障害者のエンパワメント向上のためのスポーツ活動への参加および自立基盤づくりの評価に関する支援研究

文献情報

文献番号
200400557A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者のエンパワメント向上のためのスポーツ活動への参加および自立基盤づくりの評価に関する支援研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小野寺 昇(川崎医療福祉大学(医療技術学部))
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 香代(岡山大学(教育学部))
  • 三浦 孝仁(岡山大学(教育学部))
  • 末光 茂(川崎医療福祉大学(医療福祉学部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
障害者における人と人との関係,人と組織の関係,人と社会の関係の新たな可能性として,障害者の生涯スポーツと競技スポーツを通した自立の基盤づくりと評価に関する研究を提案した.
研究方法
4つの課題を設定した.すべての課題においてヘルシンキ宣言の趣旨に沿ったインフォームドコンセントを実施し,研究参加の同意を得た.1)自閉症児の社会参加のためのスポーツ活動バリアフリーの構築に関する研究.①自閉症児の水中運動教室を開催し,指導者養成を行なった.②障害児者のための水泳教室の開催とスポーツ活動バリアフリーの支援活動に関する研究を実施した.③養護学校生徒のための地域支援基盤づくりに関する研究を実施した.2)情報バリアフリーと医科学支援インクルージョンに関する研究.①医科学支援の評価を実施した.3)障害者スポーツの情報バリアフリー構築に関する研究.4)障害者スポーツにおけるノーマライゼーションへの支援研究に関する研究.
結果と考察
1)自閉症児のバリアフリーの構築に関する研究から①72%で具体的な改善効果が認められたことが明らかとなった.水中運動教室開催促進のためには指導者育成支援活動が最も重要であることが強く示唆された.②岡山県のホームページ(HP)において障害者水泳教室の開催日時等を公開し,広く情報を伝えた.HPを用いた情報発信は,スポーツ活動バリアフリーの支援活動として有効であることが示唆された.③養護学校,行政,大学の連携が,継続的な支援を可能とすることが示唆された.2)医科学支援インクルージョンに関する研究から,脊髄損傷が骨密度の低下を促進する要因であることが明らかになった.本事業によって医科学支援を継続する組織づくりを果たすことができた.本事業の成果をパンフレットにし,障害者の自立基盤づくりを推進する.3)情報バリアフリーに関する研究として,「ふれあいスポーツ・フェスティバルinおかやま」の開催,点字訳の配布を行い,広く県民に情報提供を促した.NPO法人障害者ネットワークを設立した.4)ノーマライゼーションの支援研究から,訪問型運動支援は日常活動量を増加させることが示唆され,このことがスポーツ活動参加へのステップになるものと考えられた.
結論
平成16年度は,人と社会の関係に焦点をあて具体化した.人と社会の関係における情報バリアフリーの構築が,障害者のエンパワメント向上に寄与することが示唆された.

公開日・更新日

公開日
2005-04-20
更新日
-

文献情報

文献番号
200400557B
報告書区分
総合
研究課題名
障害者のエンパワメント向上のためのスポーツ活動への参加および自立基盤づくりの評価に関する支援研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小野寺 昇(川崎医療福祉大学(医療技術学部))
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 香代(岡山大学(教育学部))
  • 三浦 孝仁(岡山大学(教育学部))
  • 末光 茂(川崎医療福祉大学(医療福祉学部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
障害者における人と人との関係,人と組織の関係,人と社会の関係の新たな可能性として,障害者の生涯スポーツと競技スポーツを通した自立の基盤づくりと評価に関する研究を提案した.すべての研究課題においてインフォームドコンセントを行い,同意を得た.
研究方法
4つの課題を設定した.1)自閉症児の社会参加のためのスポーツ活動バリアフリーの構築に関する研究①自閉症児の水中運動教室の参加支援に関する研究を行なった.②障害児者の水泳教室の支援活動に関する研究を行なった.③養護学校生徒の地域支援基盤づくりに関する研究を行なった.2)情報バリアフリーと医科学支援インクルージョンに関する研究.①車いす競技の医科学支援ニーズと現状を把握した.②車いす競技の医科学支援を行なった.③南部健康づくりセンターの医科学支援の拠点化と障害者スポーツ指導者の育成を行なった.④トップアスリートとの交流を行なった.3)障害者スポーツの情報バリアフリー構築に関する研究.4)障害者スポーツにおけるノーマライゼーションへの支援研究に関する研究.
結果と考察
1)自閉症児のスポーツ活動バリアフリーの構築に関する研究から,平成15年度:82%,平成16年度:72%に具体的な日常生活の改善点が明らかになった.②参加者の増加状況から情報伝達手段としてホームページの有効性が明らかになった.第5回全国障害者スポーツ大会(輝いて!おかやま大会)開催が大きな動機づけになっているものと考えられた.③養護学校と大学が連携することにより,継続的な支援が可能となった.2)岡山県南部健康づくりセンターの拠点施設化,アスリート医科学支援事業の展開,地域のヒューマンパワー育成が選手交流と医科学支援のインクルージョンを推進した.今回の医科学支援が,国内トップクラス選手においても初めての経験であることが明らかとなった.3)「ふれあいスポーツフェスティバルinおかやま」を開催した.1万5千人が訪れた.NPO法人障害者ネットワークを設立した. 4)チューブ筋力トレーニングによって下肢筋力が増加した.
結論
3年間の成果は,情報バリアフリーが障害者のエンパワメント向上の具体的な成果に結びつくことを示唆し,障害者のスポーツ活動への参加と自立基盤づくりに欠くことのできない社会支援であることが検証された.これらの評価が障害者のエンパワメント向上に寄与することが強く示唆された.

公開日・更新日

公開日
2005-04-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-