座位保持装置の評価基準の作成に関する研究

文献情報

文献番号
200827006A
報告書区分
総括
研究課題名
座位保持装置の評価基準の作成に関する研究
課題番号
H18-障害・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
相川 孝訓(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 福祉機器開発部)
研究分担者(所属機関)
  • 廣瀬 秀行(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 福祉機器開発部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
5,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、構造や素材の異なる座位保持装置部品の機能、強度、耐久性、安全性などの工学的評価方法について、評価手法の確立により総合的な評価基準を作成することである。
研究方法
座位保持装置の工学的試験評価手法の開発のために、静的荷重試験、耐荷重試験用の可搬型耐荷重試験装置を開発する。平成20年度完成用部品追加申請添付の工学的試験評価データの内容確認から試験基準の問題点を確認する。ISO/TC173/SC1/WG11で作成された破損に関するアンケートを日本語に翻訳して、製作事業者へアンケートを実施する。座位保持装置の破損状況調査を実施して破損部品を収集する。以上の結果を工学的評価基準の妥当性の検証用データとして活用する。クッションの評価手法の開発では、皮膚と車いすクッション間の水蒸気温度蒸散試験装置を開発・改良する。
結果と考察
静的荷重試験、耐荷重試験用の簡易型小型耐荷重試験装置を開発した。平成20年度完成用部品追加申請の工学的試験評価データの解析を行い、試験基準の問題点を確認した。アンケートの収集データの解析からは、座位保持装置の製作状況、破損原因に関する有益な情報が得られた。座位保持装置の破損状況調査の実施では、一部の部品について破面解析を実施し、破損原因の推定を行った。クッションに関しては、クッションの湿度分散性能試験装置を開発した。
結論
座位保持装置部品の工学的評価手法の開発、試験装置の開発、見直しが実施され、大部分の部品の認定基準は問題ないことが確認できたが、一部の試験については再検討が必要なことが示唆された。またクッションの湿度分散性能試験装置を開発し、評価手法についてまとめることができた。

公開日・更新日

公開日
2009-04-07
更新日
-

文献情報

文献番号
200827006B
報告書区分
総合
研究課題名
座位保持装置の評価基準の作成に関する研究
課題番号
H18-障害・一般-008
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
相川 孝訓(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 福祉機器開発部)
研究分担者(所属機関)
  • 廣瀬 秀行(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 福祉機器開発部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、構造や素材の異なる座位保持装置部品の機能、強度、耐久性、安全性などの工学的評価方法について、評価手法の確立により総合的な評価基準を作成することである。
研究方法
1.負荷計測用座位保持装置を開発し、日常生活時の長時間負荷データを収集する。2.座位保持装置部品を試験するための試験機や治具の開発を行う。簡易型耐荷重試験装置、衝撃試験機、既存の試験機用治具を開発する。3.完成用部品追加申請の工学的試験評価データ結果を分析する。4.破損した座位保持装置部品を収集し、破損原因の推定を行う。5.製作事業者への破損に関するアンケートを実施する。以上の結果を工学的評価基準の妥当性の検証用データとして活用し、座位保持装置の認定基準の見直しを行う。クッションについては、湿度の計測装置と特性の評価手法を開発する。
結果と考察
頭部支持部、体幹側方サポート、腰部ベルト負荷計測センサーを開発して日常生活時の長時間にわたる負荷データを収集した。予想と異なる方向の負荷や介助時の大きな負荷が得られた。簡易型耐荷重試験装置、衝撃試験機、既存試験機用試験治具を開発した。平成19~20年度完成用部品追加申請の工学的試験評価データの解析を行い、試験基準の問題点を確認した。アンケートの収集データ解析からは、破損原因に関する有益な情報が得られた。座位保持装置の破損状況調査では、破損部品を収集して一部の部品について破面解析を実施し、破損原因の推定を行った。また、クッションの湿度分散性能試験装置を開発して特性評価手法を作成した。
結論
座位保持装置部品の工学的評価手法の開発、試験装置の開発、見直しが実施され、大部分の部品の認定基準は問題ないことが確認できたが、一部の試験は再検討が必要であった。負荷データ計測や破損調査結果などから、使用者の使用状況が多彩なために、使用者により別々の部品に想定外の負荷が加わることがあることが判明し、試験基準の再確認が示唆された。クッションの湿度分散性能試験装置を開発し、評価手法についてまとめた。

公開日・更新日

公開日
2009-04-07
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200827006C

成果

専門的・学術的観点からの成果
衝撃試験機の開発・改良・特性確認を行い衝撃試験の実施を可能にした。さらに、静的荷重試験、耐荷重試験、繰り返し試験の評価手法の開発とともに試験機・試験治具の開発を行った。また、試験装置を小型化した静的荷重試験、耐荷重試験用の簡易型試験装置を開発した。分担研究では、クッションの湿度分散性能試験装置を開発して評価手法を作成した。手法及び試験装置の信頼性について、複数のクッションで確認して良好な結果を得た。
臨床的観点からの成果
負荷計測用座位保持装置を開発し、頭部支持部、体幹側方サポート、腰部ベルト負荷計測センサーを開発して日常生活時の長時間にわたる負荷データを収集した。体幹側方サポートなどで予想とは異なる方向の負荷や介助時の大きな負荷が得られた。
ガイドライン等の開発
得られた成果を厚生労働省の「座位保持装置部品の認定基準及び基準確認方法」の改訂の基礎データとして使用する。平成18年度の成果については既に1回目の改訂(平成19年3月23日にホームページで公開 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/s0323-11.html )の作成の基礎データとして使用している。3年間の成果については平成21年度に認定基準の見直しデータとして使用予定である。
その他行政的観点からの成果
座位保持装置の補装具完成用部品の工学的評価基準として、得られた成果により改訂された「座位保持装置部品の認定基準及び基準確認方法」の改訂版が、平成19年度、20年度の座位保持装置の完成用部品の申請時の工学的評価基準として使われた。またクッション関係のデータは国際規格の作業部会ISO/TC173/SC1/WG11におけるクッション関連規格作成への基礎データとして使用しており、今後も継続してデータを提出する予定である。
その他のインパクト
国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所の平成19年度オープンハウス(平成2007年12月7日開催)時に座位保持装置に関する講演会「自立支援法における座位保持装置の規格化に関する講演会」を開催した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
6件
日本義肢装具学会3件、リハ工学カンファレンス2件、日本シーティングシンポジウム1件
学会発表(国際学会等)
1件
24th International Seating Symposium 1件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
研究成果を座位保持装置の認定基準の改訂に反映
その他成果(普及・啓発活動)
1件
講演会の開催

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
-