「健やか親子21」の最終評価・課題分析及び次期国民健康運動の推進に関する研究

文献情報

文献番号
201312006A
報告書区分
総括
研究課題名
「健やか親子21」の最終評価・課題分析及び次期国民健康運動の推進に関する研究
課題番号
H25-次世代-一般-002
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
山縣 然太朗(山梨大学 大学院医学工学総合研究部 社会医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 松浦 賢長(福岡県立大学看護学部)
  • 山崎 嘉久(あいち小児保健医療総合センター)
  • 仲宗根 正(沖縄県宮古福祉保健所)
  • 尾島 俊之(浜松医科大学医学部健康社会医学)
  • 玉腰 浩司(名古屋大学医学部保健学科看護学専攻)
  • 原田 正平(国立成育医療研究センター研究所)
  • 荒木田 美香子(国際医療福祉大学小田原保健医療学部)
  • 田中 太一郎(東邦大学医学部社会医学講座衛生学分野)
  • 松田 義雄(国際医療福祉大学病院産婦人科)
  • 上原 里程(宇都宮市保健所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
17,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、健やか親子21の指標に関する調査と次期健やか親子21に関連する資料を収集し、それらを分析して健やか親子21の最終評価及び次期健やか親子計画策定に資することである。
研究方法
研究内容は次の3点である。
1.健やか親子21の最終評価及び次期健やか親子21のベースラインのために、乳幼児健診調査、自治体調査、学校調査を実施・分析する。
2.健やか親子21のホームページ(HP)の運営、データベース(DB)の更新、各コンテンツの利用状況等に関する分析を行う。
3.次期健やか親子21の公式HPの構築、情報の利活用に資する新たなDBの構築、都道府県及び市町村における次期健やか親子21推進のための方略の提言を行う。
結果と考察
1.本研究班では、最終評価に向け、各都道府県で人口規模別に各10の市区町村(計472か所)を選別し、約7万5千の乳幼児健診対象の養育者に「親と子の健康度調査アンケート」の質問票調査を実施した。また全国の都道府県、政令市・特別区、市町村の各自治体に対し「『健やか親子21』の推進状況に関する実態調査」を実施し、健やか親子21に関する取組の状況等を調査した。調査終了後、収集データの分析を行い、結果を国の健やか親子21最終評価の検討委員会へ提出した。
また、「健やか親子21」の最終評価の結果を受け、次期計画の基本的視点と指標の選定、計画の骨格や推進方略を検討し、新課題の構成案、指標項目に関する「目標シート」と目標達成イメージ図を作成した。平成27年度以降の次期計画策定に資する資料が作成できた。
2.本研究の一環として、2001年度より構築・運営してきた健やか親子21公式ホームページは、13年間のあゆみとして84万件を超えるアクセス件数を得ている。このホームページの主な展開と、搭載している「取り組みのデータベース」「母子保健・医療情報データベースの運営状況」について2013年度の報告することを目的とした。 
本ホームページは、基本的に週に1回の更新を行ない、その主な内容とアクセス件数を中心に詳細を報告する。更新に伴い、各班員、また健やか親子21メーリングリスト会員に通知文を送り、情報の共有、及び情報交換を行なっている。各データベースは、WEB公開された2001年4月以降、現在まで安定したアクセス件数を得ている。取り組みのデータベースは、全国の事業を参照しながら事業計画を立案するためのツールとして活用されている。また、母子保健・医療情報データベースは、専門職における利用度の高いツールとして好評を得ている。
3.母子保健情報の利活用に関して、①妊婦健診における情報収集と利活用に関する研究、②東京都世田谷区における小児の保健医療情報の連結とその利活用に関する研究、③乳幼児健診データを活用した地域の健康状況の把握に関する研究、④沖縄県における妊婦健診・乳幼児健診等データの連結・利活用に関する研究、⑤妊婦健診データと乳幼児健診データの連結利活用方法の検討、⑥沖縄県における3歳児の睡眠習慣に関する研究を実施した。結果として、母子手帳・妊婦健診・乳幼児健診などの連結データの活用から、幼児の健康状況や家族の生活習慣の市町差異、ハイリスク母児への早期発見に関する情報収集・介入方法の示唆を与える課題を抽出できた。
また、⑦気になる子供の成長を促すために幼稚園や保育所ができる地域保健と小学校との連携-支援をつなぐためのヒント」の開発では、発達障害を含む気になる子どもの成長の促進に関し保育園・幼稚園ができる地域保健機関と小学校との連携に対して、母子保健情報の利活用と連携の具体的方法を示す資料を作成した。
結論
1.健やか親子21最終評価のための調査を行い、調査結果を国の検討会へ提出した。また最終評価において示された今後の課題や方向性を受けて、次期健やか親子計画への指標を国の検討会へ提出し、次期計画策定への基本的視点と推進方略を提言した。
2.健やか親子21のホームページは、母子保健に関する有用情報の提供を含め適切に運営され、12年間で84万件を超えるアクセス数を得ている。取組のデータベースは、全国の事業を参照しながら事業計画を立案するためのツールとして活用されている。また、母子保健・医療情報データベースは、専門職における利用度の高いツールとして好評を得ている。
3.母子保健情報の利活用では、母子手帳・妊婦健診・乳幼児健診などの連結データの活用から、幼児の健康状況や家族の生活習慣の市町差異、ハイリスク母児への早期発見に関する情報収集・介入方法の示唆を与える課題を抽出できた。また、発達障害を含む気になる子どもの成長の促進に関し保育園・幼稚園ができる地域保健機関と小学校との連携に対して、母子保健情報の利活用と連携の具体的方法を示す資料を作成した。

公開日・更新日

公開日
2014-08-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2014-12-04
更新日
-

収支報告書

文献番号
201312006Z