国際的動向を踏まえた食品添加物の規格、基準の向上に関する調査研究

文献情報

文献番号
200734036A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的動向を踏まえた食品添加物の規格、基準の向上に関する調査研究
課題番号
H19-食品-一般-007
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 恭子(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究分担者(所属機関)
  • 斎藤 寛(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科薬学系)
  • 杉本 直樹(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部 )
  • 久保田 浩樹(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部 )
  • 扇間 昌規(武庫川女子大学 薬学部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
11,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品添加物の規格基準の向上と国際的整合化を推進し、食品の安全性を確保するため、調査研究を行った。
研究方法
規格分析法の検討:面積百分率法を用いたGC法と定量核磁気共鳴(qNMR)法によりピラジン類を分析し、測定値の精度の比較を行った。増粘安定剤の残留溶媒分析は、一晩室温放置及び酵素溶液添加のヘッドスペース(HS)-GC法の比較検討を行った。赤外吸収スペクトル(IR)は、各種測定を行い、海外の参照IR等と比較検討した。香料化合物の自主規格:自主規格作成方針を見直し、自主規格を策定した。天然香料基原物質:系統的に分類し、基原物質の範囲や別名等の情報を加えた。生産量統計を基にした食品添加物の摂取量の推定:指定添加物及び既存添加物のアンケート調査結果をまとめた。食品添加物と食品成分等の複合作用による副生成物の解明等:カット野菜を亜塩素酸ナトリウム(Na)液で処理し、HS-GCにより分析した。ソルビン酸(SOA)とシステイン塩酸塩(Cys)の反応生成物について構造決定を行った。
結果と考察
GC法は異性体混合物の各異性体の同定に標準品が必要であるが、qNMR法で求められた定量値は方法論的にも真値に非常に近いと考えられた。増粘安定剤の残留溶媒分析では、酵素添加HS-GC(HSバイアル加熱条件60 ℃、40分間)で、一晩室温放置HS-GCとほぼ同様の結果が得られた。IRは、7品目の標準となるIRを検討した。標準IRを設定するにあたっては、日本の気候・風土を考慮に入れ、測定条件や注意事項を明らかにし、再現性の良い測定法を確立する必要があると考えられた。香料化合物370品目につき自主規格を作成した。天然香料基原物質612品目を系統分類し、CFR、 CE(III)、FEMA- GRASリストの情報等を加え、天然香料の実態調査に向けたデータベースを構築した。カット野菜の亜塩素酸Na殺菌処理では、消毒副生成物は検出されなかった。SOAとCysの反応生成物は、SOA由来の炭素骨格の一部が開裂した炭素数4の部分にCys2分子が付加した物質であることを明らかにした。
結論
規格分析法としてqNMR法等の有用性を示し、標準IRを検討するとともに、香料化合物等の規格向上に向けた調査研究を実施した。さらに、摂取量調査、食品中の食品添加物の変化に伴う生成化合物に関する研究により、食品添加物行政の安心・安全の確保に資する知見が得られた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-15
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-02-04
更新日
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