)
研究分担者(所属機関)
- 巖淵 守(東京大学 先端科学技術研究センター)
- 伊藤 和幸(国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
筋委縮性側索硬化症(ALS)等の進行性神経・筋疾患患者においては、病状の悪化により、携帯用会話補助装置や意思伝達装置を含めた機器本体や入力装置等の変更が必要となってくる。しかし、意思伝達装置等の導入によるコミュニケーションの確保は、身体機能や音声言語機能の医学的評価だけでは十分な評価が出来ないといえる。そのため、社会モデルに基づいた生活的要素を加味した活動障害に対する評価も必要になるが、それが十分に行われていない。
今年度は、昨年度の調査結果について、より詳細な分析を行い潜在化する問題の顕在化を行うとともに、ヒアリング調査等においてもより具体的な課題の確認を行う。これらにより、進行性難病患者(神経筋疾患)に対するコミュニケーション支援体制を、次年度に具体的に検討するための基礎資料の整理を目的とする。
今年度は、昨年度の調査結果について、より詳細な分析を行い潜在化する問題の顕在化を行うとともに、ヒアリング調査等においてもより具体的な課題の確認を行う。これらにより、進行性難病患者(神経筋疾患)に対するコミュニケーション支援体制を、次年度に具体的に検討するための基礎資料の整理を目的とする。
研究方法
1.重度障害者用意思伝達装置にかかる補装具費支給・利用実態の調査
1)厚生労働省が公表する統計データにより各都道府県における補装具費支給実績を集計・比較するとともに、各身体障害者更生相談所への照会により、判定方法や支給機種などの状況の詳細な分析を行う。
2)日本ALS協会会員を対象とした利用実態調の詳細分析や、個別事例の検証から利用上の課題等を考察する。
2.新しい支援技術の社会的評価に関する調査
画像処理技術を用いた非接触入力装置(OAK)を利用し、従来の入力装置適合の比較から有効性と課題を検証する。また、このような新技術の制度化の検討における問題点を、他制度との整合性、海外比較、合理的配慮の視点から考察した。
3.機器の機能や操作方法についての分類検討
「視線入力方式の意思伝達装置の利用実態調査と適用基準の整理」と「パソコン操作向けキーボード・マウス代用装置の機能調査」の2点の課題により検討する。
1)厚生労働省が公表する統計データにより各都道府県における補装具費支給実績を集計・比較するとともに、各身体障害者更生相談所への照会により、判定方法や支給機種などの状況の詳細な分析を行う。
2)日本ALS協会会員を対象とした利用実態調の詳細分析や、個別事例の検証から利用上の課題等を考察する。
2.新しい支援技術の社会的評価に関する調査
画像処理技術を用いた非接触入力装置(OAK)を利用し、従来の入力装置適合の比較から有効性と課題を検証する。また、このような新技術の制度化の検討における問題点を、他制度との整合性、海外比較、合理的配慮の視点から考察した。
3.機器の機能や操作方法についての分類検討
「視線入力方式の意思伝達装置の利用実態調査と適用基準の整理」と「パソコン操作向けキーボード・マウス代用装置の機能調査」の2点の課題により検討する。
結果と考察
1.重度障害者用意思伝達装置にかかる補装具費支給・利用実態の調査
1)視線入力方式などの特補装具費支給実態を明らかにした。また、これまで、意思伝達装置の支給状況は比較しづらいとされていたが、年次変動が大きいが、それは利用者の希少性から生じる変動であり、利用対象期間を想定した3年単位での利用率を比較することで平滑化でき、かつ安定傾向がみられた。さらに、この利用率を用いることで、患者数の差および支給件数の変動を吸収し、変動要因の1つである年次推移を取り除き、地域差の実情を専門職の配置数等との比較検討ができた。
2)日本ALS協会会員を対象とした利用実態調査結果および個別のヒアリングから、視線入力方式だけでなく、IT機器全般に対するコミュニケーション機器としての利用ニーズを定量的に示した
2.新しい支援技術の社会的評価に関する調査
新しい技術を用いる手法として、既存のものと同等の効果が得られる装置でも、利用者によっては、十分な効果が得られないものもあり、その比較方法(一部)を検討した。また、制度対応においては、海外事情や関連他制度を参考に、支援過程の個別性(汎用技術の応用)について論点をまとめた。
3.機器の機能や操作方法についての分類検討
視線入力方式の利用状況が把握できた。または、PCを含めた既存の技術を段階的に組み替えていくことにより、利用者のニーズにあう入力デバイスの提供が可能になるほか、1でまとめた意思伝達装置の導入にむけたIT支援の1つになりうるものいえる。
1)視線入力方式などの特補装具費支給実態を明らかにした。また、これまで、意思伝達装置の支給状況は比較しづらいとされていたが、年次変動が大きいが、それは利用者の希少性から生じる変動であり、利用対象期間を想定した3年単位での利用率を比較することで平滑化でき、かつ安定傾向がみられた。さらに、この利用率を用いることで、患者数の差および支給件数の変動を吸収し、変動要因の1つである年次推移を取り除き、地域差の実情を専門職の配置数等との比較検討ができた。
2)日本ALS協会会員を対象とした利用実態調査結果および個別のヒアリングから、視線入力方式だけでなく、IT機器全般に対するコミュニケーション機器としての利用ニーズを定量的に示した
2.新しい支援技術の社会的評価に関する調査
新しい技術を用いる手法として、既存のものと同等の効果が得られる装置でも、利用者によっては、十分な効果が得られないものもあり、その比較方法(一部)を検討した。また、制度対応においては、海外事情や関連他制度を参考に、支援過程の個別性(汎用技術の応用)について論点をまとめた。
3.機器の機能や操作方法についての分類検討
視線入力方式の利用状況が把握できた。または、PCを含めた既存の技術を段階的に組み替えていくことにより、利用者のニーズにあう入力デバイスの提供が可能になるほか、1でまとめた意思伝達装置の導入にむけたIT支援の1つになりうるものいえる。
結論
支援者は同じ支援者が全ての支援を行う必要は無く、患者の身体機能に応じた段階毎に異なる支援者と支援内容が求められ、その概要が具体的になりつつある。しかし、支援者に対する費用補償が明確でないことや、作業療法士や理学療法士等のリハビリテーション専門職や医師等においては、その役割が十分に認知されていない場合もある。
これらの課題を論点として、次年度はコミュニケーション機器の変更に対応できる貸与制度も含めての供給体制と、その利用を推進するための人的支援の確保と補償を推進する施策について具体的に検討を行う。
これらの課題を論点として、次年度はコミュニケーション機器の変更に対応できる貸与制度も含めての供給体制と、その利用を推進するための人的支援の確保と補償を推進する施策について具体的に検討を行う。
公開日・更新日
公開日
2015-05-20
更新日
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