動物由来感染症のリスク分析手法等に基づくリスク管理のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201028022A
報告書区分
総括
研究課題名
動物由来感染症のリスク分析手法等に基づくリスク管理のあり方に関する研究
課題番号
H21-新興・一般-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 泰弘(北里大学 獣医学部 獣医学科 人獣共通感染症学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 門平 睦代(帯広畜産大学 畜産生命化科学部門 環境生態学講座)
  • 宇根 有美(麻布大学 獣医学部 獣医病理学研究室)
  • 奥 祐三郎(北海道大学大学院 獣医学研究科 寄生虫学研究室)
  • 深瀬 徹(明治薬科大学 生物学教室)
  • 浦口 宏二(北海道立衛生研究所 生物科学部衛生動物科)
  • 井上 智(国立感染症研究所 獣医科学部)
  • 今岡 浩一(国立感染症研究所 獣医科学部)
  • 丸山 総一(日本大学 生物資源科学部 公衆衛生教室)
  • 小泉 信夫(国立感染症研究所 細菌研究部)
  • 佐野 文子(千葉大学真菌医学研究センター 医真菌学教室)
  • 安藤 秀二(国立感染症研究所 ウィルス第1部バイオセーフティー管理室)
  • 杉山 広(国立感染症研究所 寄生動物部)
  • 川中 正憲(国立感染症研究所 寄生動物部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
43,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究者には自分が対象とする動物由来感染症が最も重要。メディアは経緯・展望と関係なく、時の社会的インパクトで報道し恐怖心を煽るケースが多い。同じ感染症でも、リスク評価する科学者とリスク管理に立つ行政者、市民・消費者のリスク感は異なり、重要と考える疾病も異なる。本研究では、非常に多様性を持つ動物由来感染症を評価できる統一的・一貫性を持つ評価方法、同意の取れるリスクコミニィケーション方法の開発を目指す。
研究方法
統括グループは定期会議(年間11回)を行い評価法の改善を図った。ウイルス、細菌、真菌、寄生虫などの異分野の班員が輸入動物、伴侶動物、野生動物由来の100種を超える感染症リスクシナリオを作成し、4回のワークショップを開き、統一的評価法に関する情報を共有した。各研究グループは各自の研究を遂行し、リスクシナリオのデータ検証に貢献した。
結果と考察
狂犬病グループ:摘発方法と自治体に応じた発生シナリオの検証と課題抽出。ロシア船寄港地で足跡調査を行い野生キツネが埠頭に出没する証拠を得た。コンテナに病原体保有動物が迷入する危険性について現地調査。伴侶動物グループ:カプノサイトファーガが市民の注目を集め厚労省のQ&AやNHKで研究成果を公表。輸入げっ歯類由来バルトネラ属を分子遺伝学的に解析し、新種として国際登録した。アジアで初めて同定したロボミコーシスの病理検索、遺伝子解析を進めた。オウム病クラミジア陽性個体群の調査を行った。イヌと野鼠のレプトスピラ感染調査を進めた。寄生虫グループ:エキノコックスのベイト散布の効果を検討した。また山形県の軽種馬(北海道産)に汚染が見られたので、出身地の感染状況の把握に努めた。肺吸虫感染源のモクズガニの汚染実態を調査した。野生、輸入動物・海外調査グループ:輸入動物の感染症(エルシニア症、肺炎球菌症、サルモネラ症など)を調査した。ヒロクチ肺吸虫脳症をインドで発見し共同研究を進めた。エボラレストンに関しルソン島で年間を通したオオコウモリの変動、ミンダナオ島での世界最大のルーセットコロニーを対象に生態学・疫学調査をした。
結論
分析の弱点であった定性的決定樹型から、AHP法を新たに導入し7因子の定量的重み付を行った。その結果、国内感染症と、未侵入感染症について、侵入前と侵入後に分け序列化が出来た。本年度は統括研究、個別研究ともに順調に進捗した。

公開日・更新日

公開日
2011-09-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-03-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
201028022Z