切除可能膵胆道領域がんに対する補助療法の研究

文献情報

文献番号
200824041A
報告書区分
総括
研究課題名
切除可能膵胆道領域がんに対する補助療法の研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-014
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
小菅 智男(国立がんセンター中央病院 外科)
研究分担者(所属機関)
  • 松山 裕(東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 生物統計学)
  • 上野 秀樹(国立がんセンター中央病院 消化器内科)
  • 江川 新一(東北大学大学院 医学系研究科 消化器外科)
  • 宮崎 勝(千葉大学大学院 医学研究院・臓器制御外科 消化器外科)
  • 羽鳥 隆(東京女子医科大学病院 消化器外科)
  • 斎浦 明夫(癌研有明病院 消化器外科)
  • 杉山 政則(杏林大学医学部外科 消化器・一般外科)
  • 今泉 俊秀(東海大学医学部消化器外科学 肝胆膵外科)
  • 中尾 昭公(名古屋大学大学院医学系研究科 消化器外科学)
  • 土井隆一郎(京都大学大学院医学研究科腫瘍外科学 肝胆膵・移植外科)
  • 門田 守人(大阪大学大学院医学系研究科 消化器外科)
  • 島田 光生(徳島大学大学院 臓器病態外科)
  • 田中 雅夫(九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科学 消化器外科)
  • 馬場 秀夫(熊本大学医学部 消化器外科)
  • 千々岩一男(宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学 消化器外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
19,369,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
膵胆道がんの切除例に対してはこれまで様々な集学的治療が試みられてきたのにもかかわらず、その有用性についてのエビデンスが乏しく、標準的な治療法は確立していなかった。最近の研究結果により、膵がんに対してはゲムシタビンを用いた補助化学療法は実質的な標準治療として取り扱われるようになったが、補助療法による全生存期間の延長効果はわずかであり、より効果の高い治療法が望まれている。2006年8月に膵がんに対する保険適応が認可されたS-1は数少ない化学療法剤のひとつとして期待を持たれており、2007年には胆道がんに対する適応も認められた。そこで、膵胆道がんを対象に、S-1を取り入れた補助化学療法の有用性を検証するための臨床研究を計画した。
研究方法
主要な研究としては、膵癌に対してゲムシタビンとのS-1併用療法(GS療法)を術後補助化学療法として用いた場合の有用性を検討するための臨床試験を計画し実行する。胆道がんについては膵癌以上にエビデンスの乏しいことを配慮し、実行可能で意味のある臨床試験の検討を進める。
結果と考察
平成19年度に「膵がん切除例に対する術後補助療法としてのゲムシタビンとS-1併用療法(GS療法)の第Ⅰ/Ⅱ相試験」の研究実施計画書を完成した。平成20年度は第Ⅰ相試験を完了して、薬剤の推奨用量を決定した。これを元に所定の手続を踏んで第Ⅱ相試験に移行した。

試験の概要は以下の通りである。
1) 目的:
膵がん切除例に対する術後補助療法としてのGS療法について第Ⅰ相部分で毒性を評価し、推奨用量を決定する。第Ⅱ相部分では有効性と安全性を評価する。
2) 評価項目
第Ⅰ相部分:
主要評価項目:DLTの発現頻度
第Ⅱ相部分:
主要評価項目:全生存期間
副次的評価項目:有害事象、無病生存期間
3) 対象:浸潤性膵管がん肉眼的治癒切除例(R0、R1)
4) 試験治療方法:
第Ⅰ相部分
・S-1とゲムシタビンの投与量はレベル0からレベル2の3段階を設定する。
・2週を1コースとして12コース投与を継続する。
・レベル1より投与を開始して、各レベル6例を登録し、DLTの発現頻度より推奨用量を決定する。
第Ⅱ相部分
・第I相部分において推奨用量と決定された投与量レベルを用いる。
5 予定参加者数:
第I相部分:各投与量レベル6例
第Ⅱ相部分:55例
結論
膵がんの補助療法に関しては、GS療法の第Ⅰ/Ⅱ相試験が順調に進んでいる。胆道がんの補助療法については研究計画についての検討を引き続き行なっていく。

公開日・更新日

公開日
2009-04-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-12-01
更新日
-