non-HDL等血中脂質評価指針及び脂質標準化システムの構築と基盤整備に関する研究

文献情報

文献番号
201412044A
報告書区分
総括
研究課題名
non-HDL等血中脂質評価指針及び脂質標準化システムの構築と基盤整備に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-循環器等(生習)-一般-015
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
寺本 民生(帝京大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 三井田 孝(順天堂大学 医学部)
  • 岡村 智教(慶應義塾大学 医学部)
  • 西村 邦宏(独立行政法人国立循環器病研究センター 予防健診部)
  • 山下 静也(大阪大学大学院 医科系研究科)
  • 木山 昌彦(大阪がん循環器病予防センター)
  • 宮本 恵宏(独立行政法人国立循環器病研究センター 予防健診部)
  • 中村 雅一(独立行政法人国立循環器病研究センター 予防健診部)
  • 藤吉 朗(滋賀医科大学 公衆衛生学部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
9,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、(1)わが国におけるnon HDLの冠動脈疾患(CAD)リスクとしての意義をLDL-Cとの比較という観点から疫学手法で検証、(2)どのような条件(患者背景・脂質レベル・採血時間など)で測定した場合にLDL-C直接法が信頼できるのか、(3)高脂血症のタイプや採血条件により直接法で測定したLDL-Cとnon HDLの関係が異なるのか、という3点を明らかにすることを目的とする。将来non HDLが特定健診で用いる指標として相応しいのか提言できる情報を提供する。
研究方法
1.疫学的検討:1990年以降、2014年7月までの国内外の文献からLDL-Cとnon HDLのCAD発症予測を比較検討しているものを選択した。
また、国内の4つのコホート研究の協力を得て、non HDLのCAD発症予測能親日そのLDL-Cとの比較を具体的に行った。
2.臨床検査学的検討
LDL-C直接法の正確性とその使用適正条件の検討:成人被験者から採血し、24時間以内に直接法またはRMP法でLDL-CとHDL-Cを測定した。
結果と考察
1.疫学的検討:今年度は、191件の論文が新たに選定された。詳細検討の結果、計19件がエビデンステーブル作成の対象となった。昨年度(2013年度)は100件の論文についてエビデンステーブルが作成されており、今年度と合わせると計 119件のエビデンステーブルが作成された。
この119件の文献から、LDL-Cとnon HDLとイベントの関係を知りうる論文として35件が該当した。このうち、我が国の論文は4件であった。そしてnon HDLの予測能がLDL-Cより優れるという論文が21件、両者の予測能に差はないという論文が14件であり、LDL-Cの予測能がnon-HDL-Cを凌駕するという論文はなかった。
2、国内地域コホートのメタ解析
解析対象者の総数は41,662名、追跡期間は6年~18年であった。その結果、LDL-C、non-HDL-C、HDL-C、TCの心筋梗塞に対する予測能は有意にあったが、同程度であると考えられた。 一方、脳卒中および脳梗塞については、男女共に有意な関連は見られなかった。
3.臨床検査学的検討
合計で183人からサンプルを採取した。TG値は、最大値が1,518 mg/dL、最小値は31 mg/dLであった。解析対象となるTGが1,000 mg/dL未満の検体は180例で、前回の検体数と合わせると353例となった。また、LDL-C直接法の正確性に試薬間の性能の差が大きかった400 mg/dL以上の高TG血症の検体は10例(5.6%)を占めた。
次に、採取した検体のLDL-C値の分布を同様に調べた。200~299 mg/dLの高LDL-C血症検体は6例(3.3%)であった。前回の検討と合わせると、この範囲の検体数は10例となった。一方、50 mg/dL未満の低LDL-C血症の検体は3例(1.7%)しかなかった。
最後に、採取した検体のHDL-Cの分布を検討した。HDL-C値は、最大値が239 mg/dL、最小値は15 mg/dLだった。HDL-Cが100 mg/dL以上で、本検討の除外対象となる検体が7例と多く、前回と合わせると13例になった。また、HDL-Cが20 mg/dL未満の症例は1例のみであった。
結論
文献レビューで選定された35件の文献を精査した。その結果、出版バイアスの影響等を考慮すると、non HDLの循環器系疾患の発症予測能はLDL-Cと同等と考えられ、簡便性やコストを考えるとnon HDLは有用であると考えられた。また、国内コホート研究のメタ解析から、男性ではコレステロール 1mmol/L(39mg/dl)の増加に対するリスクはLDL-C、non HDLともに特に心筋梗塞の発症もしくは死亡と有意な関連を示し、異質性もなかった。また、LDL-Cとnon HDLの心筋梗塞の発症もしくは死亡に対する相対リスクは、39mg/dl増加に対して約1.5であり、両者で差を認めず、ほぼ同等の予測能であることが示された。
LDL-CとHDL-C直接法の正確性について信頼性のある結論を得るために、適切な検体収集をすることができた。次年度には、前回の検討で得られた結果と合わせて、Error Component Analysisを行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2015-09-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2015-09-11
更新日
-

収支報告書

文献番号
201412044Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,800,000円
(2)補助金確定額
9,800,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,503,323円
人件費・謝金 1,243,896円
旅費 531,872円
その他 4,523,238円
間接経費 0円
合計 9,802,329円

備考

備考
協力者の一人が預金利息のつく口座であったため44円が発生しました。また自己資金から2,285円を捻出させていただきました。

公開日・更新日

公開日
2015-10-16
更新日
-