特別養護老人ホームにおけるサテライト居住と本体改修に関する研究

文献情報

文献番号
200718020A
報告書区分
総括
研究課題名
特別養護老人ホームにおけるサテライト居住と本体改修に関する研究
課題番号
H18-長寿-一般-009
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
井上 由起子(国立保健医療科学院施設科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 三浦 研(大阪市立大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、サテライト型特別養護老人ホームにおける運営実態と利用者効果、それに伴う本体施設のユニット化改修の進捗状況を把握したうえで、その意義と課題を検証することを目的としている
研究方法
実施した研究は以下の三つである。このうち1は昨年度から継続調査であり、昨年度は9事例中の5事例を視察し、本年度に残りの4事例を視察した。
1.サテライト型特別養護老人ホームにおける運営実態に関する研究
2.サテライト化およびユニット型が家族の訪問に与える影響に関する研究
3.厨房分散に関する研究
結果と考察
1.サテライト単体で整備されている例は1事例のみで、残りの8事例は他事業を組み合わせた形態であった。小規模多機能居宅介護の併設が5事例、居住系サービスの併設が2事例、デイサービスの併設が1事例であった。複合化により、職員の効果的配置(看護職員の建物内日中常時一名配置、一人夜勤の解消)、設備の共有化が図られていた。医療については、近隣の開業医の支援を受けている事例が複数あった。土地建物の賃借が2事例、既存建物転用が2事例であった。
2.全てのサテライト型特養で周辺地域に自宅のある方の入居が優先されている。2施設での詳細調査により、家族訪問の多様化(回数・時間・滞在時の過ごし方)が確認された。
3.厨房分散の意義と効果が確認された。一方で、その実現にあたっては職員配置ならびに運営システムの変革が欠かせないことが明らかとなった。
結論
サテライト型特養は施設機能の地域展開と利用者の地域居住の双方の実現を目指して推進されている。家族の評価も高く、当初の目的をほぼ達成していると結論づけられる。事業性の観点から、サテライト型特養単体での整備ではなく、居宅系サービスを含めた複合整備が欠かせないことが明らかとなった。分散化と小規模化と地域化により食事提供のシステムは極めて多様であった。本体施設の改修は改修済みから計画立案に至ってない事例まで様々であり、サテライト=本体改修という単純な図式は描きにくいことが判明した。

公開日・更新日

公開日
2008-06-06
更新日
-

文献情報

文献番号
200718020B
報告書区分
総合
研究課題名
特別養護老人ホームにおけるサテライト居住と本体改修に関する研究
課題番号
H18-長寿-一般-009
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
井上 由起子(国立保健医療科学院施設科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 三浦 研(大阪市立大学大学院生活科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、サテライト型特別養護老人ホームにおける運営実態と利用者効果、それに伴う本体施設のユニット化改修の進捗状況を把握したうえで、その意義と課題を検証することを目的としている。
研究方法
実施した研究は以下の四つである。
1.サテライト型特別養護老人ホームにおける運営実態に関する研究
2.サテライト化およびユニット型が家族の訪問に与える影響に関する研究
3.既存特別養護老人ホームの改修時の法規・施工・資金計画上の課題に関する研究
4.厨房分散ならびに浴室分散に関する研究
結果と考察
1.サテライト単体で整備されている例は1事例のみで、残りの8事例は他事業を組み合わせた形態であった。小規模多機能居宅介護の併設が5事例、居住系サービスの併設が2事例、デイサービスの併設が1事例であった。複合化により、職員の効果的配置(看護職員の建物内日中常時一名配置、一人夜勤の解消)、設備の共有化が図られていた。医療については、近隣の開業医の支援を受けている事例が複数あった。土地建物の賃借が2事例、既存建物転用が2事例であった。
2.全てのサテライト型特養で周辺地域に自宅のある方の入居が優先されている。2施設での詳細調査により、家族訪問の多様化(回数・時間・滞在時の過ごし方)が確認された。
3.本体改修はサテライト整備に遅れて実施・計画されている。一部に多床室を残した改修が大半である。各種法規(建築基準法、消防法、都市計画法、老人福祉法)上の課題が確認された。典型的事例を対象に資金計画の大枠を検討し、職員配置増を踏まえた枠組みが必要であることを明らかにした。
4.既存施設における厨房分散や浴室分散の意義と効果が確認された。一方で、その実現にあたっては職員配置ならびに運営システムの変革が欠かせないことが明らかとなった。
結論
サテライト型特養は施設機能の地域展開と利用者の地域居住の双方の実現を目指して推進されている。家族の評価も高く、当初の目的をほぼ達成していると結論づけられる。事業性の観点から、サテライト型特養単体での整備ではなく、居宅系サービスを含めた複合整備が欠かせないことが明らかとなった。分散化と小規模化と地域化により食事提供のシステムは極めて多様であった。本体施設の改修は改修済みから計画立案に至ってない事例まで様々であり、サテライト=本体改修という単純な図式は描きにくいことが判明した。
サテライト型とは別に本体施設の改修を行った事例調査から、各種法規(建築基準法、消防法、都市計画法、老人福祉法)上の課題が確認された。

公開日・更新日

公開日
2008-06-06
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200718020C

成果

専門的・学術的観点からの成果
サテライト型特別養護老人ホームの実態把握がなされ、様々な事業を複合整備することで、建物内での常時看護日中1名配置と複数夜勤配置が実現されていた。医療については本体施設との距離によっては、本体施設の嘱託医のほか近隣の開業医のサポートを得ている事例があった。利用者家族からは評価を得ているが、利用者の生活・精神面に対する定量的な評価は課題として残った。
臨床的観点からの成果
とくになし
ガイドライン等の開発
とくになし
その他行政的観点からの成果
療養病床再編における建物整備(改修・サテライト)上の課題が抽出された。
その他のインパクト
ユニットケアの各種研修を行っている認知症介護研究・研修東京センターと医療福祉建築協会の共催にて個室ユニット化改修の研修会を2007年夏に実施し60名の法人等の参加を得た。静岡県、全国老人福祉施設協議会にて同様の講演ならびに研修を実施した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
2件
介護保険情報(社会保険研究所)、地域密着型サービスマニュアル(厚生協会)
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
4件
日本建築学会
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
高齢者施設のユニット化改修計画ガイドライン(認知症介護研究・研修東京センター発行)
その他成果(普及・啓発活動)
4件
ユニット化改修研修会(静岡県主催)、個室ユニット化改修研修会(医療福祉建築協会主催)、講演(全国老人福祉施設協議会ほか)、個別設計相談対応(2件)

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
-