QOL向上のための、主に精神、心理、社会、スピリチュアルな側面からの患者・家族支援プログラムに関する研究

文献情報

文献番号
201118051A
報告書区分
総括
研究課題名
QOL向上のための、主に精神、心理、社会、スピリチュアルな側面からの患者・家族支援プログラムに関する研究
課題番号
H22-3次がん・一般-036
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
内富 庸介(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 小川朝生(国立がんセンター東病院 臨床開発センター)
  • 森田 達也(聖隷三方原病院 緩和医学)
  • 清水 研(国立がんセンター中央病院 精神腫瘍科)
  • 岡村 仁(広島大学大学院 保健学研究科)
  • 大西秀樹(埼玉医科大学 国際医療センター)
  • 明智 龍男(名古屋市立大学大学院 医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
32,908,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん患者及び家族のQOL向上のための各支援プログラムの開発を行い、がん患者包括支援システムとして全国展開する。
研究方法
代表研究者1名、分担研究者6名により、これまでの研究で明らかとなったがん患者のQOLの精神・心理・身体機能・社会・スピリチュアルの各側面に関する評価法・介入法を作成し、それらを用いた支援プログラムの有用性の検証に着手した。
結果と考察
(1)がん患者に対する包括的支援システムの開発
コミュニケーション技術研修プログラムを用いたランダム化比較試験を実施し、告知における医師の支持的な行動の向上と患者の抑うつの改善を検証した。また、医師の共感行動と生理学的反応に関する研究において、交感神経の関与が示唆された。さらに、患者から医療者への質問を促進するパンフレットの有用性を検証した。
(2)がん患者の精神症状に対する心理社会的介入法の開発
患者の不安・抑うつを標的とする看護師と精神腫瘍医の協働介入プログラムを作成し、ランダム化比較試験を開始した。
(3)がん告知後の心的外傷対処プロセスの解明に基づいた介入法の開発
心的外傷に対して有効とされる外傷後成長に関する質的面接調査を開始した。
(4)がん患者の難治精神症状に対する病態解明に基づいた介入法の開発
薬物療法が困難なうつ病に対して反復経頭蓋磁気刺激法を用いたオープン試験を開始した。また、治療効果の病態解明のため、健常人を対象とした経頭蓋直流電気刺激による機能的磁気共鳴画像の変化の検討を開始した。
(5)がんリハビリテーションプログラムの開発
リハビリテーションマニュアルを作成し、がん診療連携拠点病院の療法士を対象とした研修会を行い、実施可能性の評価を開始した。
(6)がん患者家族の支援プログラムの開発
遺族の集団精神療法プログラムを作成し、パイロット介入にてQOLの改善を確認した。また、横断調査にて遺族の心理状態と対処行動の因子構造を同定し、特定の対処行動が受容・未来志向を促進する仮説を得た。
(7)がん患者のQOLを向上させるための緩和ケアプログラムの開発
看護師を対象とした、スピリチュアルな側面に関する実証研究を集約したテキストブックを作成し、それに基づいたセミナーの有用性を検証するためのランダム化比較試験の準備を開始した。
結論
今後、各支援プログラムの有用性の評価を継続し、診療ガイドと併せて体系化を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2017-09-29
更新日
-

収支報告書

文献番号
201118051Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
42,000,000円
(2)補助金確定額
42,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 8,289,400円
人件費・謝金 9,820,185円
旅費 6,415,306円
その他 8,383,432円
間接経費 9,092,000円
合計 42,000,323円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-10-06
更新日
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