文献情報
文献番号
201333009A
報告書区分
総括
研究課題名
病態別の患者の実態把握のための調査および肝炎患者の病態に即した相談に対応できる相談員育成のための研修プログラム策定に関する研究
課題番号
H23-実用化-肝炎-指定-002
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
八橋 弘(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 古田 清(独立行政法人国立病院機構まつもと医療センター 内科)
- 平田 啓一(独立行政法人国立病院機構災害医療センター 消化器科)
- 中牟田 誠(独立行政法人国立病院機構九州医療センター 肝臓センター)
- 三田 英治(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 消化器科)
- 上司 裕史(独立行政法人国立病院機構東京病院 消化器内科)
- 高野 弘嗣(独立行政法人国立病院機構呉医療センター 消化器科)
- 肱岡 泰三(独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター 消化器科)
- 室 豊吉(独立行政法人国立病院機構大分医療センター 消化器科)
- 小松 達司(独立行政法人国立病院機構横浜医療センター 臨床研究部)
- 正木 尚彦(独立行政法人国立国際医療研究センター 肝炎情報センター)
- 太田 肇(独立行政法人国立病院機構金沢医療センター 消化器科)
- 佐藤 丈顕(独立行政法人国立病院機構小倉医療センター 肝臓病センター)
- 米田 俊貴(独立行政法人国立病院機構京都医療センター 消化器科)
- 島田 昌明(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター 消化器科)
- 杉 和洋(独立行政法人国立病院機構熊本医療センター 消化器内科)
- 二上 敏樹(独立行政法人国立病院機構西埼玉中央病院 臨床研究部)
- 中尾 一彦(国立大学法人長崎大学 医学部)
- 矢野 博久(国立大学法人久留米大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(肝炎関係研究分野)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
46,154,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究班では、B型、C型肝炎ウイルスに起因する慢性肝炎、肝硬変、肝がん患者の実態を把握し、その上で可能なものについてはこれらの患者の所得等の水準の実態把握を行い、病態別の患者に行うべき医療内容等を考慮し、各患者固有のニーズにできるだけ即した形で適切にアドバイスできる相談員等を効果的に育成するための研修プログラムを作成することを目的とする。
研究方法
1.34施設に通院治療を行っている肝疾患患者9,952名に患者アンケートを配布し6,331名(アンケート回収率63.6%)からアンケートを回収した。データマイニング解析と統計解析と異なる手法で分析を行った。
2.ペグインターフェロン/リバビリン(PegIFN/RBV)治療導入1,482例を対象に治療導入後の肝癌発生状況を検討した。
3.国立病院機構肝疾患ネットワーク参加33施設内での2013年の散発性急性肝炎の発生数(頻度)をまとめた。
2.ペグインターフェロン/リバビリン(PegIFN/RBV)治療導入1,482例を対象に治療導入後の肝癌発生状況を検討した。
3.国立病院機構肝疾患ネットワーク参加33施設内での2013年の散発性急性肝炎の発生数(頻度)をまとめた。
結果と考察
1.肝疾患患者の悩みストレスを構成する主な要因として、ともに共通していた最も重要な因子は、仕事・家事を減らした、内容変更した、辞めたというエピソードであり、2番目に差別を受けた経験、3番目が、月の医療費、ウイルスが残っているかどうか、入院回数等であった。肝疾患患者の悩みストレスは多様性を呈しており、年齢層、C型肝炎の方は高齢、B型肝炎の方は若い、病気の進行度、慢性肝炎、肝硬変、肝癌、収入の状況によって悩みストレスの頻度、程度が異なる。肝疾患患者の相談相手が限られていること、また個々の患者ごとに背景因子が異なる等を十分考慮した上で医療従事者として肝疾患患者に向き合うべきと考える。
2.SVR判定が得られても60歳以上で肝硬変の場合の5年目の累積発癌率は22.9%と高く、高齢者でかつ肝硬変症例ではSVRとなってもその後も肝癌の発生を年頭に経過を観察する必要があると考えられた。
3.A型9例(10.3%)、B型31例(35.6%)、C型11例(12.6%)、非A非B非C型36例(41.3%)であった。1980年から2013年までの過去34年間に、国立病院機構肝疾患ネットワーク参加34施設内で散発性急性肝炎として登録された症例数は4,766例で、うちA型が1,633例(34.3%)、B型が1,394例(29.2%)、C型が420例(8.8%)、非A非B非C型肝炎が1,319例(27.7%)であった。
2.SVR判定が得られても60歳以上で肝硬変の場合の5年目の累積発癌率は22.9%と高く、高齢者でかつ肝硬変症例ではSVRとなってもその後も肝癌の発生を年頭に経過を観察する必要があると考えられた。
3.A型9例(10.3%)、B型31例(35.6%)、C型11例(12.6%)、非A非B非C型36例(41.3%)であった。1980年から2013年までの過去34年間に、国立病院機構肝疾患ネットワーク参加34施設内で散発性急性肝炎として登録された症例数は4,766例で、うちA型が1,633例(34.3%)、B型が1,394例(29.2%)、C型が420例(8.8%)、非A非B非C型肝炎が1,319例(27.7%)であった。
結論
肝疾患患者の悩みストレスは多様性を呈しており、年齢層、C型肝炎の方は高齢、B型肝炎の方は若い、病気の進行度、慢性肝炎、肝硬変、肝癌、収入の状況によって悩みストレスの頻度、程度が異なる。肝疾患患者の相談相手が限られていること、また個々の患者ごとに背景因子が異なる等を十分考慮した上で医療従事者として肝疾患患者に向き合うべきと考える。
公開日・更新日
公開日
2017-01-20
更新日
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