医療安全管理体制の整備に関する研究-認定病院を対象とした医療安全管理体制の実態と評価結果の関連に関する検証-

文献情報

文献番号
201129021A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全管理体制の整備に関する研究-認定病院を対象とした医療安全管理体制の実態と評価結果の関連に関する検証-
課題番号
H22-医療・一般-023
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
廣瀬 昌博(国立大学法人島根大学医学部附属病院 病院医学教育センター)
研究分担者(所属機関)
  • 今中 雄一(国立大学法人京都大学大学院医学研究科 医療経済学分野)
  • 兼児 敏浩(国立大学法人三重大学医学部附属病院 医療安全・感染管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
【研究目的】医療安全対策加算算定病院を対象に医療安全管理体制の実態調査、および日本医療機能評価機構(JCQHC)の認定病院の評価結果から、今後の医療安全対策について重点的に評価すべき項目や課題について明らかにすることである。
研究方法
【研究方法】(1)医療安全管理体性の整備状況に関するアンケート調査ついて、H18年度単独・管理型臨床研修病院399病院(対象1,039施設中回答率38.4%)、H22年度医療安全対策加算算定病院669病院(対象2,674病院中回答率25.0%)の調査結果を比較検討した。(2)JCQHC認定の臨床研修病院(ver.5.0)441施設について、評価体系第2領域の医療安全に関する項目の評価結果を検討した。
結果と考察
【結果と考察】(1)前者は大規模・国公立病院、後者は小規模医療法人病院が多く含まれていた。病床数、開設主体を考慮し両年度間で比較検討すると「病院長の支援は明確になっているものの、人的・財政的支援は十分でない」ことに象徴されるように医療安全活動に関する項目で飛躍的に向上した項目は皆無であった。また、大規模病院では早くから取組みが開始されたが、調査対象の小規模病院では平成22年4月まで医療安全対策加算が未算定であったように、その活動が十分でないことが分かった。(2) JCQHCによる認定病院である441施設(Ver.5.0認定のみ)の評価結果を用いて、評価体系第2領域の項目について検討したところ、H22年度調査と同様、患者の権利や倫理(職業倫理、臨床倫理)に関する項目、説明と同意、患者安全を確保するための活動についての評価は低く、5段階評価で3.6点以下の項目が7項目もあった。ただし、臨床研修病院であることから、臨床試験や治験に関する項目は4点に近く、評価が高かった。
結論
【結論】今後の医療安全対策について、大規模病院においては医療安全活動を今後も維持するとともに、小規模医療法人病院に対し、重点的に医療安全活動が活発となる方策が必要である。また、規模や機能に関係なく、患者の権利、医療倫理など基本事項の教育を強化するとともにこれらの方策が円滑となるよう、医療安全対策加算を医療安全活動に利用できる仕組みも必要であると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2012-05-29
更新日
-

文献情報

文献番号
201129021B
報告書区分
総合
研究課題名
医療安全管理体制の整備に関する研究-認定病院を対象とした医療安全管理体制の実態と評価結果の関連に関する検証-
課題番号
H22-医療・一般-023
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
廣瀬 昌博(国立大学法人島根大学医学部附属病院 病院医学教育センター)
研究分担者(所属機関)
  • 今中 雄一(国立大学法人京都大学大学院医学研究科 医療経済学分野)
  • 兼児 敏浩(国立大学法人三重大学医学部附属病院 医療安全・感染管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療安全対策加算算定病院を対象に医療安全管理体制の実態調査、および日本医療機能評価機構(JCQHC)の認定病院の評価結果から、今後の医療安全対策について重点的に評価すべき項目や課題を明らかにする。
研究方法
(1)医療安全管理体制に関する調査:H22年度および18年度調査との比較検討(a) 両年度全病院間(669:399施設)b) 病床数401床以上の病院間(179:227施設)c) 単独・管理型臨床研修病院間(169:399施設)、H22年度調査では、d) 医療安全対策加算別加算I・II間(479 :180施設))で比較した。(2) 評価体系の医療安全管理に関わる項目の検討:第2領域では、特定機能病院61施設(ver.4.0認定2、ver.5.0認定43、ver.6.0認定16施設)および臨床研修病院441施設(ver.5.0)、また、第4領域(ver.5.0)では、特定機能病院43施設および臨床研修病院441施設を対象とした。
結果と考察
(1)から、①医療安全管理の専従者は約1名であるが従事時間は延びている②院長の支援はあるものの、人的・財政的支援は十分でない③病院の規模や機能に関係なく委員会は適切に開催④院内巡視には約3名が参加し、実施回数は増加⑤小規模病院では、医療安全研修の開催、参加時間、および研修費用は十分ではない⑥インシデント収集・報告・分析では、全体・看護師については増加もしくは横ばいで医師は変化がない⑦電子システムは、小規模病院ほど導入できていない。一方、(2)から、第2領域では、機能・規模に関係なく、医療者の倫理、説明と同意、 患者の安全確保および患者中心の医療と診療の質の向上に向けた活動が十分でなかった。また、第4領域では、特定機能病院および臨床研修病院ともに診療、看護、薬剤部門での基本的事項が十分ではなく、臨床研修病院ではとくに病理、画像診断、手術・麻酔、ICU、救急部、臓器移植など、専門性の高い部門の体制が十分でなかった。
結論
①医療安全委員会への病院長の参加②専任・専従医療安全管理者各1名の配置を義務付け、③医療安全に関する研修会開催の義務付けを強化し、④インシデントレポートシステムの導入を推進する⑤インシデントレポートなど医療安全に関するデータ分析を目的にアナリストや診療情報管理士などの採用・育成を推進する⑥医療倫理・職業倫理教育や⑦医療安全における地域連携を強化する⑧診療報酬上、医療安全対策加算を増額する、ことを提言する。

公開日・更新日

公開日
2012-05-29
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201129021C

収支報告書

文献番号
201129021Z