標準的な乳房温存療法の実施要項の研究

文献情報

文献番号
200400477A
報告書区分
総括
研究課題名
標準的な乳房温存療法の実施要項の研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
霞 富士雄((財)癌研究会有明病院 乳腺科)
研究分担者(所属機関)
  • 福富 隆志(国立がんセンター)
  • 岩田 広治(愛知県がんセンター)
  • 菰池 佳史(大阪府立成人病センター)
  • 光山 昌珠(北九州市立医療センター)
  • 高嶋 成光(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター)
  • 末益 公人(埼玉県立がんセンター)
  • 池田  正(慶應義塾大学医学部)
  • 戸井 雅和(東京都立駒込病院)
  • 西村 令喜(熊本市民病院)
  • 平岡 真寛(京都大学医学部)
  • 中村 清吾(聖路加国際病院)
  • 小口 正彦(癌研究会有明病院)
  • 坂元 吾偉(癌研究会癌研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本班も2年間の研究、アンケート、議論をつくし、最終年に入って研究成果をガイドラインとしてまとめ、「医療者向け」と「一般向け」の2冊子とすることになった。2年間の研究成果として骨格と主旨は組み立てられているが、これを平易な文章によって人々に伝達し、その徹底の完成を期するわけである。
 現在、日本では、温存療法は従来からの乳房切除を抜いて主座に付いているほど日常的な方法になっているが、その実施に関しては、各施設によって施行方法にばらつきが多く、改めてこれまでの方法に束縛帯をかけて確実、着実を期し、かつ一段と普遍化を計ることが本班の研究目的である。
研究方法
 2年間の研究の実績によって、温存療法の全体を初めから作定していくのは害が多く、我々は、班の要項を7つに分け、各々の小班によって各自の項目について議論を重ね、7つの各小班の決定を最終的に並置して、最後にそれらに対してスムージングを行って全体の要項とした。
結果と考察
 スムージングを行って要項の研究を全体的にまとめて通読されるように連続させた。この作業は単純なものではあるが、複雑な内容を平易に伝えることは至難な作業であった。2冊子の完成によって、ばらつきをもって各専門施設によって実施されている内容に対して専縛帯をかけて改善、改正の手がかりになることを期待している。
結論
 「標準的な乳房温存療法の実施要項の研究」班は、3年間の研究によって、「医療者向け」と「一般向け」の2冊子のガイドラインとしてまとめることができた。この2冊子は医学会と社会に対して受け入れられることと考えられるが、まずは日本乳癌学会の認定医と基礎系の評議員に配布して、高読を願うこととした。将来要望があれば、出版社を選んで有料出版を行うことを考えている。

公開日・更新日

公開日
2005-03-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-

文献情報

文献番号
200400477B
報告書区分
総合
研究課題名
標準的な乳房温存療法の実施要項の研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
霞 富士雄((財)癌研究会有明病院 乳腺科)
研究分担者(所属機関)
  • 福富 隆志(国立がんセンター)
  • 岩田 広治(愛知県がんセンター)
  • 菰池 佳史(大阪府立成人病センター)
  • 光山 昌珠(北九州市立医療センター)
  • 高嶋 成光(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター)
  • 末益 公人(埼玉県立がんセンター)
  • 池田  正(慶應義塾大学医学部)
  • 戸井 雅和(東京都立駒込病院)
  • 西村 令喜(熊本市民病院)
  • 平岡 真寛(京都大学医学部)
  • 中村 清吾(聖路加国際病院)
  • 小口 正彦(癌研究会有明病院)
  • 坂元 吾偉(癌研究会癌研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本班の研究は最終の3年目に入り、現在通常に行われている乳房温存をより良きものに改善してゆくよう、上昇傾向の内容とするガイドラインを作定する段階に入った。ガイドラインは「医療者向け」と「一般向け」の2冊をまとめることとした。
 このガイドラインが、日本で行われている温存療法の標準化に少なからず貢献し、特にマスコミを中心とする社会の懸案事項となっている乳癌の問題改善の一助になるものと考えられる。
研究方法
 乳房温存療法全体を初めから班全体で議論することは進行が遅れるために、要項全体を画像診断、適応、手術法、病理検索、照射法、化学ホルモン療法、整容性とQOLの7項に細分して研究議論を行った。この方式は競争原理も働いて有効であった。最終の3年目に素案をまとめて全員で推敲し、全体的なガイドラインとして完成させた。
結果と考察
 ガイドラインの作定は難物であって、諸事項の標準化だけでも容易ではなかったが、これを易しく文章化するのも大変であった。基本は事項の作定なのであるが、易しく伝えるのも重要である。特に一般向けの冊子は、専門医達が作った記述は患者家族にとっては難解になりがちで、記述、挿図、色彩化など留意することが多かった。
 
結論
 3年間の研究、調査、議論によって乳房温存療法の要項を「医療者向け」と「一般向け」の2冊にまとめることができた。内容は可能なかぎり世界的なエビデンスに基づくよう努力したが、手術法や病理検索などエビデンスにならない事項も多く、日本の主要な乳癌治療病院の代表者の経験に基づく提示、レコメンデーションの形態となっている。本ガイドラインは、現在一般的に行われている温存療法に対してのある程度のしめつけとなり、より良き温存療法へ貢献することが考えられる。

公開日・更新日

公開日
2005-03-31
更新日
-