文献情報
文献番号
200709001A
報告書区分
総括
研究課題名
疾患関連たんぱく質解析研究
課題番号
H15-たんぱく-指定-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
山西 弘一(独立行政法人医薬基盤研究所)
研究分担者(所属機関)
- 友池 仁暢(国立循環器病センター 病院)
- 高坂 新一(国立精神・神経センター 神経研究所 )
- 鏑木 康志(国立国際医療センター 研究所)
- 田上 昭人(国立成育医療センター )
- 太田 壽城(国立長寿医療センター)
- 佐古田 三郎(大阪大学大学院医学系研究科)
- 高尾 敏文(大阪大学蛋白質研究所)
- 今岡 真義(大阪府立成人病センター)
- 金子 勲(ヒューマンサイエンス振興財団(創薬プロテオームファクトリー))
- 寒川 賢治(国立循環器病センター 研究所)
- 南野 直人(国立循環器病センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(疾患関連たんぱく質解析研究)
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
463,620,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、我が国における五大疾患(がん、糖尿病、高血圧、認知症、免疫疾患)について、健常人と患者とのたんぱく質発現の変動を質的・量的に評価することにより、疾患の発症や悪化、治癒に関わるたんぱく質(疾患関連たんぱく質)を、医薬品シーズ・創薬ターゲット・疾患マーカーとして有効活用するための基盤技術を開発することを目的とする。
研究方法
提供された健常者を含む各種ヒト疾患血清試料(23疾患、624検体)及び各種ヒトがん患者組織(3疾患、34検体)を用いてたんぱく質を質量分析法により大規模かつ高速解析するとともに、バイオインフォマティクスの手法を用いてたんぱく質の同定及び比較定量を行い、これらの結果を基にデータベースを構築した。
(倫理面への配慮)全ての研究は各機関と創薬プロテオームファクトリー(PF)の倫理委員会の承認後、当該倫理規定に従って患者検体の採取・解析等を実施した。
(倫理面への配慮)全ての研究は各機関と創薬プロテオームファクトリー(PF)の倫理委員会の承認後、当該倫理規定に従って患者検体の採取・解析等を実施した。
結果と考察
PFの主な研究結果は以下のとおりであった。
1)各研究機関から提供された日本人健常者及び糖尿病等23疾患の全ての血清 (624検体)について、cICAT法による高発現血清たんぱく質(上位約140種類、累計約350種類)の同定と比較定量解析を終了し、その解析結果と臨床情報から構成するデータベースを構築した。
2)各種がん患者組織試料(がん・正常組織等34検体)をcICAT法により解析し、患者毎に600-1000種類のたんぱく質の同定と比較定量(がん/正常)を行い、スキルス胃がんに特徴的な十数種類のたんぱく質を見出した。
3)SELDI-QqTOF-MS法を導入して、糖尿病患者(合併症有無)血清(124検体)及び健常人血清(40検体)を解析し、合併症で観察される複数のピークを見出した。
4)脳脊髄液を用いたcICAT法による解析法を検討し、約310種類のたんぱく質を同定・比較定量した。
1)各研究機関から提供された日本人健常者及び糖尿病等23疾患の全ての血清 (624検体)について、cICAT法による高発現血清たんぱく質(上位約140種類、累計約350種類)の同定と比較定量解析を終了し、その解析結果と臨床情報から構成するデータベースを構築した。
2)各種がん患者組織試料(がん・正常組織等34検体)をcICAT法により解析し、患者毎に600-1000種類のたんぱく質の同定と比較定量(がん/正常)を行い、スキルス胃がんに特徴的な十数種類のたんぱく質を見出した。
3)SELDI-QqTOF-MS法を導入して、糖尿病患者(合併症有無)血清(124検体)及び健常人血清(40検体)を解析し、合併症で観察される複数のピークを見出した。
4)脳脊髄液を用いたcICAT法による解析法を検討し、約310種類のたんぱく質を同定・比較定量した。
結論
今回、23疾患と日本人健常者を含む全ての血清(624検体)について、cICAT法による高発現たんぱく質の同定と比較定量解析を完了させ、その解析結果と臨床情報を連結可能にするデータベースを構築したことで、今後の日本人健常者と各疾患群血清との統計解析が可能となった。今後は、発症原因や病態、治療内容、採取時期等を選択し、解析検体数を増やすとともに、解析方法等の多様化、高感度化に対応できる高品質な解析試料の調製とプロテオミクスやメタボロミクスの導入などによる新たなバイオマーカーの開発や創薬ターゲット探索の迅速化を図ることが極めて重要と考える。
公開日・更新日
公開日
2008-06-17
更新日
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