病原体等の登録・保管・輸送・廃棄に関する一括管理システムの開発と検証

文献情報

文献番号
201123013A
報告書区分
総括
研究課題名
病原体等の登録・保管・輸送・廃棄に関する一括管理システムの開発と検証
課題番号
H21-新興・一般-013
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
篠原 克明(国立感染症研究所 バイオセーフティ管理室)
研究分担者(所属機関)
  • 倉田 毅(国際医療福祉大学 塩谷病院 検査部)
  • 駒野 淳(国立感染症研究所 エイズ研究センター第3室)
  • 高田 礼人(北海道大学 人獣共通感染症リサーチセンター)
  • 山本 明彦(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 氏家 誠(日本獣医生命科学大学 獣医感染症学教室)
  • 徐 紅 (シユ ホン)(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター第1室)
  • 白倉 雅之(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
  • 奥谷 晶子(国立感染症研究所 獣医科学部)
  • 綿引 正則(富山県衛生研究所 細菌部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
55,350,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
新型インフルエンザなどの新興・再興感染症やバイオテロへの対策の一環として、高危険度病原体に対する安全な取扱いとその厳重な管理が必要且つ重要である。その実践のためには、バイオセーフティとバイオセキュリティとを融合した総合的な病原体管理システムの構築と実用化が有用である。本研究では、病原体の安全保管と取扱い歴などのトレーサビリティ管理並びに大量サンプル処理などを効率的に行うことのできる一括管理システムを開発、実用配備する。
研究方法
 本管理システム(ICBSシステム)は、病原体の登録、保管、輸送、廃棄に至るまでの作業とその履歴を一括管理する。具体的には、最新のタグ技術を用い、病原体サンプル1本ごとにコードを付帯し、管理対象をサンプル一本単位とし、且つサンプル採取の段階から廃棄までの取扱い情報とその履歴を自動的に採取し、情報を一元的に管理する。本システムについては、基本システム構想の有用性を確認した後、実用化のために、システムの安定性やコスト軽減などの検討、管理ソフト及び周辺機器、装置の開発と改良、並びに消耗品の開発、配布などを行い、その性能評価と実証試験を続けてきた。
結果と考察
 平成23年度は、特定病原体管理、大量検体検査、感染症サーベイランス及び研究グループ間情報共有などに機能を特化した管理システム(機能特化型ICBSシステム)の構築と配備を行い、実用可能なレベルに到達したことを確認した。また、病原体出納管理とセキュリティ強化をメイン機能とした汎用的な病原体管理システム(汎用型ICBSシステム)を新らたに構成し、実用配備を行い、運用試験と機能改善を行った。本汎用型病原体管理ソフトの配布は実際の現場における病原体管理作業の効率化と省力化に大いに貢献でき、病原体管理情報の統一化は、緊急時における病原体管理の迅速対応に非常に有用であると思われる。さらに、本システムと既存のセキュリティ(アクセスコントロール、ゲート管理など)との組み合わせを行い、病原体保管における総合的なセキュリティ向上策を提案した。
結論
 本システムの複数拠点への導入は、個々の作業現場における病原体管理の効率化、並びにパンデミック感染症の発生時や緊急時における情報共有と情報発信などの向上に大きく貢献でき、病原体情報の統合管理システムは、我が国として統一した病原体管理基準を策定する際の基盤システムとして応用できる。

公開日・更新日

公開日
2012-05-31
更新日
-

文献情報

文献番号
201123013B
報告書区分
総合
研究課題名
病原体等の登録・保管・輸送・廃棄に関する一括管理システムの開発と検証
課題番号
H21-新興・一般-013
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
篠原 克明(国立感染症研究所 バイオセーフティ管理室)
研究分担者(所属機関)
  • 倉田 毅(国際医療福祉大学 塩谷病院 検査部)
  • 高田 礼人(北海道大学 人獣共通感染症リサーチセンター)
  • 駒野 淳(国立感染症研究所 エイズ研究センター第三室)
  • 山本 明彦(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 徐 紅(シユ ホン)(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター第一室)
  • 白倉 雅之(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
  • 奥谷 晶子(国立感染症研究所 獣医科学部)
  • 氏家 誠(日本獣医生命科学大学 獣医感染症学教室)
  • 綿引 正則(富山県衛生研究所 細菌部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
新型感染症やバイオテロへの対策として、病原体の安全な取扱いと厳重な管理が必須であり、バイオセーフティとバイオセキュリティとを融合した総合的な病原体管理システムの構築と実用化が有用である。本研究では、病原体の安全保管と取扱いのトレーサビリティ管理並びに大量サンプル処理などを効率的に行うことのできる病原体の登録、保管、取扱い、輸送、廃棄に至る一括管理システム(ICBSシステム)を開発する。
研究方法
本ICBSシステムは、最新のタグ技術を用い、病原体試料1本単位に管理コードを割り振り、且つ試料採取の段階から廃棄までの取扱い情報とその履歴を効率的に採取し、その情報の管理を一括して行う。また、試料の個別情報を基に、その試料を取扱う際に必要な情報を使用者に提示すると共に取扱い制限を設定できる。本研究では、本システム構想の有用性を確認した後、管理ソフト及び周辺機器、装置、消耗品の開発と改良、配布などを行い、その性能評価と実証試験を続けてきた。
結果と考察
試料チューブ情報収集・伝達装置、タグ情報読取装置、可搬型タグ読取装置、情報通信機能付保管庫ロックシステムならびに病原体輸送におけるGPS追尾型測位装置などの開発、検証と実用配備を行った。また、試料保管容器やタグ、情報変換用の二次容器などの開発と検証を行い、配布を行った。管理用システムとしては、特定病原体管理、大量検体検査、感染症サーベイランス及び研究グループ間情報共有などに機能を特化した管理システム「機能特化型ICBSシステム」の構築と配備を行った。また、病原体出納管理とセキュリティ強化をメイン機能とした「汎用型ICBSシステム」を構成し、運用試験と性能検証を行った後、国内数箇所に実用配備した。さらに、本システムと既存のセキュリティ(アクセスコントロール、ゲート管理など)を組み合わせ、個々の現場における総合的なセキュリティ向上策を提案した。病原体輸送では、本システムの管理情報と輸送時のGPS探査を連携することにより、サンプル情報の共有と輸送経過管理を行い、より確実で安全な輸送ができることを確認した。
結論
本システムの複数拠点への導入は、個々の作業現場における病原体管理の効率化、ならびにパンデミック感染症の発生時や緊急時における情報共有と情報発信などに向上に大きく貢献し、且つ我が国として統一した病原体管理基準を策定する際の基盤システムとしても応用できる。

公開日・更新日

公開日
2012-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201123013C

成果

専門的・学術的観点からの成果
新型感染症やバイオテロへの対策として、病原体の安全な取扱いと厳重な管理が必須であり、バイオセーフティとバイオセキュリティとを融合した総合的な病原体管理システムの構築と実用化が必要である。本病原体管理システムは、最新のタグ技術を用い、病原体試料1本単位に管理コードを割り振り、且つ試料採取の段階から廃棄までの取扱い情報とその履歴を効率的に採取・一括管理し、さらに各試料の個別情報を基にその試料を取扱う際の取扱い制限を設定できるため、より安全な取扱いと高度なセキュリティの実施を可能とする。
臨床的観点からの成果
本ICBSシステムは、病原体試料1本単位で、試料採取の段階から廃棄までの取扱い情報とその履歴を一括管理し、さらに試料の個別情報を基にその試料を取扱う際に必要な情報を使用者に提示すると共に取扱い制限を設定できるため、臨床検査などの場面においてより安全な試料の取扱いをサポートできる。
ガイドライン等の開発
本システムの複数拠点への導入とデータの共有化は、我が国として統一した病原体管理基準を策定する際の基盤システムとして応用できる。
その他行政的観点からの成果
本システムの複数拠点への導入とデータの共有は、個々の作業現場における病原体管理の効率化、特に現行の感染症法や家畜伝染病予防法などで求められている保管病原体種と数量管理における正確さと効率化に貢献できる。さらに、パンデミック感染症の発生時や緊急時における情報共有と情報発信などの向上に有用である。
その他のインパクト
複数の地方衛生研究所や特定病原体取扱い施設などを訪問し、病原体管理の実態調査や個別にセキュリティ向上策のアドバイスなどを行った。また、本システムの複数拠点への導入とデータの共有は、わが国の総合的な病原体管理の質の向上に繋がるものである。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
9件
日本バイオセーフティ学会
学会発表(国際学会等)
8件
米国バイオセーフティ学会、欧州バイオセーフティ学会
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
1件
バイオセキュリティシステム、特許第4769000号、平成23年6月24日取得。
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
30件
複数の地方衛生研究所や特定病原体取扱い施設などを訪問し、病原体管理の実態調査や個別にセキュリティ向上のアドバイスなどを行い、より安全な病原体管理の必要性について普及・啓蒙活動を行った。

特許

特許の名称
バイオセキュリティシステム
詳細情報
分類:
特許番号: 特許第4769000号
発明者名: 篠原克明、山本次郎、小暮一俊
取得年月日: 20110624
国内外の別: 国内特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
2016-05-26

収支報告書

文献番号
201123013Z